草取りに沢山の助っ人あらわる

8月に入りましたが、塩田平は引き続き涼しい日が続いています。引き続き少しずつ田植も続けていますが、大分先が見えて来ました。家から一番遠い、標高の高い田の稲を移植しているのですが、さすがにそこもかなり大きくなって来て、移植が大変になりつつあります。それだけでなく、何と出穂が始まってしまいました。出穂というのは、稲の穂が出ることで、出穂すると間もなく花が咲きます。つまり実を付け出したというわけで、これ以上大きくなりません。早生を植えたのですが、7月中の出穂も、こんなに成長が悪い段階での出穂も初めてです。

 

8月の最初の3日間は、幼稚園のキャンプに、裏方のボランティアに行って来ました。毎年お手伝いしているのですが、テントを張ったり、食堂を作ったり、30人分の料理をしたりと、子供達では出来ないことをサポートします。わが家で作った野菜を沢山持って行って、子供達に食べてもらいました。トウモロコシが特に好評で「もっと食べたい」という、嬉しい声が沢山出ました。小さな子達なので、子供の半分のスタッフが参加しています。子供達が眠った後の反省会用の料理も裏方の仕事です。こちらも畑の枝豆や野菜をふんだんに使った料理が好評でした。

 

引き続き雑草との闘いが続いていて、キャンプどころではないのですが、幸い先週末に5人も草取りの手伝いに来てくれ、最後まで残っていた大きな田んぼの草を取ってくれました。5人で午前中一杯やっても、ごく一部の草しか取れませんでしたが、残っていた田んぼに手がついたことで、気分は大分軽くなりました。朝6時から村の草刈もあり、田圃の周囲も大分片付きました。もう1日はパートナーと2人で、一番雑草が多い田んぼの草取りをしました。こちらも全部は取りきれませんでしたが、何とかなりそうです。 週末の午後は、ジャガイモを掘ったり、野菜の収穫をして、手伝ってくれた人にも持って帰ってもらいました。

 

福島の子供達に送る野菜も収穫する予定だったのですが、直前に週末のイベントに間に合わせて欲しいとの連絡がありました。出張前の1時間で収穫出来るものしか送れなかったので、家から一番近い畑の、取り残しの野菜しか遅れませんでしたが、それでも段ボールに6つほど発送しました。取り残しなので無料で配ってもらいましたが、少しでも子供達の口に入ってくれればと思っています。福島にみんなが野菜を送る仕組みを作りたいと思っていますが、それには時間もかかるので、まず手元の野菜を送ることから初めて行きたいと思います。

 

キャンプから帰って、大豆畑を見に行きました。また大分草が伸びていましたが、管理機で削っておいたおかげで大豆も大きくなり、見分けがつきます。何とかなりそうな感じです。種蒔きが遅れた分の大豆も、芽が出て本葉が出て来ました。この大きさなら管理機で除草出来そうです。そこら中で草が生えていますので、一つ一つは何とかなりそうでも、全部は難しいかもしれません。お手伝いの人も来てくれるようなので、何とか沢山の畑を救いたいところです。本当はそろそろ秋冬野菜の種蒔きもしなければ行けない時期です。草取りと種蒔きと収穫。どれも大事な作業です。明日はまた出張ですが、次の週末から両立にチャレンジしてみます。

草との格闘に光明は見えるか

もう7月も終わりですね。夏で暑く、ほとんど田畑に人がいない塩田平ですが、有機農法のわが家ではそういうわけにいきません。今の時期、田んぼは稲が青々と茂り、減反田は麦刈りが終わって大豆が大分大きくなって来ました。畑は夏野菜中心で、暑ければ草も元気がなくなります。しかしわが家では直播きの田んぼで時期も遅れてしまったため、稲がパラパラとしか生えていません。隙間だらけなので、田面に陽が当たり、雑草が生えて来ます。慣行農法では除草剤を使うので、草一本ありませんが、わが家の田んぼは草だらけです。大豆も同様で、やっと芽が出つつある畑もあり、大豆より雑草の方が背が高くなっています。

 

畑もやたら草が生い茂ってしまいました。父が毎日草を取っていますが、追いついていないようです。田んぼの畦ももちろん草だらけです。間もなく共同の草刈があるので、また怒られそうです。実は例年も雑草に覆われてしまい、あちこちの畑が腐海に沈んでしまいます。昨年までは、時間が取れない場合は半分位はあきらめよう、という方針でした。半分といっても、草にやられると全滅してしまうことも多いので、作物ごとに半分ではありません。この作物はあきらめよう、この作物はまだ間に合う、といった具合で、半分位の作物は収穫が無くなります。普段必要なものは家の近くの畑で父が守ってくれているので、それほど困ることはありませんでした。

 

でも今年は、少しでも安全な食べ物を増やしたいので、出来るだけ沢山作ろうとしています。これまではお米でも、何枚か作っている田んぼのうちの1枚が草で覆われても、残りが出来ればいいと考えていました。抑草技術もいくつかあるのですが、タイミングが重要なものが多く、その時期忙しいとやられてしまいます。しかし今年は複数の技術を組み合わせて、少しでも草を抑え、収量を上げたいと思っています。お布団農法、動力除草機、田車、米糠除草、手取り除草、深水と、出来ることはみな取り入れています。とは言っても、スタートが遅れた影響は大きく、予想以上に草が出てしまいました。

 

1番小さな田んぼはお布団農法が成功し、ほとんど草の姿が見えません。1枚の田んぼはお布団の種籾が鴨に食べられてしまい、結局手植えです。今日も田植をして来ましたが、あと2割位田植が必要です。お布団がぼろぼろになってしまったので草が抑えきれません、深水で稗は抑えることができましたが、深水でも平気なオモダカという雑草が半分位に生い茂っています。今日も田植をしながら籠に4杯とりましたが、焼け石に水です。早く田植を終え、除草に移りたいところです。遠くで作っている2枚の田の1枚では稗が群生してしまいました。生えている面積は半分位なので、頑張れば何とかなりそうです。

 

もう1枚は水が抜けやすく、草が生えやすい田なので、一部ですが田植をした所が、雑草にやられています。水が減って土が出ると、大量の草が生えるのです。問題は1番大きな田んぼです。手が回らず全部は確認出来ていないのですが、稗とクサネムが大量に生えているようです。幸いどの田も基本はお布団農法なので、ある程度の草はお布団が抑えてくれています。草さえ取れば収量は増えるので、何とかしたいところです。問題は豆畑かもしれません。豆は3つの畑(減反田)に植えていますが、畑の方が田よりさらに雑草が多いのです。最初に種蒔きした畑は雑草の方が大きくなってしまいました。

 

土曜日に管理機で豆の畝間の草を刈ったのですが、この日はすごい暑さ。前の晩寝る暇がなかったのに、1日中炎天下で草を刈っていたら、治りかけていた風邪がぶり返してしまいました。3日ほどおとなしくしていたのですが、悔しいことに毎日曇りで暑くありません。暑い中無理せず、涼しい日に作業していれば、仕事もはかどり、風邪を引くことも無かったでしょう。もう少しよく考えるべきでした。でも、1日延ばすと雨が降って、さらに草が伸びる、ということもよくあるので、なかなか難しいところです。今日は大分良くなったので、田植の後、別の豆畑を管理機で除草しました。まだ間に合いそうです。明日からも暇さえあれば草取りをすれば、何とか草に打ち勝てるかもしれません。

いつまでも続く田植

 いつの間にか麦の刈り入れが終わっている塩田平です。少し前、麦秋だなあとは思っていたのですが、2週間ほど出張と行事で出かけていることが多い間に、麦の刈り入れは終わったようです。そういえばコンバインが出動しているのを見かけました。麦は減反田で作るので、麦の後には普通大豆を蒔きます。既に芽を出しているところも多いようです。麦も豆も雨に弱いので、梅雨と重なるこの時期の作業はなかなか難しいのです。塩田平を離れていることが多いので、天気も良くわからないのですが、家人によると先週までは、昼間は暑く、夕方スコールのような雨が降ることが多かったそうです。

 幸い先週後半あまり雨が降りませんでした。3連休の塩田平は猛暑でしたが、おかげで減反田も水が抜けました。知人が手伝いに来てくれ、やっと豆蒔きが終了しました。ただ、最初に豆を蒔いてから10日以上経っていました。その間しょっちゅう雨が降ってくれたおかげで、全面に草が生えています。草の中に種を蒔いても草に負けてしまいそうです。まずまだ種を蒔いていないところをもう一度トラクターで耕し、草を抑制してから豆を蒔くことにしました。豆蒔きだけなら6時間の作業と思っていたのですが、2日がかりになってしまいました。炎天下延々と農作業を続けて、とりあえず一段落です。

 人間勝手なもので、種蒔きが終わると雨に来て欲しくなります。大型台風で大変な地方もあったようですが、塩田平では風は強かったものの、雨は少なかったので、発芽にはちょうど良かったかもしれません。豆畑に見に行ってみると、芽が出始めているようです。今後の問題は雑草対策です。前蒔いたところは豆と雑草が同じ位に育っています。このままでは雑草に負けてしまいます。豆畑によっては既に雑草に圧倒されつつあります。除草用の機械が壊れているので、まずは機械の修理からになります。その前に出張もあり、田んぼの世話もあるので、豆がどこまで守れるか、ちょっと微妙になって来ました。

 田の作業も延々続いています。今日も少しですが、田植をしました。7月に入って田植をしても米は穫れないというのが塩田平の常識です。しかしあちこちの田んぼに欠株が目立つわが家の田んぼでは、未だに少しずつ田植を続けているのです。普通の苗では成長が追いつきませんが、わが家で植えているのは、他の田で株数が多すぎる場所から引っこ抜いて来た大きな稲株です。直播きの田んぼなので芽が沢山出過ぎたところもあり、減らさないと減収するので、一石二鳥なのです。そもそもこんなに欠株が多いことが問題なのですが、今年は台風や鳥の被害などの特殊事情もあり、少しでも回復したいのです。株が大きくなると、さすがに難しくなるので、今月一杯が勝負です。

 お布団農法がうまく行っている田んぼは、欠株も少なく、雑草もほとんど生えないので、あまり手がかかりません。しかし順調なのは5枚の田のうち一番小さな1枚だけです。1枚は欠株は少ないのですが、用水から雑草の種子が流入し、沢山発芽してしまいました。除草はこれからです。1枚は部分的に田植をした田で、田植をした場所は予想通り雑草が大発生しました。代掻きが不十分だったらしく水が溜まらず、深水で草を抑えることができなかったのです。何度も除草しましたが、まだかなり草が残っています。水深を維持しようと冷たい水を入れ過ぎて部分的に稲が枯れてしまい、田植をし直しました。もう少し除草と補植をしたいところです。

 1枚はお布団の中の種籾が鳥に襲われ、育ったのは1割以下でした。田植のやり直しが終わったのが7割位。抑草効果も期待出来ないので深水にして草を抑えていますが、深水に強いオモダカという雑草が繁殖してしまいました。密度は高くないので、時間さえあれば除草できますが、手が回っていません。深水で稲の分蘗が抑えられているという問題がありますが、水を落とすと別の雑草も出てくるので、悩ましいところです。最後の1枚が、一番大きな田です。ここは台風で大量の雑草の種子が流入しました。その時にお布団も大分流され、1週間がかりで直したのですが、部分的に雑草が繁茂しているところ、稲が生えなかったところが出来てしまいました。というわけで、もうしばらくは田植が続きそうです。

生き物達との共生/闘い

梅雨開け宣言が出たそうで、塩田平は暑い夏に突入です。風邪を引いたのと、義父の納骨とお祭りがあり、2週連続で週末あまり作業が出来ませんでした。それでも合間を見て大豆の種蒔きをしました。その減反田の1/3位しか蒔けませんでしたが、残りは150坪ほど。あと6時間ほどあれば蒔き終わりますので、少し安心です。また肥料をまとめて購入したので、それ置く場所を作るために、資材の整理をしました。残念ながらそれ以外の種蒔きは進んでいません。まもなく秋冬作物の時期に入りますので、この辺であきらめることになりそうです。

 

豆蒔きは目標を1-2週間遅れている感じですが、遅れて良いことも無いわけではありません。周りで既に豆撒きが終わった畑が目立つようになりました。大豆は芽が出る時、豆から根が出て、豆をそのまま土の上に持ち上げます。つまり、黒い畑の土の上に、白い豆が一列に空中に浮かんだ状態になるのです。鳥から見れば、畑の上に豆が差し出されるわけです。周りでまだ豆を蒔く前に発芽すると、鳥の総攻撃を受けて全滅することも珍しくありません。糸や紐、ネットを張って防ぐことは出来ますが、結構大変です。ところが周り中で発芽していれば、対策をしなくても被害が拡散して大きな被害は受けません。

 

春先に大豆の一種の枝豆を蒔いた時は、色々な野菜の種蒔きが集中する時期だったせいか、それほどの被害ではありませんでした。それでも2割ほど食べられてしまいました。そこにまた枝豆を追い蒔きしました。周りに前蒔いた枝豆が茂っているので、鳥に見つかりにくいだろうと思っていました。ところが他の人が種蒔きをする時期でなかったせいか、きれいさっぱり全部鳥に食べられてしまいました。なかなか難しいものです。地上に浮かんでいた豆は、鳥に食べられなければ光に当たって緑化し、開いて双葉になります。豆が食べられても、中心の軸だけでも残っていれば、そこから葉が出て大きくなることもあります。

 

トウモロコシが大きくなって来たのですが、先週末に動物の襲撃を受け、20本ほど倒されて食べられてしまいました。狸かハクビシンと思われます。まだその時期ではないと思っていたので大ショックで、取る物も取り敢えず電気柵を張りました。出張の時間が迫っていたので2段しか張れませんでしたが、3段欲しいところ。出張から帰ったら、すぐにもう1段張らねばなりません。トウモロコシは父が作っているのですが、収穫予定は今月下旬だったので、油断してしまいました。途中追肥するよう何度言っても追肥せず、先日やっと追肥したのですが、肥切れで成長をあきらめ、時期前に実を付ける方に転換してしまったようです。

 

もっとも、悪い話ばかりではありません。生物相が豊かだから土が良くなるわけですし、動物だけが悪いわけではなく、人が進出し過ぎたので動物の生態が不安定になり、増え過ぎたり農作物を狙うようになるのです。最近は家の周りで狐を良く見ますし、先週家の田んぼの周りを蛍が飛んでいました。こうした作物を狙わない生き物達が増えるのは問題ありません。キャベツも青虫が大発生したものの、天敵が沢山いるおかげか、食べる部分まで食害が進んだものはほとんどありませんでした。作物の被害はショックではありますが、適当な防御策を取れば、最低限の共存は出来そうです。

ますます雑草の成長が盛んに

梅雨はまだ明けませんが、塩田平は暑いだけであまり雨が降りません。もともと雨の少ない土地柄ということもあるのでしょうが、時々夜の間にそれなりの雨が降り、昼間は蒸し暑かったりかんかん照りという毎日です。作物も大きくなりますが、雑草は作物以上に成長が早いので、畑が草だらけになってしまいました。困るのが、山の田んぼに張った電気柵です。雑草が伸びて電気柵に接触すると漏電してしまい、動物を防げなくなってしまいます。玉葱畑も雑草に覆われてしまい、どこに玉葱があるのか全く見えません。機械で刈れば、除草にかかる時間自体は何とかなるのですが、とにかく暑いので、しばらく刈っていると気を失いそうになります。

 

早朝から炎天下で農作業をして、引き続き出張といったハードスケジュール続きだったせいか、夏風邪を引いて週末寝込んでしまいました。先週豆蒔きの準備で、雑草を刈ってトラクターをかけ終わったのに、豆を蒔く元気が無いままに週が替わってしまいました。今日やっと少し種蒔きをしましたが、また出張なので、続きは来週になってしまいそうです。田んぼも雑草が出つつあります。毎年のことですが、草との戦いで雑草に圧倒されそうです。幸いお布団農法は、新方法がうまく行って着地が成功し、収穫まで辿り着けそうです。ただ水路から入れた水が、お布団の上に雑草の種子を運んで来ているので、少しですがその除草も必要です。

 

大変なのが、一部ですが田植した部分の除草です。動力除草機を使えるところは除草し終わったので、残りの除草は手取りしかありません。水深を深く保つことも抑草に役立ちます。お布団の着地が成功したので、水を入れ始めました。これで抑えきれない雑草は手取りしかありません。特に、お布団の種子が鳥に食べられてしまった田んぼは、お布団の隙間に手植えしたのできれいに植わっていないので、機械除草が出来ません。幸い全体的には例年ほど雑草は多くありません。時間はかかるでしょうが、手取り除草で何とかなりそうな感じです。良く考えてみると、これまではここまで熱心に米作りをしていなかったかもしれません。それでもそこそこのお米は穫れていたので、きっと今年も大丈夫でしょう。

 

暑くなって来たので、春蒔いた葉菜類はそろそろ元気がありません。夏野菜はやっと収穫が始まったところです。次の葉菜類の種蒔きが遅れてしまったので、もう暑過ぎて発芽が悪いようです。収穫まで辿り着けないかもしれません。とすると、今畑にある野菜が無くなると、秋まで葉菜類は出来ないかもしれません。山奥の田んぼに減反田があります。標高が200メートル位高いので、少し涼しい場所です。これまでそこで野菜を作ったことはありませんが、ためしにそこに種蒔きしてみようかな、と考えているところです。

久々にトラクターで畑を耕す

引き続き暑い日々が続きますが、お元気でしょうか。塩田平では、お布団農法の田んぼが一番難しい時期にさしかかりました。お布団農法では、最初苗が水に浮いた状態で育つのですが、その苗を水を抜いて「着地」させる時期になったのです。田んぼに窪みがあると、水溜まりになって完全に水が抜けず、その部分は「着地」できません。着地出来ないと、地に足がつかない稲になり、倒伏してしまって収穫まで辿り着かないのです。残念ながら今年は田んぼを完全に平らにする余裕が無く、結構な面積の水溜まりが出来てしまいました。溝を掘っても水が抜けず、稲を踏みつけて着地させるという荒技を試しているところです。稲は強い植物なので、多分大丈夫なはずですが。

 

一部田植もしたのですが、その除草も今が勝負です。田の除草は初期の対応が非常に重要です。また、水深を深く保つことが重要です。しかしお布団の着地のために水を抜いているので、どんどん雑草が出てしまいます。少し前にも除草をしたのですが、除草機を貸した人が、株間除草機を返してくれなかったので、株間にびっしり草が生えてしまいました。機械を返してもらったのですが、壊されていて、先日やっと修理して除草しましたが、既に草が大きくなっているので、効果のほどは不明です。次の週末にでも、手で取るしか無いかもしれません。お布団農法でなく田植をしたのは全体の1/4程度なので、除草面積はそれほど多く無いとは言え、手取りは大変な作業です。

 

実は6月中に豆蒔きをしてしまわないとならないのですが、それが遅れていて、田の除草まで辿り着けないのです。畑は原則不耕起ですので、草だけ刈って種を蒔いたり、土をかけるために管理機で少し土を掘ったりする程度で、あまりトラクターは使いません。ただ、大豆やタマネギなど、大面積同じものを作る場合は、除草効果を高め、播種/植付け効率を上げるために、トラクターで浅く耕します。最近は田んぼ以外は人にお任せモードになってしまっていたので、畑でトラクターに乗ることはほとんどありませんでした。田んぼは代掻きをしないと水を溜めることができないのと、一斉に田植/お布団敷きをしなければならないので、5月初めにトラクターで代掻きをしました。

 

今年は大豆を1反以上作りたいので、先週久しぶりに畑をトラクターで耕しました。主力のトラクターが壊れているので、出動したのはかわいい小型のトラクターです。運転は車とほとんど同じで、向きを変える時にロータリーを上げ下げするだけです。トラクターが定速で動き続けてくれますので、アクセルの調節の必要もありません。減反田ですので、水平で耕起も簡単です。パートナーにトラクターの使い方を教えてみたところ、すぐに慣れて、思ったより上手に耕起してくれました。その間に草を刈ったり排水溝を掘ることができ、大分助かりました。豆蒔きにはもう一度耕さねばなりませんが、1週間遅れで7月初め位には大豆を蒔けるかもしれません。

 

色々な作物を育てようとすると、それぞれの時期が重なってしまいます。豆蒔きも、野菜の種蒔きも、田の除草も同時にやらねばならなくならないように、事前に計画を立てる必要があります。それでも、年によって天候が違うので、スケジュール通りには行きません。種を蒔いても芽が出無いこともあります。鳥獣害でやり直しもあります。ところが今年は原発事故で農業の開始が遅れてしまいました。計画も立ててないのに、沢山作ろうとしています。その上例年にない天候や鳥獣害で被害が出ています。作業が衝突してしまって当然なのです。本当は今からでもちゃんと今後の計画を立てるべきですが、それよりもまず豆を蒔かなければ。

わが家のLOCA(冷却材喪失事故)

先週までと打って変わって、毎日蒸し暑い塩田平です。6月も後半ですから暑くなってくれないと困るのですが、梅雨時のこととて蒸し暑く、ちょっと参っています。暑いだけでなく、何だか身体のあちこちが痛い1週間でした。最初は理由が良くわからなかったのですが、良く考えてみると10日ほど前に薪をいただけるという話がありました。軽トラで見に行ったのですが、とても軽トラに積める量ではなく、とりあえず積めるだけ積んで帰って来て、うちの大きいトラックを出動させ、2往復したのでした。3トン位の薪をいただいて来たでしょうか。その積み降ろしが原因のようです。

 

生木ですし、切り出しの時期ではないので水分が多く、1年以上の乾燥が必要です。でも薪のストックが1冬分あるかないかになってしまったわが家に取っては、1-2メートルに玉切りしてある薪をいただけるわけですから、大喜びです。問題は、筋肉痛が出たのが2日後ではなく、4日以上経ってからだった、ということの方です。もう年なので、当日や翌日の筋肉痛は無いとしても、ずいぶん経ってるなあと、改めて老化現象を認識したのでした。この春農業に本格復帰した当初も、思うように身体が動かず往生したものでした。どうも普段からそこそこ重労働する方が健康でいられるようです。

 

調子が悪いと言えば、わが家の農機も全部不調になってしまいました。去年農業を手伝ってくれた人が、機械に明るくなく、必要な手入れをしていなかったようです。大きなトラクターを壊されてしまったのですが、大豆を作る減反田を耕したいので、しばらく使っていなかった小さなトラクターを整備しました。すぐにエンジンはかかりませんでしたが、バッテリーを充電し直して試してみると、かかりました。さっそく次の日、家の近くの畑にを1畝だけ耕してみました。順調です。これで野菜の種も蒔けます。家に帰る途中、切れたゴムベルトが道に落ちていました。何かに使えるかもしれないと思い、拾って軽トラの荷台に載せておきました。

 

今思うと、この時に気付けば良かったようです。雨や義父の法事などで2日ほどおいてから、広い畑を小さなトラクターで耕し始めました。畑を2往復した頃、エンジンから立ち上る湯気がちょっと激しすぎることに気付きました。とりあえずエンジンカバーを開けてみてビックリ。ラジエターから大量の冷却水が蒸気とまざって噴き出しています。エンジンが過熱し、沸騰した冷却水が高圧になり、逃がし弁から噴き出しているのです。どこかで聞いたことのある「ベント」です。しかも既にかなりの冷却材(冷却水)を失っていて、このままでは冷却材喪失事故(LOCA)となり、エンジン部品が溶融して焼き付いてしまいます。シビアアクシデント一歩手前です。

 

あわててエンジンを止めました。エンジン止めさえすれば、これ以上悪化することは無いはずです。よく見るとファンベルトがありません。先日落ちていたのはトラクターのベルトだったのです。ラジエターに冷却用の風が当たらず、自然放熱だけでは冷却しきれないので、ボイルアウトしてしまったのでした。ラジエターに注水したところ、2リットルほど入りました。ベルトを買って来て組み付けたので、循環冷却が回復します。どっかの原発と同じですね。大きさや複雑さは違っても、熱機関の基本は全く同じことに、改めて感心しました。ただ、核燃料は止めても熱が出続けます。それを冷やすには、常に外から電力を供給し続けてやらねばならず、それが大事故につながったのです。

 

わが家のLOCAは幸い大事故になる前に収束し、無事に畑が耕せるようになりました。豆蒔き予定地の耕起が半分位終わりました。2週間遅れ位で何とか豆蒔きができそうです。米作りの方は、先週からお布団農法の苗の着地が始まっています。残念ながら代掻きで均平にしきれなかったので、水溜まりが出来て着地出来ない苗も結構あるようです。今年は遅れてのスタートだったし、最初から条件が悪かったので仕方ありません。溝を切ったりして、排水に務めています。最後に敷いたお布団が、次の週末に着地の段階に入りそうです。山の田は鳥か動物に芽や種籾を食べられてしまったらしく、残った苗を植えて回復を図っているところです。

1カ月遅れのスタートでしたが、どたばたと2カ月ほどやってきました。田の水管理に失敗した部分は雑草が増えそうなので、除草に手間を取られそうですが、間もなく手がかからなくなる予定です。田に忙しく、お留守になっていた畑は、これから種蒔きで巻き返しです。修理待ちの機械が沢山あったり、電気柵の設置の仕方が悪く、漏電していることが分かったりと、トラブルも多いものの、もう一息で遅れを取り戻せそうです。福島では引き続き放射能放出が続いていて、目が離せません。今は放出も少なくなっていますが、大放出の可能性も残っています。地下水や環境へどのような影響が出るかも未知数です。作物を作る位しか出来ることが無いので、とりあえず生産に務めたいと思っています。

引き続き田んぼに手を取られる

梅雨寒、という言葉を思い出す塩田平の今日この頃です。暑くないので農作業は楽です。薩摩藷が根付くまでは晴れないで欲しいので良いのですが、この状態が続くと稲の活着や成長に影響が出ないか心配もあります。先週一番大きな田んぼの台風で流されてしまったお布団(布マルチ)の最後の修正を試み、修正しきれないところは手植えで田植をして、全ての田植が終了しました。家の近くの田んぼのお布団からは稲が順調に芽を出し、2葉期に入ろうとしています。とりあえずこれで一段落かと思いきや、失敗もあり、引き続き田に手を取られています。

 

山間の田んぼは水温や日照などの条件が悪いせいか、芽が出始めたかな、という程度です。普通に田植をしている周りの田んぼの稲はもう青々しているので、ちょっと焦りますが、夏の気温が低くなければ追いつける予定です。早生の布マルチが足りなかったので、こちらも2畝弱田植をしました。水の管理は朝一番に水を入れて昼間の太陽で温度を上げねばなりません。出張中の管理を子供に任せたところ、夕方水をかけ始めただけでなく、一晩中掛け流しにしてしまいました。夜間に冷たい水が大量に入ったため、田植えした苗が3割位枯れてしまいました。

 

山の田んぼも動物の襲撃を受け、お布団が踏み荒らされただけでなく、芽も出て来ません。鳥の足跡も沢山ついていたので鳥に芽を食べられてしまったのかもしれません。水を抜いて様子を見ているところです。少し苗の残りがあるので、補植したいところですが、低温で予備の苗も弱っているのと、雑草が目立つので、まず除草をしました。除草すると植えたばかりの苗は抜けてしまうので、何回か必要な除草が一段落してから補植することになります。除草も、知人に貸していた除草機が壊れて帰って来てしまい、修理に半日かかって遅れてしまいました。

 

6月は薩摩藷と豆類の蒔き付けの時期です。苗が終わる時期になってしまったので、とりあえず薩摩藷を残りの畝に植えました。梅雨というのに雨は少ないのですが、曇りがちで気温が低めなので、水をやらなくても大丈夫そうです。薩摩藷の苗は根が無いので、晴れが続くと枯れてしまうのです。今年は梅雨入りは早かったものの、宣言が出るとなぜか好天が続くのは例年通りです。4月中旬からダッシュでやって来た農業ですが、葉菜類の種蒔き以外は、何とか追いつけそうです。葉菜を蒔くにはトラクターを修理したいところですが、そこまで辿り着けません。

 

梅雨なので草の生長が非常に速く、1週間で30センチ位伸びます。種蒔きをしようと草を刈っても、半月手が付かないと見渡す限りの雑草の海に飲まれてしまいます。また草を刈って畑を起こさないと種が蒔けません。それでもまた知人が手伝いに来てくれ、いくつか種を蒔いてくれました。ちょっと安心出来ますが、本当はもう1列蒔いてくれる予定が、子供が場所を片付けていなかったので、途中までで終わってしまいました。豆を蒔くための畑も借りてあります。もう一息なので、さっさと田んぼを片付けて、除草して、豆や種をを蒔いてしまわねば。

何とか田植が山を越しました

時々雨が降るものの、天気の日が多い塩田平でした。梅雨入りは早かったものの、宣言が出るとなぜか好天が続くのは例年通りです。先週植えた薩摩藷が、好天で枯れてしまうのではないか心配でした。週末に見に行ったところ、葉が大分枯れていましたが、幸い土には水分があり、水をやらなくても根付きそうでした。まだ1/4しか植えていませんが、残りは天候を見ながらもう少し先にすることにしましょう。薩摩藷の苗は根が無いので、晴れが続くと枯れてしまうのです。4月中旬からダッシュでやって来た農業ですが、葉菜類の種蒔き以外は、何とか追いつけそうです。

 

お米の方は、わずか2反5畝の田んぼです。それが5枚に分かれているので、条件は良くありません。スタートの遅れと、例年に無い台風と猪の被害で苦戦してしまい、お布団を敷ききれませんでした。さすがに6月に入ってお布団農法では遅過ぎると思ったので、先週ほんの苗箱2枚の田植をして、お布団敷き/田植が終了しました。全体の95%はお布団農法です。1度は猪に破られた電柵ですが、幸い修理した後は猪も来ていないようです。3回も侵入されたので、既にお布団は穴だらけのぼろぼろで、半分位しか除草効果が無いかもしれません。そういえば、2年前は鴨の大群に襲われ散々でした。自然相手はなかなか大変です。

 

ただ、一番大きな田んぼの修復が残っています。台風で水路から大量の水と雑草の種子が流れ込んでしまったのです。大量の水と種子類と稲株の砕かれたものが流れ込み、お布団が半分近く押し流されてしまいました。しかもお布団の上は草の種だらけ。お布団からは稲の芽が出始めました。台風に流されてしわくちゃなままではうまく育たないので、週末慌てて修復に励みました。子供にも手伝わせましたが、6割ほど終わったところでしょうか。もう少しやってみるつもりですが、修復しきれないところは田植をし直すしかありません。雑草の種が流れ込んだところと田植をした所は、草を抑えられないので、除草するしかなさそうです。

 

週末知人も手伝いに来てくれたので、畑の方も少し進みました。生い茂っていた雑草を退治して、懸案のカボチャの種蒔きができました。予定に遅れること3週間ですが、何とか間に合うでしょう。家の近くの畑では、大根葉、小松菜、法蓮草などが生い茂っています。食べきれない量ですが、販売までは手が回りません。しかも次の種蒔きが出来ていません。葉物野菜の収穫時期は短いので、間もなく食べるものが無くなってしまいます。計画通りに種蒔きする余裕が無かったのです。農業は天候との相談なので、多めに作っておかないと足りなくなってしまいます。多すぎた場合は売らなければ無駄になってしまいます。田んぼが何とか山を越えたので、次は畑の計画を練り直して、どんどん種を蒔いてしまいたいところです。

主食になる米と芋を確保

先週末を待たず、塩田平も梅雨入りしました。ついでに台風も襲来しました。塩田平に住み始めて十数年。正確な記憶ではないのですが、5月に梅雨入りしたことも、台風が来たことも、これまでには無かったように思います。山々に取り囲まれた塩田平ですので、台風で大きな被害が出ることは少ないのですが、水路から田んぼに大量の水とゴミが流れ込んでしまいました。せっかく敷き終わったお布団が半分近く流されました。すぐに直したいところですが、代掻きしかけで、まだお布団を敷いていない田んぼが残っています。まずはこちらからです。

 

山奥の、標高が高い谷間の田んぼです。一昨年初めて作った時は、低温でいもち病が出てしまい、大分減収してしまいました。昨年は作る余裕がありませんでした。お布団敷きが遅れているので、十分な生育期間が取れるかが問題ですが、極早生の種子が入ったお布団が少し余っているので、それを使うことにしました。極早生ではありませんが、他の田んぼに敷いた残りのお布団も、濡らしてしまったので使ってしまわねばなりません。2枚で1反弱の田んぼですが、お布団だけで7畝分位あります。残りは田植をすれば、こちらはちょっと遅いだけなので、生育の問題は何とかなるでしょう。

 

残念ながら週末は雨でしたが、どうせ田んぼの中は水浸しです。パートナーと2人で、残りの代掻きとお布団敷きを分担しました。代掻きが完了し、小さい方の田んぼにほぼお布団を敷き終わりました。2畝半ぐらいです。翌日から、もう1枚の大きい方の田んぼにお布団を敷きました。5畝分あった極早生のお布団の残り2畝半分をまず敷き、余り物のお布団で1畝分ほどが敷けました。あと1畝半か2畝植えねばなりませんが、ここまでで時間切れです。お布団を敷いて水を入れないことには稲の芽が出ないので、そこまで辿り着けただけで良しとしましょう。

 

2週間ほど前に3枚の田にお布団を敷きました。1枚は順調ですが、山の田のお布団は猪にやられて大きな穴が開いています。一番大きな田のお布団も、台風で出た水に押し流されてしまいました。この修復も必要なのですが、週末にはまだ芽が出ていませんでした。芽が出るまでは、とりあえず水にさえ漬かっていれば良いのです。実はカボチャの種蒔きと薩摩藷の植付けが終わっていないのが気になっていました。カボチャを作る予定の畑は草ぼうぼうで、何の準備も出来ていません。これは時間をかけねば出来ないのですぐには難しい。薩摩藷は畝立てしてマルチも張ってあります。

 

一部だけでも薩摩藷を植えようと思って、週末に種苗店に少し苗をお願いしてありました。ところが雨で入荷が遅れているとの電話が来ました。田んぼの作業が遅れていたので、ちょうど良いと思っていましたが、入荷連絡の電話が来ないまま週末が終わってしまいました。薩摩藷の植付けはちょっとしたコツがあり、慣れればあっという間に植付けが出来ます。ちょっと余裕があれば植えられると思って、種苗店に電話したら、苗があるとのこと。台風でマルチが剥がれていたりしてちょっと時間がかかりましたが、早速植付けました。気になることは沢山残っていますが、これでカロリーは確保出来そうです。