2畝目の薩摩藷の収穫開始

 上田のお母さんの会のNさんが手伝いに来てくれ、僕のパートナーと一緒に薩摩藷を掘ってくれました。

この畝を掘りました

 1畝目はもう掘り終わっていて、2畝目は違う品種が植わっています。1畝目は「紅東」でしたが、今日掘った畝は高系22号です。初めて作る品種です。

 前日に僕が蔓を刈っておき、パートナーがマルチを剥がしておいてくれました。2人で掘ってくれたのですが、細長い芋で、深く植わっているため、掘り出すのが大変で折れてしまい、それほど沢山掘れませんでした。明日会社のTさんが手伝ってくれるので、力のある彼に任せることになりそうです。

薩摩藷の収穫

葉菜類の種蒔き

 玉葱の植付けが何とかなる気がして来たので、ずっと遅れていた葉菜類の種蒔きをしました。この地域でいつまで葉菜類の種が蒔けるかは、冬の気候によりますし、保温資材を使うなど栽培方法にもよります。暖冬なら12月初めに蒔いても何とか育つこともあります。今ならまだ大丈夫なので、普通に播種しました。

 塩田は雨が少ないので、普通は平畝で作ります。畝を作らない方が簡単です。でも今回種蒔きしたのは減反田で水が溜まりやすいので排水も兼ねて畝立てしています。9月初めに畝を立てたのですが、余裕が無く、2カ月経ってしまいました。もっとも、9月初めには父が別の畑に種を蒔いてくれたので、少し時間を置こうと思っていたら、稲刈で余裕が無くなってしまったのでした。

 幸い雨が少なく、元々田で畑の雑草の種が少ないこともあって、雑草もあまり生えていません。水菜、べんり菜、法蓮草の種を蒔きます。

葉菜の種と蒔く畝

 筋蒔きなどやっている時間が無いので、と言ってもいつものことですが、この畝に直接バラ播きます。その上からレーキで均して、というか引っ掻いて、何となく種を土に埋めるというか、土と混ぜます。種が少し多めにいりますが、時間はかかりません。レーキに負けなかった雑草を手で抜いてお終いです。

蒔き終わりました。自生したジャガイモは何となく残しました

玉葱の準備で草刈

 昨日に引き続き、玉葱植付の準備です。簡単に言うと、まず雑草を片付けて土壌を露出させます。そこに肥料を撒き、耕します。

 菜摘農園では、これは珍しいプロセスです。というのも、雑草などの植物は畑を肥やす腐植の材料の一つだからです。通常菜摘農園では積極的に草を生やし、それを細かく裁断して、土壌に鋤込みます。多くの作物では、粗大有機物が多い程よく育つからです。ところが玉葱は違うのです。粗大有機物は生育の妨げになるので、直前に鋤込むのは良くありません。

 そこで出来るだけ片付けます。そのためにはまず草を刈らなければなりません。刈払い機で刈った草を集めて片付けたのですが、かなり草が残っているので、さらにハンマーナイフモアで刈ります。

モアで刈り終わりました

 南瓜は隣の畑にも植えてあり、そこも片付けてタマネギを植えねばなりません。こちらは南瓜を探して収穫しただけで、雑草が生えたままです。

南瓜を収穫しただけで草だらけの畑

 もう1カ所、薩摩藷の後にも玉葱を植える予定です。こちらも掘り終わった畝以外は雑草に覆われています。掘り終わっていない畝からは薩摩藷のツルも伸びています。

薩摩藷を掘った跡以外は草だらけ

 薩摩藷は畝の中以外にはできないので、雑草を直接ハンマーナイフモアで刈っても問題ありません。

モアが通った後は雑草が粉砕されて真っ平ら

 ハンマーナイフモアは雑草を刈るだけでなく、細かく粉砕してくれるので、片付けも簡単です。薩摩藷を掘るには、ツルを片付けなければならないのですが、薩摩藷のツルは長くて手で片付けるのは結構大変です。畝にはマルチが張ってあるので、モアで刈るわけにはいきませんが、それ以外のツルは全部モアで刈ってしまいます。

薩摩藷を掘っていない畝の手前は刈り終わった

 来週幼稚園の子供達が薩摩藷を掘りにくるのですが、これで簡単に掘ることができます。次はもう1つの南瓜が植わっていた畑です。

 見つけ損なった南瓜が残っているでしょうから、本当は少しずつ刈払機で刈りながら残った南瓜を探すと良いのです。モアで刈る方がはるかに早いのですが、直接モアで刈ると早過ぎて南瓜を見つける暇がありません。モアは強力なので、南瓜も粉砕してしまいます。でも時間が足りないので、モアで刈ることにしました。刈る前に念のため見つけ損なった南瓜を探しているうちに、暗くなってしまいました。続きは明日に持ち越しです。

モアを移動して、南瓜を探しているうちに暗くなってしまった

雨が上がったので南瓜の収穫

 雨の予報だったので、稲刈は諦めて溜まったデスクワークを片付けようと思っていました。ところが嬉しいことに8時前に雨が上がりました。でも田んぼには水が溜まっているでしょうし、稲架に掛けた稲束もずぶ濡れで、すぐには稲刈も脱穀もできません。そこで南瓜の収穫の続きをすることにしました。

 このように雑草に埋まっています。南瓜畑とは思えません。

これから南瓜の収穫

 見た目は雑草が多いのですが、膝まであるかないかです。秋口までは草を抑えていたのですが、涼しくなってもう雑草もそれほど伸びないだろうと、他の作業を優先していました。南瓜は葉が大きいので、悪くはない程度の受光体制です。この畑は、次は玉葱を植えようと思っているので、南瓜の蔓や雑草を刈りながら南瓜を収穫用コンテナに集めます。

雑草を集めながら収穫

 蔓沿いに探すので、見つけやすいはずなのですが、コンテナのすぐそばにあっても気付かなかったりします。

雑草の間に隠れた南瓜

 写真の撮り方が悪いので見えにくいかもしれませんが、右下に南瓜、左上にコンテナが隠れています。雑草に埋もれていると見落としが起こります。

 もう涼しくなったので、雑草もそんなに大きくならないだろうと思っていたのですが、大きな間違いでした。もちろん気温が下がって来ているので、それほど大増殖はしていません。南瓜の成長にもそれほど影響は無かったでしょう。でも南瓜が隠れてしまう程度には生えてしまいました。雑草をを刈り集めながら南瓜を拾い集めて行くわけですが、最初は鎌で刈っていましたが、面倒なので刈払機で刈り始めたところ、早速南瓜をひとつ刈ってしまいました。

 南瓜は地続きの2枚の畑にそれぞれ75坪ほど作っています。まだその片方の半分弱収穫したところです。この畑は今ひとつ地力が無いのか、何を作ってもあまり良くできません。南瓜も例年より小振りのようです。それでもこれまでに段ボール6個分ほど収穫しました。

収穫した南瓜

収穫した南瓜

 病虫害を分散する目的もあって、色々な品種を作っています。今朝の収穫はコンテナに3個分でした。

南瓜の収穫

 残念ながら農業だけに専念するわけにも行かず、今日も出張です。朝5時に起きましたが、この季節は外は真っ暗。まずはデスクワークをこなしながら明るくなるのを待ち、久しぶりに畑に行きました。

 これ以上農機を使って田んぼの作業を進めても、出張中に後の作業が終わりません。例年なら間もなく初霜が降りる時期なので、間に合っていない畑の収穫を優先することにして、南瓜の収穫に行きました。もう収穫なので、除草も後回しで、草に埋もれつつあります。

雑草に埋もれつつ頑張っている南瓜

 南瓜は暑い夏が終わって元気になったところで、盛んに花を咲かせています。雄花が多いのですが、雌花も沢山付いています。まだ実を着ける気まんまんです。

南瓜の雌花

 南瓜は多分気付いていないのでしょうが、月末から来月初めにかけて初霜が降ります。南瓜をはじめとした夏野菜は霜には絶えられないので、そこで枯れてしまいます。残念ながら今から実らせる余裕はありません。

 霜に当たると傷むので、収穫をはじめたわけです。小1時間で段ボール2箱ちょっとの南瓜が収穫できました。続きはまた明日。朝露が乾くまでは稲刈も脱穀も難しいので、これまでは田んぼで稲刈の邪魔になる雑草を刈っていました。田んぼの雑草が片付いたので、これからは朝は畑仕事ができそうです。

 

稲刈ができなくても畑の世話なら

 今日も稲刈の予定だったのですが、朝から曇りで、昼前に小雨が降り出してしまいました。稲が濡れているとバインダー(稲刈機)に絡まってしまい、うまく稲刈が出来ません。残念ですが稲刈は中断して田んぼから帰って来ました。

 忙しくて田も畑も手が回らず、遅れがちの稲刈を優先していたので、畑に気になることが沢山ありました。家の隣の畑の土を見ると、小雨なのでほとんど湿っていません。普通なら雨でも作業できるのは田んぼで、畑は雨のときに入ると土が締まってしまったり、作物に泥が跳ねて病気が出たりと良いことはありません。でも土がほとんど濡れない程度の小雨なら、畑に入っても大丈夫です。

セット玉葱の畝

 玉葱のセット栽培をしているのですが、植付けが遅れた上に発芽も遅く、予定通り年内に収穫できそうにありません。来春までかかると、分球薹立ちしてしまいます。葉玉葱として食べてもおいしいのですが、その頃には冬越しで作る玉葱の葉玉葱も食べ放題ですので、保温して年内に収穫しようと思っていました。

 「べたがけ」という保温資材を掛けるだけなのですが、その時間が取れません。でも雨で時間が空いたので、これ幸いと保温資材を取りに行きました。

 べたがけというのは薄い化学繊維の不織布です。使い捨てということと、再利用すると分解してバラバラになり土に混ざってしまうので、僕は普段は使いません。もっと厚い繰り返し使える資材を使うようにしています。

 べたがけを使い捨てた方が安くて簡単なので、最近売場に並んでいるのはべたがけが中心です。しまうのに場所も取らないので、家庭菜園には便利かもしれません。べたがけは保温資材として優秀なだけでなく、防虫にも有効です。

 べたがけが手元にあるのは、福島の原発事故でまたプルームが飛んでくるようなことがあった場合、最低限の作物を守るためです。放射性プルームを受けたべたがけは処分するしかないので、一番薄くて資源が無駄にならないものを選んだわけです。そのために幅240センチの広いものを用意していますが、100センチ程度の狭いものから色々な幅のものが売られています。

 放射能が来る前に掛けておいても良いわけで、セット玉葱と隣の野沢菜の保温用に使ってみました。べたがけを掛けるのにかかる時間はわずかですが、セット玉葱のセット球は自家製で発芽しない場合に備えて予備に植えておいたものを移植したり、除草したりもしたので、1時間程度の作業となりました。

2畝を覆ったべたがけ

 普通、マルチやトンネル用ビニールなどのシート状の資材は周囲を土で押さえます。でも僕は時間が無いのと、土は重くて大変なので、周囲に鉄の棒を置いて押さえています。

塩田平便り:久しぶりの雨の日々

 また大型台風の襲来です。被害が少ないと良いのですが。今年は天変地異が絶えない年のようです。塩田平もかなりの雨でしたが、幸い台風の直撃を免れたので、激しい雨程度ですみました。ただ、朝起きると家の側の減反田に水が溜まっていました。この減反田では、夏にジャガイモを掘った後、大根や白菜などを作っています。減反田はどうしても水が溜まりやすいのです。野菜は過湿に弱いので、9月初めに機械で排水溝を掘っておきましたが、水が入ってみるまでうまく排水出来るか分かりません。今回が初めてのまとまった雨ですが、排水溝を深くし過ぎて外の水路に流れて行かないようです。

 あわてて合羽を着て飛び出し、雨の中流れが悪いところを鍬で掘り直しました。水を側溝へ落とすための溝を1本増やしたのが効果があったようで、雨が収まってくると水が引きました。しばらく雨が降らなかったので、野菜にとっては恵みの雨でもあります。雨を見越して植えた白菜の苗も、これで活着してくれるでしょう。その一方、農作業は出来ません。それに米作りには困った雨でもあります。塩田平では稲刈が始まったばかりです。雨が多いと稲刈の機械が田んぼに埋まってしまうので、しばらくは稲刈が出来ません。わが家の田んぼは水が抜けにくいので、稲刈が出来るのは大分先になってしまいそうです。

 ここ2週間ほど多忙で、ほとんど家に居られなかったこともあり、田んぼの状態を見に行く暇もありませんでした。稲刈の準備もできていませんが、育ち過ぎたり乾燥し過ぎると、お米の品質が下がってしまいます。雨が上がったら、田んぼを回って様子を確認し、稲刈機を整備しておいた方が良さそうです。先週末は法事があり、時間が取れませんでしたが、父が白菜の苗を植えてくれました。また合間に少しだけ畑を準備出来たので、法蓮草など野菜の種も蒔きたいし、白菜の苗も追加で植えたいところです。やりたいことが多過ぎるので、時間との相談になりそうです。

 まずはお米の収穫の準備ですが、トラクターが壊れているのでトラクターで駆動する脱穀機も動きません。脱穀機の手当もしておかねば。また一段落したら、わが家の測定機でも作物の線量を量ってみたいものです。精度は低いので役に立つ結果が出るかはわかりませんが、手軽に簡単な測定が出来れば安心です。農協の測定では、この地区の米からは放射能は検出されなかったそうです。でも一般に米の測定は精度が悪いようです。米やジャガイモなど、沢山作っている作物は、専門機関で精度の高い測定をしてもらおうと思っています。面倒で困ったことですが、測る以外に知る方法が無いので、何でも測ってみるしかありません。

塩田平便り:大根と野沢菜の芽が出ました

 塩田平は残暑でかなり暑い日が続いています。周囲は稲刈の準備に入っているようですが、忙しくて自分の田んぼを見に行く暇がありません。小さな田んぼがいろんな標高に点在しているので、生育もまちまちです。幸い家の近くが一番時期が早いので、そこを見ていれば準備は間に合います。稲刈まではもうしばらくかかりそうですが、それまでに雑草を刈ってしまいたいところ。ところが残念ながら忙しく、9月前半に田畑に行けた日はごくわずか。それも秋冬野菜の種蒔きで今しか蒔けないものを蒔くだけで精一杯なので、田んぼまでは全く手が回りませんでした。野菜も作らねばならないので、米のある程度の減収は受け入れねばなりません。

 9月に入って雨が少なかったので、野菜の芽が出るか心配だったのですが、幸い蒔き終わった大根と野沢菜の芽が出てくれて、一安心です。キャベツの苗は少し植えましたが、白菜の苗はこれからです。少し遅れ気味ですが、まだ何とか間に合うでしょう。と言いながら、まだ当分は畑に行く余裕がありません。父が野菜作りにも慣れて来たので、白菜も最低限の植付けはやってもらえそうです。被災地のことも考え、農地を出来るだけ無駄にしないように作物を作りたいのですが、時間的に追いつけず、ある程度は諦めなければなりません。でも10月に植えて年を越して栽培出来るものもあるので、余裕ができれば沢山植付けたいと思っています。

 今年の米作りの反省は、天候の急変や管理のまずさで、計算をはるかに越える雑草が生えてしまったことです。そうでなくても時間が無いのに、草対策でかなりの時間を取られてしまいました。それでもまだ田んぼは草だらけです。お布団農法と言う、綿マルチを田んぼ全面に敷き詰める農法でお米を作っています。うまく行くと、ほぼ1本も雑草が生えずに収穫を迎えることができます。実際は、まだまだ完成された技術とは言えません。抑草に成功しても、収量が少なかったり、倒伏したりと、色々な問題があります。それでも今年も1枚の田んぼはほぼ草が生えませんでした。

 大量の雑草が生えた原因は、用水から大量の雑草の種が流入してしまったことです。子供に水の管理を頼んで失敗したり、5月という予想外の時期に来た台風に対応する時間が無かったり、隣の田んぼが盛り土をして駐車場になった影響で水路から例年の何倍もの水が流れ込んだり、猪に綿マルチをぐちゃぐちゃにされたりと、田んぼによってそれぞれです。不可抗力もありますが、予想出来ていれば防げたものもあります。用水からの種子の流入は、水口と呼ばれる水の取り入れ口の構造を変えれば防げそうです。家を建てる時に配管は散々やったので、その経験を生かして細いパイプから取水して表層水が流入しないようにすればかなり防ぐことができそうです。

 今年は原発事故でスタートから出遅れてしまったわが家の農業ですが、冬の間にちゃんと準備して、来年は収量を確保したいと思っています。忙しいのは来年も同じでしょうが、今年は全てが遅れていたので、計画的な栽培が出来ませんでした。来年は栽培計画を立てて着実にやって行けるようにしたいものです。ネギなどは、10月から苗作りを始める必要があります。今すぐ全ての計画を立てる必要はありませんが、そろそろ来年の計画も立て始めなければなりません。目の前の作物の世話も追いついていないわけなので、なかなか厳しいところもありますが、安全な作物と日本の自給率向上に努めたいと思います。そうそう。農協から、米から放射能不検出の連絡が来たのも良いニュースでした。