塩田平便り:大根と野沢菜の芽が出ました

 塩田平は残暑でかなり暑い日が続いています。周囲は稲刈の準備に入っているようですが、忙しくて自分の田んぼを見に行く暇がありません。小さな田んぼがいろんな標高に点在しているので、生育もまちまちです。幸い家の近くが一番時期が早いので、そこを見ていれば準備は間に合います。稲刈まではもうしばらくかかりそうですが、それまでに雑草を刈ってしまいたいところ。ところが残念ながら忙しく、9月前半に田畑に行けた日はごくわずか。それも秋冬野菜の種蒔きで今しか蒔けないものを蒔くだけで精一杯なので、田んぼまでは全く手が回りませんでした。野菜も作らねばならないので、米のある程度の減収は受け入れねばなりません。

 9月に入って雨が少なかったので、野菜の芽が出るか心配だったのですが、幸い蒔き終わった大根と野沢菜の芽が出てくれて、一安心です。キャベツの苗は少し植えましたが、白菜の苗はこれからです。少し遅れ気味ですが、まだ何とか間に合うでしょう。と言いながら、まだ当分は畑に行く余裕がありません。父が野菜作りにも慣れて来たので、白菜も最低限の植付けはやってもらえそうです。被災地のことも考え、農地を出来るだけ無駄にしないように作物を作りたいのですが、時間的に追いつけず、ある程度は諦めなければなりません。でも10月に植えて年を越して栽培出来るものもあるので、余裕ができれば沢山植付けたいと思っています。

 今年の米作りの反省は、天候の急変や管理のまずさで、計算をはるかに越える雑草が生えてしまったことです。そうでなくても時間が無いのに、草対策でかなりの時間を取られてしまいました。それでもまだ田んぼは草だらけです。お布団農法と言う、綿マルチを田んぼ全面に敷き詰める農法でお米を作っています。うまく行くと、ほぼ1本も雑草が生えずに収穫を迎えることができます。実際は、まだまだ完成された技術とは言えません。抑草に成功しても、収量が少なかったり、倒伏したりと、色々な問題があります。それでも今年も1枚の田んぼはほぼ草が生えませんでした。

 大量の雑草が生えた原因は、用水から大量の雑草の種が流入してしまったことです。子供に水の管理を頼んで失敗したり、5月という予想外の時期に来た台風に対応する時間が無かったり、隣の田んぼが盛り土をして駐車場になった影響で水路から例年の何倍もの水が流れ込んだり、猪に綿マルチをぐちゃぐちゃにされたりと、田んぼによってそれぞれです。不可抗力もありますが、予想出来ていれば防げたものもあります。用水からの種子の流入は、水口と呼ばれる水の取り入れ口の構造を変えれば防げそうです。家を建てる時に配管は散々やったので、その経験を生かして細いパイプから取水して表層水が流入しないようにすればかなり防ぐことができそうです。

 今年は原発事故でスタートから出遅れてしまったわが家の農業ですが、冬の間にちゃんと準備して、来年は収量を確保したいと思っています。忙しいのは来年も同じでしょうが、今年は全てが遅れていたので、計画的な栽培が出来ませんでした。来年は栽培計画を立てて着実にやって行けるようにしたいものです。ネギなどは、10月から苗作りを始める必要があります。今すぐ全ての計画を立てる必要はありませんが、そろそろ来年の計画も立て始めなければなりません。目の前の作物の世話も追いついていないわけなので、なかなか厳しいところもありますが、安全な作物と日本の自給率向上に努めたいと思います。そうそう。農協から、米から放射能不検出の連絡が来たのも良いニュースでした。