塩田平便り:冬に向けて最後の準備

 塩田平も段々寒くなって来ました。夜が冷え込んだ日は、朝起きると真っ白に霜が降りてきれいです。その霜も、陽が射し始めるとあっという間に消えてしまいます。ペチカを焚いておけば家の中は10度以下にはならないので寒くないのですが、相変わらず薪割りの時間が取れません。自分で焚くときは、四寸角の端材をそのまま焚いてしまえるのですが、パートナーは割った薪でないとうまく燃えないので、出張前に30分ほどかけて2日分位を割ってお茶を濁しています。先週末は村の団体の観光旅行だったので、農作業はお休みでした。普段出張が多いので、村の人と良く知り合う機会は貴重です。次の週末は村の忘年会です。

 天気の良い日の昼間は暖かく、田畑での作業の際、上着を着ていると汗ばんでしまうほどです。まだ芽が出るかもしれないので、父に週末に葉菜類の種を蒔いてもらいました。今のところ発芽していませんが、もう少し様子を見たいと思っています。水分が高かったお米はあいかわらず水分が高いままです。間もなく雨の予報なので、また水分が上がってしまいます。仕方ないので1枚の田は仕事の合間に、2日がかりで脱穀してしまいました。収量は米袋1袋だったので、玄米にして20キロあるかないかですが、貴重な追加の収穫でした。これで残った田は1枚だけです。天気との相談ですが、半日あれば脱穀してしまえる量なので、本格的に寒くなる前に片付けたいものです。

 大豆は先週末に高校の先輩が手伝いに来てくれ、パートナーと2人で全部刈り取ってくれました。残った大豆の半分位は、幸い雑草が少なく、比較的簡単に収穫できたとのこと。早速大豆の脱穀機を借りようとしたいのですが、別の地域で予約が入っていて、しばらく帰ってこないとのことでした。次の週末には借りることができますが、その前に雨の予報です。シートをかけてありますが、無事予約した日に脱穀できると良いのですが。米も大豆も11月中に脱穀を終えたかったのですが、残念ながら12月に入ることになってしまいました。

 野沢菜も、そろそろ漬けたいのですが、まだ最初のひと桶で足踏みです。最初の桶は幸い水が上がってくれたので、本当は押しを軽くしたいのですが、そこまで手が回りません。野沢菜は既に何度も強い霜に当たったので、漬けるのを急ぎたいところです。せっかく大きくなってくれているのですが、寒くなると枯れて行ってしまうのです。それなりに沢山作ったので、100キロ単位で野沢菜漬けが出来てしまう予定です。今週白菜や大根などを17箱被災地に送りました。冬になって野菜が少なくなったら、野沢菜漬けや沢庵を送りたいものです。野菜はあるのですが、漬ける時間があるかどうかが最大の問題です。

塩田平便り:思ったより大豆が収穫できそうです

 1週間ほど前に初霜が降りた塩田平ですが、その後強い霜も何度か降りました。日によっては夜は氷点下まで下がり、氷が張っています。秋が暖かかったので、例年より良く育っている野沢菜も、何度か霜に当たったので、そろそろ漬け時かもしれません。先週とりあえずひと桶だけ漬けましたが、水の上がりが今一つで、呼び水を差して様子を見ているところです。先週始めた薪割りで、しばらく保つと思ったのですが、ペチカを焚く時間が長く、追加の薪割りが必要になりました。今週も、薪の山を整理して、そのままストーブに入れられる大きさのものを家に運びました。割った方が良く燃えますが、このままでも焚けるので当分薪の心配をせずにすみそうです。

 先週と今週の2度、脱穀しないまま田んぼに残った稲の水分を計ったのですが、残念ながら雨で水分が上がってしまい、脱穀はできませんでした。それならと、大豆の収穫を始めることにしました。大豆も乾燥しないと莢から豆が取れないのですが、お米に比べればはるかに量が少ないので、若干水分が多くても日に干したりするのも簡単です。山の畑に作った大豆は、すっかり鹿に食べられてしまいましたが、家の近くで作った大豆は大丈夫でした。ただ、秋に入って除草の余裕が無く、かなり草に覆われてしまったので、収量は期待出来ないと思っていました。何しろ、横の道を通る時に横目でちらっと見る以上の余裕が無く、畑に入るのも2カ月ぶりと言う困った状態だったのです。

 畑の1/3ほどは、最後にもう一度除草したのでそこだけは少し収穫できるかと期待していました。畑に行ってみると、嬉しいことに、残りの部分もそれなりに実を付けてくれていました。もちろん大した収量ではないでしょうが、味噌を造る位は出来そうです。収穫と言っても、雑草の方がはるかに多いので、刈払機で雑草ごと刈り倒します。刈り倒した雑草をかき分けて大豆を探し出して集めるという、かなり面倒な作業です。労働力はあまり無いのですが、わが家総出で、知人にも手伝ってもらったりして、2日がかりでやっと半分刈り終わりました。段々草の方が増えて行くので、なかなかはかどりません。農協に大豆の脱穀機を借りる予約をしていたのですが、延期しなければなりません。

 冬野菜は順調に育っているようですが、講演などあって忙しく、あまり状況が把握出来ていません。また毎年のことですが、断熱が甘い部分を工事しようと断熱材を買ってあるのですが、工事する間もなく冬になってしまい、凍えているうちに春になってしまう、ということを繰り返しています。特に自分の部屋の床だけが断熱されていない上に家全体の空気の通りから外れていて、あまりペチカの熱が回って来ません。ストーブが無くてもやって行けないことはない程度なのですが、今年こそ断熱材を入れてしまいたいところです。手作りは手間暇かかりますが、大きな目標でもあるので、今年は何とか少しでも進めたいと思っています。

塩田平便り:大失敗の連続の中、玉葱を植え終わる

 塩田平も少しずつ寒くなって、そろそ冬が近づいています。例年なら10月からペチカに火を入れ始めるのですが、ペチカの煙突掃除や薪の準備が後回しになっていました。仕事もそれ以外も、畑も、ここのところ目が回るほど忙しかったのです。予定を入れ過ぎてスケジュールの調整に失敗し、村の自治会の旅行に行き損なってしまい、皆さんに迷惑をかけてしまいました。新しい予定を入れようとして、「あれ、こんな時間取れたっけ」と思った時に確認するべきでした。大失敗です。電子カレンダーでは無意識のうちに予定が消えてしまう危険があることを忘れていました。楽しみにしていた旅行に行き損なってしまい、大変残念でした。

 10月下旬暖かかったので、冬支度は手つかずでした。11月になって寒くなり始めても、ペチカを掃除する時間がありません。10月末から植え始めた玉葱の苗を、寒くなる前に植え終わらないと、来年収穫できないからです。老人達はそれぞれ自分の部屋にガスストーブがあるので、とりあえずそれを使ってもらっていました。玉葱はいろんな方に助けてもらい、旅行に行けず時間が取れたこともあって、先週末で何とか植え終わりました。針のような細い苗も植えたので、全部で1万本弱植えたことになります。早速冬支度に取りかかりたいところですが、稲刈も1割ほど残ったままになっています。まずは稲刈からというわけで、早速様子を見に行って、呆然としました。

 1カ月前まで山の田で首を垂れていた稲穂が全く見当たりません。稲の茎葉は残っているのですが穂がありません。田の隣の畑に植えてあった大豆にいたっては、茎ごと地上から全て無くなっています。全部鹿に食べられてしまったようです。この週末二度目の大ショックです。電柵を張っておいたので機械の様子を見に行くと、電柵は動いています。お隣の田んぼの収穫が終わり、お隣の電柵が撤去されてしまったので、そこから入ってしまったようです。時期的に、山に食べるものが少なくなって来たことも影響しているのでしょう。もっと早く刈り取るべきだったようです。先週末2度目の大失敗でした。

 稲刈の必要がなくなったので、週末に薪割りとペチカの掃除をする時間が出来ました。3年ぶりのペチカの掃除です。前回掃除した時に、それほど煤が溜まっていなかったので、何年かに1度やれば良いだろうと思っていました。煙突の煙の流れを調節するダンパーがうまく動かなくなっていましたので、そこだけ掃除すれば良いと思って、掃除口を開けてみて驚きました。中に煤が一杯です。ペチカは煙突より大きいとは言え、取った煤がゴミ袋に一杯になりました。ダンパーに詰まった煤には掃除口から手が届かず、完全に動くようにはなりませんでした。薪と一緒に燃して、煤を取り除くクリーナーを注文して、様子を見ているところです。

 薪の材料は山のように積み上がっているのですが、1年以上雨ざらしで、乾燥しているか怪しい状態です。幸い製材所で出た建築端材をもらってあります。乾燥材で1年以上放置してあるので、乾燥しています。2メートル近く積み上げてある山によじ上り、焚きやすい大きさのものを探し出し、ペチカの焚き口に入らない大きなものは斧で割りました。秋の夕日はつるべ落としで、薪が用意できたのはコンテナに5箱でした。5箱では今週中に燃してしまうでしょうから、今後の分も早く準備しなければ。針葉樹なので簡単に割れますし、薪割りをしたのは15分ほどですが、久々の薪割りで普段使わない筋肉を使ったらしく、肩の周りが痛みます。日々薪割りに励めば、慣れて痛むこともないということでしょう。

 早速ペチカにこの冬初めて火を入れてみましたが、煙突の通りは上々のようです。そうそう初めてと言えば、先週初めて新米を精米しました。早速いただきましたが、新米はこれまで食べていた古いお米と比べると、驚くほどおいしく、自分でも吃驚しました。もっとも、これまで食べていたのは2年前に穫った古米で、しかも原発騒動で春先に大量に精米してしまい、酸化も進んでいた米ですから、夏以降は自分でもあまりおいしくないと感じていたものでした。農家にとっては米は生命線ですので、古い米も含めて食用も籾用も備蓄し、常に1年分程度の余裕を持ちたいと思っています。そうすると、常に1年以上前の米を食べることになるわけですが、1年以上の備蓄が出きることの方がありがたいことだと思っています。

塩田平便り:引き続き玉葱一色の日々

 塩田平の周りの山々も、すっかり紅葉しました。残念ながら先週も出張や行事が多く、たまに塩田平に居ても曇りや雨が降ったりで、紅葉も今ひとつくすんでしまっていました。でも昨日今日は日も射し、作業の合間に紅葉を楽しむことができました。段々気温も下がって来ますが、冬支度はこれからです。ストーブの用意やペチカの掃除をしなければなりません。早くやった方よいと思い続けながら、まだいいか、と手つかずです。寒くなって慌ててやるのが、毎年のことなのです。薪割りや薪の整理もこれからで、先が思いやられます。

 幸い薪自体は、いろんな方からいただいて山のように積み上がっています。切ったり割ったり乾かしたりが必要ですが、1年以上積んだままの製材端材の山があるので、当面寒い思いをする心配はありません。近くの畑に片隅においてあるので、ちょっと片付けて、家の方に運んでくるだけです。だからいつでも出来ると思っていると、だんだん寒くなって来ました。玉葱もまだ植え終わっていないし、どっちからやろうか、というところです。玉葱は、高校の先輩も手伝いに来てくれ、半分強植え終わった感じです。今の感じでは、準備した畑がやや不足する気もしますが、玉葱の苗は掘り取って植えてみるまで何本あるか分かりません。植え終わってみれば足りているかもしれません。

 とにかくせっせと玉葱を植えることです。明日も手伝ってくれる人が来てくれるので、少し進みそうです。畑の他の作物も順調に育ってくれています。小カブの間引き収穫が始まり、法蓮草も大分大きくなりました。キャベツは大きくなり過ぎるほどです。大根も普通の大きさに近づいて来ました。大根や白菜は保存して冬中いただきますので、あまり早く大きくなってもらっても困ります。気温が下がるまでは保存できないし、畑に置いておくと、大きくなり過ぎてスが入ってしまうからです。それに、大根は大き過ぎると保存性も下がってしまいます。秋の気温が高めなので、大きくなり過ぎる方が心配になって来ました。

 11月に入ってもそれほど気温が下がらず、本格的な霜もまだです。それでも夜の気温が下がって来たので、寒さに弱い南瓜や薩摩藷を屋内の比較的暖かいところに整理しました。全部で300キロほどあります。もちろんわが家だけでは食べきれません。原発被災地への支援物資として、定期的に送る予定です。もう少し余裕があれば、夏野菜を片付けて、佃煮にしたりしたいのですが、当面スケジュールがびっしりです。もう何日か霜が降りなければ何とかなりそうですが、こればかりはお天気任せです。暖か過ぎても冬野菜が育ち過ぎてしまうので、天に任せて文句を言わないのが一番のようです。

塩田平便り:玉葱を植え始めました

 秋が深まっているにしては、何となく暖かい塩田平です。11月に入ったのに、まだ初霜が降りません。高いところにある畑に残してあった薩摩藷の葉が少し枯れてしまったところを見ると、場所によっては弱い霜が降りたのかもしれません。好天のおかげで、10月中旬までは生育が今ひとつかな、と思っていた玉葱の苗も立派な大きさに育ちました。ネギやニンニクなど、葉が細い野菜は雑草に弱いのですが、今年は家の近くに苗床を用意できたおかげで父が除草してくれたことも、良い苗に育ってくれた理由でしょう。稲刈も少し残っていますが、先週から玉葱を植え始めました。

 何人かお手伝いして下さる人がいて、用意した畑の1/4位植え終わりました。苗は1/6ぐらいしか掘り取っていません。このままだと畑が足りなくなるので、もう少し用意しなければならないかもしれません。今年は減反田があるので畑にはずいぶん余裕がありますので、時間さえあれば用意するのは簡単です。ただ、苗も場所によってずいぶんまばらにしか生えていないところもあります。実際に苗を掘り取って植えてみないと、どれ位畑が必要か分からないところがあります。普通は畑を決め、苗を多めに作り、成長の悪いものを捨ててしまうのですが、針のように小さな苗でも、つい植えてしまいます。

 父にも手伝ってもらって玉葱を植えている時に、幼稚園のバスが到着しました。園児達が薩摩藷を掘りに来て大騒ぎです。

薩摩藷を掘る子供達

 お手伝いしている幼稚園に、毎年薩摩藷を掘りに来てもらっているのです。今年の薩摩藷は大きくなったので、子供達も満足したことでしょう。後で子供のお母さんから「早速蒸かしていただきましたが、家のおじいちゃんが作っている薩摩藷よりおいしかった」と嬉しい言葉をいただきました。来週焼芋大会をするそうです。残った薩摩藷を掘り取ってしまい、玉葱を植えることになるかもしれません。まずは用意した畑にせっせと玉葱を植えて、どれ位苗が残るか確認するところからです。

 大豆も雑草に埋もれていますが、稲刈と玉葱が優先なので運が良ければ収穫できるかといったところです。夏野菜も霜が降りる前に収穫できれば無駄になりません。色々な方に助けてもらい、比較的順調なような気がしていましたが、やはり追いついていないようです。でも嬉しいことに、キャベツや大根、白菜、野沢菜と言った秋野菜の生育は順調です。ニンニクも父が植えてくれていますが、豌豆や空豆など、他の冬越しの野菜の種蒔きまでは手が回っていません。次の週末も農業に専念したいところですが、結婚式で出かけてしまいます。来週以降もしばらく霜が降りないよう祈っているところです。

玉葱最初の畑の植え付け完了

 今日で玉葱の植え付けも3日目です。諏訪に住む高校のK先輩が手伝いに来てくれました。父と3人で植えます。

玉葱を植える父とK先輩

 昨日掘り取って、父母に分類しておいてもらった苗も良い苗です。品種はアマガシ2号です。

玉葱の苗

 午後は出張だったので、午前中だけの作業でしたが、1つの畑は植え終わりました。

この畑は植え終わりました

 育苗している畑では、アマガシ2号は大袋を2袋蒔いたのですが、標識が風で飛ばされたりして、どこの何を蒔いたかあいまいになってしまいました。念のため畝を分けて植えます。最後の短い畝は2カ所目の苗を植えました。大きさ別に植えるので、1カ所目の苗を植えた最後の畝は小さな苗ばかり。次の畝は大きな苗で、見た目もずいぶん違います。

最後の短い畝は大苗を植えた