お手伝いで種蒔きが進み、ほっと一息

日に日に秋らしくなってくる塩田平です。周りの稲がみな穂を垂れるようになって来ました。ついこの間まで、7時近くまで明るかったような気がするのですが、6時過ぎると暗くなって良く見えなくなって来ます。朝も5時半位まで明るくなりませんが、早朝以外は暑くて作業出来ないということがないのはありがたいことです。ただ、出かけている間は良い天気だったようですが、先週は雨がちの日が多く、なかなか機械を畑に入れることができませんでした。秋冬作の種蒔きの限界が近づいているのですが、台風で被害を受けている地域を考えれば、雨くらいは我慢すべきなのでしょう。

 

わが家の田んぼは直播きで時期も遅れたため、周りより大分成長が遅れています。それでも穂が出来始めましたので、収穫まで辿り着きそうです。ただ、谷間の標高の高いところで、一番遅く敷いたお布団は、まだ稲の花が開花したばかりです。ほんの1畝程度なのですが、この部分の収穫はあきらめることになるかもしれません。お布団農法は根が弱くなりがちで、台風の強風で倒伏してしまった田んぼが多かったため、週末に全部の田んぼの水を抜きました。少しでも立ち上がってくれると良いのですが。忙しいこともあり、どうしても対応が後手に回ってしまいがちです。

 

それでも、講演会でお手伝いをお願いしたのが功を奏し、色々な人が農業の手伝いに来てくれました。しかもお手伝いに来てくれた方の中に、昔有機稲作を20年やっていたという方がいて、色々教えてもらうことができました。効率や見切りに対する視点が違い、勉強になります。これまで米は野菜のついでに、自家用だけ作っていたので、放任栽培に近かったのですが、今年は少しでも収量を上げたいと思っています。作業効率や、収量が低くなりそうなら早期に諦めるなどの、プロの視点は重要です。農業も選択と集中で、今年の収穫は諦めて、来年の作業を楽にするための作業だけに集中するなどの判断も必要になるそうです。

 

手伝ってくれた皆さんのおかげで、先週家の周りの畑の収穫などが進み、場所が空きました。父もキャベツなどの苗を植えてくれました。残念ながら雨でトラクターを減反田に入れることができず、植付けや種蒔きが出来たのは一部でしたが、肥料を撒くことは出来ました。週末大きい方のトラクターのエンジンをかけてみたのですが、やはりクラッチは固着したままでした。何とか動かすことは出来るので、減反田に持って行き、最低限の部分だけ耕しました。さすがに小型トラクターの4倍位早いのですが、定速で動かし続ける以外のことができないので小回りが利きません。耕し残した部分も出ましたが、まあ良しとしましょう。

 

耕起し終わったので、早速畝立てして種蒔きを、と思ったのですが、また雨。畝立てに使う管理機は畑の水分が多いとはまってしまいます。仕方がないので合羽を着て大豆や米の草取りをしていましたが、種蒔きが遅れているので気が気ではありません。やっと雨が上がったので、機械を入れ、種蒔きが出来るようになりました。父が大根の種を蒔いてくれている間に、白菜定植用のマルチ張りをし、野沢菜の種を蒔きました。しかし今度は1週間以上好天が続くようです。種蒔きをしても、雨が降らなければ芽が出ません。大根の種蒔きも終わっていませんし、白菜の定植もこれからですが、種蒔きが進みつつあることで、何となく一安心という気分がしてきました。

三陸、女川に行って来ました

たまたま機会があり、先週仙台から津波の被害が大きかった石巻、女川町、女川原発を見て来ました。女川原発は 13.8メートルの津波にも耐え、冷温停止出来ました。ただ実際のお話を伺ってみると、14.8メートルあった敷地が地震で1メートル沈下し、そこを津波が襲ったので、敷地の外周まで海水が来ていました。もしもう1メートル沈下していたら、もう少し津波が高かったら、建屋に海水が流れ込んでいたかもしれません。ただ女川原発では、海水ポンプ類も14.8メートルの敷地に掘られたピットの中に収容されているので、津波にさらわれる心配はなさそうでした。

 

津波には耐えましたが、地震で配電盤の一つがアーク火災を起こし、海水取水口から浸入した海水に6基ある非常用ディーゼル発電機のうち1基が水没しました。5系統あった外部からの受電系統のうち、4系統が失われ、維持出来た外部電源は1系統だけでした。補機用の重油タンクも津波で流されるなど、危機一髪の状況でした。それでも、外部電源も維持出来、非常用発電機も生き残ったので、無事停止出来ました。実は東海村の第二原発も、一時は全交流電源を喪失し、危機一髪でした。福島第1の情報は不十分とは言えボツボツ流れて来ますが、それ以外の情報は陰に隠れて出て来ません。情報収集に努力する必要がありそうです。

 

三陸最大の漁港で豊富な魚種の水揚げを誇った石巻も、ほぼ壊滅状態でした。東北電力の方の話では、震災前石巻漁港には140社の水産加工会社があったそうですが、電力を復旧して以来今日まで、通電の申し込みは8件しかないそうです。仮設で漁港の営業をはじめたと聞きましたが、小学校の運動会で使うようなテントが2つ並んでいるだけでした。瓦礫とヘドロの撤去は終わったようですが、道路からそこかしこにうずたかく積まれた瓦礫の山が見えました。亡くなった方が多かった地区は片付けこそ進んでいる物の、かろうじて立っている建物もみな無人で、復興までの道のりは遠そうでした。

 

出張や東北に行ったこともあり、また週末、毎年行っている地域の小学生のキャンプのボランティアもあったので、1週間ずっと出かけることになってしまいました。幸い前の週に原発からの身の守り方を講演したとき、お手伝いをお願いしたら、前後に何人かの方が手伝いに来てくれ、苗の植付けや種蒔きが大分進みました。福島へも野菜を段ボールで5つ送りました。継続的な支援が出来るようにしたいものですが、うちで作っている野菜では限界があります。皆の力を合わせる必要がありますが、そのためには人のつながりが必要です。少し時間がかかります。

 

農業の方は秋冬作の準備が待ったなしです。幸い種蒔きで一番時間がかかる玉葱の種蒔きを皆さんが手伝ってくれ、何とか8月中に蒔き終わりました。遅れていたジャガイモの収穫も終わり、育てている白菜の苗を植える準備にかかれるようになりました。いずれにせよ秋冬作の種蒔きの限界が次の週末です。台風が足踏みを続けてくれれば、何とかなりそうです。その代わり米や大豆の草取りが出来ません。少しいもち病も出てしまって収量が心配ですが、こちらは運を天に任せることにして、まずは種蒔きに専念です。

草刈どころではなく種蒔きに専念

塩田平のお盆は暑かったのですが、その後過ごしやすくなって来ました。8月前半は雨が少なめだったのですが、夜間にそこそこ降り、昼間は好天で雑草が良く伸びました。先週までは、時間があればひたすら草刈していたのですが、この1週間ほど雨がちでした。雨が少ない時期なので、ありがたいことではあるのですが、畑での作業が出来ません。そのまま8月下旬に入ってしまいました。秋冬作の種蒔きの多くは8月中に終えねばなりません。困ったことに、出張や東北電力女川原子力発電所の視察、キャンプのボランティアなどの予定が入っていて、下旬は7日間連続で不在です。

 

田んぼや大豆畑の除草をしなければならないのですが、本当は8月の上旬に蒔きたかった種などもあります。種蒔きをしないと冬場の食料に困ります。大豆とお米の減収を受け入れることにし、雑草対策はあきらめることにして、種蒔きを優先することにしました。種蒔きをするにも、まずはその場所の草を刈り、肥料を入れて耕さなければなりません。お盆開けに知人が何家族か子供連れでジャガイモを掘りに来てくれたこともあり、ジャガイモを作っていた減反田が8割ほど掘り終わっています。とりあえずここで冬野菜を作ることにしました。

 

1畝は耕せたのですが、その後ずっと雨です。1日雨が降らなかった日にトラクターを入れてみたのですが、ドロドロになってしまいました。減反田は粘土質なので、水が抜けにくいのです。最初に耕した畝にセット玉葱と人参の種を蒔いたら、もう場所が無くなってしまいました。乾燥にはまだ時間がかかりそうです。直播き出来る野菜は直播きの方が手もかからず良く育つのですが、仕方ないので白菜とキャベツは苗作りをすることにしました。キャベツは移植した方が良く育つので、悪いことばかりではありませんが、手がかかるので、その分大豆の草を取る時間が無くなってしまいます。

 

大根と玉葱の苗も8月中に種を蒔かねばなりません。畑の方が排水が良いので、小雨の中2mほどに伸びた草を刈り、トラクターを入れて軽く耕しました。こちらは何とかなりそうです。大根の種蒔きの予定だったのですが、減反田に蒔く予定だった玉葱の方が急ぎます。肥料の量が少し違うのですが、気にしていられません。大根予定地に玉葱の苗を蒔き始めました。幸い知人が手伝いに来てくれ、3人で種蒔きをして、特に急ぐ早生の玉葱の種蒔きがほぼ終わりました。畝を準備したので、出張中でもパートナーが種蒔きを続けられるので、主力の晩生の玉葱の種蒔きも進みそうです。

 

福島の団体から、支援の野菜を送って欲しいとの2度目の要請が来ました。福島の子供達の口に入るなら作ったかいがあるので、沢山送りたいところですが、残念ながら夏の端境期で葉物がほとんどありません。夏前には沢山作ったのですが、その時はまだ福島と連絡が取れていなくて、大分野菜を駄目にしてしまいました。それで種蒔きを抑えていたのが失敗でした。幸いじゃがいもや玉葱の収穫が終わっているので、そちらを中心に送る予定です。秋に向かっては、そんなことにならないよう、沢山種蒔きをしたいと思います。

間もなく稔りの季節

引き続き暑い塩田平で、暇さえあれば草刈の毎日です。塩田平の田んぼは稲の花盛りです。花びらが無いのできれいというものではありませんが、もうすぐ米が穫れそうだな、という実感が湧いて来ます。わが家の田んぼも、一般的な苗を植えた部分と、早生種の直播きは出穂して花が咲いています。普通の品種は、直播きで時期が遅れているため、出穂はこれからです。田んぼによって、充分分けつしている田んぼ、分けつが今一つの田んぼ、肥料が多過ぎた田んぼ、足りなそうな田んぼ、と色々あります。昨年大豆を作った田んぼは、残肥が思ったより多かったのか、色が濃くなってしまい、少しいもち病が出ています。

 

お盆ということもあり、周りの人達が草を刈って田畑をきれいにしています。ご先祖様が帰って来た時に、荒らした土地を見せるわけにいかない、ということでしょう。わが家の場合、ご先祖様が帰って来るわけではありません。でも周囲の皆さんはとても気にしているので、時々は刈る必要があります。お借りしている田畑が多いので、荒らしていると地主さんに怒られてしまい、貸してもらえなくなると大変です。お盆前になったので、稲と大豆の除草は後回しにして、近くの畑の草を刈りました。畑や農道に生い茂っていた草を刈りました。

 

玉葱後、ジャガイモの周囲、そして薩摩藷とカボチャの草を刈りました。必要最小限ですが、田の畦草も刈りました。刈り終わったところに地主さんの家族が訪ねて来たりすると、一応間に合ったかなと、ちょっとほっとしたりします。さらに自宅の近くの自家用野菜の畑の草刈もしました。こちらは普段は父が面倒を見てくれているのですが、8月上旬暑さで体調を崩した間に、雑草がはびこってしまったのです。3メートル近い雑草に埋まってしまった畑もありましたが、除草機の修理が出来たので、何とか刈ることができました。こうした場所の草を刈っても、必ずしも収穫が増えるわけではないので、どうしても後回しになっていました。

 

暑さが続いているので、ジャガイモも掘らねば傷んでしまいます。それなりの時間をかけているのですが、まだ半分しか掘れていません。収量は目標の8割程度で、まずまずといったところです。色々な植え方をしてみたのですが、ウイルス病による被害の影響で、残念ながら植え方の評価はあまりうまく出来なさそうです。それでも、これまでより詰めて植えても、株間を狭くしても、出来に影響が出ないことは確認出来ました。また、大きめの種芋を使えば芽掻きも不要になるようです。この結果を反映させれば、来年はこれまでよりさらに省力で、さらに収量が多くなりそうです。

 

収穫と言えば、メロンとスイカも収穫しました。両方とももっと早く収穫すべきだったようで、既に過熟の物も出ていました。でも、思ったより良い出来のメロンとスイカもあり、家族で楽しみました。夏野菜もピークを越え、そろそろ秋野菜の種蒔きに手を着けていなければならない時期です。困ったことに雑草対策と収穫だけで手一杯で、全く進んでいません。幸い友人が手伝いに来てくれるので、その時にお願いすることにして、種だけ買って来ました。米と大豆の一部は減収を受け入れなければ、秋以降のスケジュールが間に合わないようです。もう少し手をかけられれば何となる、と思ってしまうのが失敗のようで、農業にも選択と集中が必要なようです。

暑さの夏に安心したり困ったり

 8月初めの涼しさは影を潜め、塩田平大変な暑さが続いています。それでも朝晩は涼しいので、他の地方よりましなのでしょう。本当は秋野菜の種蒔きを始めなければならないのですが、雑草との闘いが続いていて、そちらまで手が回りません。暑いので、草刈も熱中症と背中合わせです。毎日5時台には起きて、すぐに外に飛び出して草を刈っています。先週末、土曜日は何とか1日草刈が出来たのですが、日曜日はあまりの暑さに午前中でダウン。月曜からは仕事があることもあるのですが、たとえ仕事が無くても10時にはもうこれ以上無理、という暑さになってしまいました。

 暑いべき時期には暑くなってくれないと、作物もできないので、暑いことは安心ではあるのですが、これだけ暑いと、まだ掘っていないジャガイモが熱で傷んでしまうので心配になります。先日村の暑気払いがあったのですが、その時も皆から、「早く掘らないと傷むぞ」とアドバイスされました。残念ながら時間的に掘る余裕がありません。今年は3品種作ったのですが、それぞれ1畝ずつは掘ってみて、収量を確認しています。主力の男爵は幸い今年初めて試した植え方の効果があり、この地方の平均収量以上の収量でした。残念ながら他の2品種は傷んでいる芋が多く、1-2割下回ってしまいました。

 芋が1株全部腐っていることもあり、3-4割は傷んでいる感じです。近所の人が作っている芋も痛みが多い様で、これまでに5人から「ジャガイモはどうだい」と聞かれました。こんなことは初めてです。話をしてみると、やはり腐りが多いとのこと。近くの幼稚園では、園児達が芋掘りをしたら半分以上腐っていたとのことで、かわいそうなことでした。早く掘った人も腐っていたとのことで、暑さや雨による多湿のせいではなく、ウイルス病がはやったようです。病気には天候も影響するので、天候が原因とも言えます。あまり掘らないと発芽してしまうこともあるので、お盆にでも掘らねばなりません。

 何とか自走式の草刈機を1台修理したので、厳しい暑さを避けて朝晩草を刈り始めました。大面積は機械に頼らねば何ともなりません。もう1台の大きい方の草刈機も分解中で、焼き付いたベアリングを交換してもらったので、間もなく復帰出来る予定です。これで少しでも草を押し返せればと思っています。会社の人が東京から手伝いに来てくれたり、近くの人が手伝いに来てくれたりして、雑草対策は何とかなるかも、という状態です。次の種蒔きも必要です。生産量を最大化することが目的なので、バランスを取るのが難しいところですが、何とか時間を作りたいと思っています。

草取りに沢山の助っ人あらわる

8月に入りましたが、塩田平は引き続き涼しい日が続いています。引き続き少しずつ田植も続けていますが、大分先が見えて来ました。家から一番遠い、標高の高い田の稲を移植しているのですが、さすがにそこもかなり大きくなって来て、移植が大変になりつつあります。それだけでなく、何と出穂が始まってしまいました。出穂というのは、稲の穂が出ることで、出穂すると間もなく花が咲きます。つまり実を付け出したというわけで、これ以上大きくなりません。早生を植えたのですが、7月中の出穂も、こんなに成長が悪い段階での出穂も初めてです。

 

8月の最初の3日間は、幼稚園のキャンプに、裏方のボランティアに行って来ました。毎年お手伝いしているのですが、テントを張ったり、食堂を作ったり、30人分の料理をしたりと、子供達では出来ないことをサポートします。わが家で作った野菜を沢山持って行って、子供達に食べてもらいました。トウモロコシが特に好評で「もっと食べたい」という、嬉しい声が沢山出ました。小さな子達なので、子供の半分のスタッフが参加しています。子供達が眠った後の反省会用の料理も裏方の仕事です。こちらも畑の枝豆や野菜をふんだんに使った料理が好評でした。

 

引き続き雑草との闘いが続いていて、キャンプどころではないのですが、幸い先週末に5人も草取りの手伝いに来てくれ、最後まで残っていた大きな田んぼの草を取ってくれました。5人で午前中一杯やっても、ごく一部の草しか取れませんでしたが、残っていた田んぼに手がついたことで、気分は大分軽くなりました。朝6時から村の草刈もあり、田圃の周囲も大分片付きました。もう1日はパートナーと2人で、一番雑草が多い田んぼの草取りをしました。こちらも全部は取りきれませんでしたが、何とかなりそうです。 週末の午後は、ジャガイモを掘ったり、野菜の収穫をして、手伝ってくれた人にも持って帰ってもらいました。

 

福島の子供達に送る野菜も収穫する予定だったのですが、直前に週末のイベントに間に合わせて欲しいとの連絡がありました。出張前の1時間で収穫出来るものしか送れなかったので、家から一番近い畑の、取り残しの野菜しか遅れませんでしたが、それでも段ボールに6つほど発送しました。取り残しなので無料で配ってもらいましたが、少しでも子供達の口に入ってくれればと思っています。福島にみんなが野菜を送る仕組みを作りたいと思っていますが、それには時間もかかるので、まず手元の野菜を送ることから初めて行きたいと思います。

 

キャンプから帰って、大豆畑を見に行きました。また大分草が伸びていましたが、管理機で削っておいたおかげで大豆も大きくなり、見分けがつきます。何とかなりそうな感じです。種蒔きが遅れた分の大豆も、芽が出て本葉が出て来ました。この大きさなら管理機で除草出来そうです。そこら中で草が生えていますので、一つ一つは何とかなりそうでも、全部は難しいかもしれません。お手伝いの人も来てくれるようなので、何とか沢山の畑を救いたいところです。本当はそろそろ秋冬野菜の種蒔きもしなければ行けない時期です。草取りと種蒔きと収穫。どれも大事な作業です。明日はまた出張ですが、次の週末から両立にチャレンジしてみます。

草との格闘に光明は見えるか

もう7月も終わりですね。夏で暑く、ほとんど田畑に人がいない塩田平ですが、有機農法のわが家ではそういうわけにいきません。今の時期、田んぼは稲が青々と茂り、減反田は麦刈りが終わって大豆が大分大きくなって来ました。畑は夏野菜中心で、暑ければ草も元気がなくなります。しかしわが家では直播きの田んぼで時期も遅れてしまったため、稲がパラパラとしか生えていません。隙間だらけなので、田面に陽が当たり、雑草が生えて来ます。慣行農法では除草剤を使うので、草一本ありませんが、わが家の田んぼは草だらけです。大豆も同様で、やっと芽が出つつある畑もあり、大豆より雑草の方が背が高くなっています。

 

畑もやたら草が生い茂ってしまいました。父が毎日草を取っていますが、追いついていないようです。田んぼの畦ももちろん草だらけです。間もなく共同の草刈があるので、また怒られそうです。実は例年も雑草に覆われてしまい、あちこちの畑が腐海に沈んでしまいます。昨年までは、時間が取れない場合は半分位はあきらめよう、という方針でした。半分といっても、草にやられると全滅してしまうことも多いので、作物ごとに半分ではありません。この作物はあきらめよう、この作物はまだ間に合う、といった具合で、半分位の作物は収穫が無くなります。普段必要なものは家の近くの畑で父が守ってくれているので、それほど困ることはありませんでした。

 

でも今年は、少しでも安全な食べ物を増やしたいので、出来るだけ沢山作ろうとしています。これまではお米でも、何枚か作っている田んぼのうちの1枚が草で覆われても、残りが出来ればいいと考えていました。抑草技術もいくつかあるのですが、タイミングが重要なものが多く、その時期忙しいとやられてしまいます。しかし今年は複数の技術を組み合わせて、少しでも草を抑え、収量を上げたいと思っています。お布団農法、動力除草機、田車、米糠除草、手取り除草、深水と、出来ることはみな取り入れています。とは言っても、スタートが遅れた影響は大きく、予想以上に草が出てしまいました。

 

1番小さな田んぼはお布団農法が成功し、ほとんど草の姿が見えません。1枚の田んぼはお布団の種籾が鴨に食べられてしまい、結局手植えです。今日も田植をして来ましたが、あと2割位田植が必要です。お布団がぼろぼろになってしまったので草が抑えきれません、深水で稗は抑えることができましたが、深水でも平気なオモダカという雑草が半分位に生い茂っています。今日も田植をしながら籠に4杯とりましたが、焼け石に水です。早く田植を終え、除草に移りたいところです。遠くで作っている2枚の田の1枚では稗が群生してしまいました。生えている面積は半分位なので、頑張れば何とかなりそうです。

 

もう1枚は水が抜けやすく、草が生えやすい田なので、一部ですが田植をした所が、雑草にやられています。水が減って土が出ると、大量の草が生えるのです。問題は1番大きな田んぼです。手が回らず全部は確認出来ていないのですが、稗とクサネムが大量に生えているようです。幸いどの田も基本はお布団農法なので、ある程度の草はお布団が抑えてくれています。草さえ取れば収量は増えるので、何とかしたいところです。問題は豆畑かもしれません。豆は3つの畑(減反田)に植えていますが、畑の方が田よりさらに雑草が多いのです。最初に種蒔きした畑は雑草の方が大きくなってしまいました。

 

土曜日に管理機で豆の畝間の草を刈ったのですが、この日はすごい暑さ。前の晩寝る暇がなかったのに、1日中炎天下で草を刈っていたら、治りかけていた風邪がぶり返してしまいました。3日ほどおとなしくしていたのですが、悔しいことに毎日曇りで暑くありません。暑い中無理せず、涼しい日に作業していれば、仕事もはかどり、風邪を引くことも無かったでしょう。もう少しよく考えるべきでした。でも、1日延ばすと雨が降って、さらに草が伸びる、ということもよくあるので、なかなか難しいところです。今日は大分良くなったので、田植の後、別の豆畑を管理機で除草しました。まだ間に合いそうです。明日からも暇さえあれば草取りをすれば、何とか草に打ち勝てるかもしれません。

いつまでも続く田植

 いつの間にか麦の刈り入れが終わっている塩田平です。少し前、麦秋だなあとは思っていたのですが、2週間ほど出張と行事で出かけていることが多い間に、麦の刈り入れは終わったようです。そういえばコンバインが出動しているのを見かけました。麦は減反田で作るので、麦の後には普通大豆を蒔きます。既に芽を出しているところも多いようです。麦も豆も雨に弱いので、梅雨と重なるこの時期の作業はなかなか難しいのです。塩田平を離れていることが多いので、天気も良くわからないのですが、家人によると先週までは、昼間は暑く、夕方スコールのような雨が降ることが多かったそうです。

 幸い先週後半あまり雨が降りませんでした。3連休の塩田平は猛暑でしたが、おかげで減反田も水が抜けました。知人が手伝いに来てくれ、やっと豆蒔きが終了しました。ただ、最初に豆を蒔いてから10日以上経っていました。その間しょっちゅう雨が降ってくれたおかげで、全面に草が生えています。草の中に種を蒔いても草に負けてしまいそうです。まずまだ種を蒔いていないところをもう一度トラクターで耕し、草を抑制してから豆を蒔くことにしました。豆蒔きだけなら6時間の作業と思っていたのですが、2日がかりになってしまいました。炎天下延々と農作業を続けて、とりあえず一段落です。

 人間勝手なもので、種蒔きが終わると雨に来て欲しくなります。大型台風で大変な地方もあったようですが、塩田平では風は強かったものの、雨は少なかったので、発芽にはちょうど良かったかもしれません。豆畑に見に行ってみると、芽が出始めているようです。今後の問題は雑草対策です。前蒔いたところは豆と雑草が同じ位に育っています。このままでは雑草に負けてしまいます。豆畑によっては既に雑草に圧倒されつつあります。除草用の機械が壊れているので、まずは機械の修理からになります。その前に出張もあり、田んぼの世話もあるので、豆がどこまで守れるか、ちょっと微妙になって来ました。

 田の作業も延々続いています。今日も少しですが、田植をしました。7月に入って田植をしても米は穫れないというのが塩田平の常識です。しかしあちこちの田んぼに欠株が目立つわが家の田んぼでは、未だに少しずつ田植を続けているのです。普通の苗では成長が追いつきませんが、わが家で植えているのは、他の田で株数が多すぎる場所から引っこ抜いて来た大きな稲株です。直播きの田んぼなので芽が沢山出過ぎたところもあり、減らさないと減収するので、一石二鳥なのです。そもそもこんなに欠株が多いことが問題なのですが、今年は台風や鳥の被害などの特殊事情もあり、少しでも回復したいのです。株が大きくなると、さすがに難しくなるので、今月一杯が勝負です。

 お布団農法がうまく行っている田んぼは、欠株も少なく、雑草もほとんど生えないので、あまり手がかかりません。しかし順調なのは5枚の田のうち一番小さな1枚だけです。1枚は欠株は少ないのですが、用水から雑草の種子が流入し、沢山発芽してしまいました。除草はこれからです。1枚は部分的に田植をした田で、田植をした場所は予想通り雑草が大発生しました。代掻きが不十分だったらしく水が溜まらず、深水で草を抑えることができなかったのです。何度も除草しましたが、まだかなり草が残っています。水深を維持しようと冷たい水を入れ過ぎて部分的に稲が枯れてしまい、田植をし直しました。もう少し除草と補植をしたいところです。

 1枚はお布団の中の種籾が鳥に襲われ、育ったのは1割以下でした。田植のやり直しが終わったのが7割位。抑草効果も期待出来ないので深水にして草を抑えていますが、深水に強いオモダカという雑草が繁殖してしまいました。密度は高くないので、時間さえあれば除草できますが、手が回っていません。深水で稲の分蘗が抑えられているという問題がありますが、水を落とすと別の雑草も出てくるので、悩ましいところです。最後の1枚が、一番大きな田です。ここは台風で大量の雑草の種子が流入しました。その時にお布団も大分流され、1週間がかりで直したのですが、部分的に雑草が繁茂しているところ、稲が生えなかったところが出来てしまいました。というわけで、もうしばらくは田植が続きそうです。

生き物達との共生/闘い

梅雨開け宣言が出たそうで、塩田平は暑い夏に突入です。風邪を引いたのと、義父の納骨とお祭りがあり、2週連続で週末あまり作業が出来ませんでした。それでも合間を見て大豆の種蒔きをしました。その減反田の1/3位しか蒔けませんでしたが、残りは150坪ほど。あと6時間ほどあれば蒔き終わりますので、少し安心です。また肥料をまとめて購入したので、それ置く場所を作るために、資材の整理をしました。残念ながらそれ以外の種蒔きは進んでいません。まもなく秋冬作物の時期に入りますので、この辺であきらめることになりそうです。

 

豆蒔きは目標を1-2週間遅れている感じですが、遅れて良いことも無いわけではありません。周りで既に豆撒きが終わった畑が目立つようになりました。大豆は芽が出る時、豆から根が出て、豆をそのまま土の上に持ち上げます。つまり、黒い畑の土の上に、白い豆が一列に空中に浮かんだ状態になるのです。鳥から見れば、畑の上に豆が差し出されるわけです。周りでまだ豆を蒔く前に発芽すると、鳥の総攻撃を受けて全滅することも珍しくありません。糸や紐、ネットを張って防ぐことは出来ますが、結構大変です。ところが周り中で発芽していれば、対策をしなくても被害が拡散して大きな被害は受けません。

 

春先に大豆の一種の枝豆を蒔いた時は、色々な野菜の種蒔きが集中する時期だったせいか、それほどの被害ではありませんでした。それでも2割ほど食べられてしまいました。そこにまた枝豆を追い蒔きしました。周りに前蒔いた枝豆が茂っているので、鳥に見つかりにくいだろうと思っていました。ところが他の人が種蒔きをする時期でなかったせいか、きれいさっぱり全部鳥に食べられてしまいました。なかなか難しいものです。地上に浮かんでいた豆は、鳥に食べられなければ光に当たって緑化し、開いて双葉になります。豆が食べられても、中心の軸だけでも残っていれば、そこから葉が出て大きくなることもあります。

 

トウモロコシが大きくなって来たのですが、先週末に動物の襲撃を受け、20本ほど倒されて食べられてしまいました。狸かハクビシンと思われます。まだその時期ではないと思っていたので大ショックで、取る物も取り敢えず電気柵を張りました。出張の時間が迫っていたので2段しか張れませんでしたが、3段欲しいところ。出張から帰ったら、すぐにもう1段張らねばなりません。トウモロコシは父が作っているのですが、収穫予定は今月下旬だったので、油断してしまいました。途中追肥するよう何度言っても追肥せず、先日やっと追肥したのですが、肥切れで成長をあきらめ、時期前に実を付ける方に転換してしまったようです。

 

もっとも、悪い話ばかりではありません。生物相が豊かだから土が良くなるわけですし、動物だけが悪いわけではなく、人が進出し過ぎたので動物の生態が不安定になり、増え過ぎたり農作物を狙うようになるのです。最近は家の周りで狐を良く見ますし、先週家の田んぼの周りを蛍が飛んでいました。こうした作物を狙わない生き物達が増えるのは問題ありません。キャベツも青虫が大発生したものの、天敵が沢山いるおかげか、食べる部分まで食害が進んだものはほとんどありませんでした。作物の被害はショックではありますが、適当な防御策を取れば、最低限の共存は出来そうです。

ますます雑草の成長が盛んに

梅雨はまだ明けませんが、塩田平は暑いだけであまり雨が降りません。もともと雨の少ない土地柄ということもあるのでしょうが、時々夜の間にそれなりの雨が降り、昼間は蒸し暑かったりかんかん照りという毎日です。作物も大きくなりますが、雑草は作物以上に成長が早いので、畑が草だらけになってしまいました。困るのが、山の田んぼに張った電気柵です。雑草が伸びて電気柵に接触すると漏電してしまい、動物を防げなくなってしまいます。玉葱畑も雑草に覆われてしまい、どこに玉葱があるのか全く見えません。機械で刈れば、除草にかかる時間自体は何とかなるのですが、とにかく暑いので、しばらく刈っていると気を失いそうになります。

 

早朝から炎天下で農作業をして、引き続き出張といったハードスケジュール続きだったせいか、夏風邪を引いて週末寝込んでしまいました。先週豆蒔きの準備で、雑草を刈ってトラクターをかけ終わったのに、豆を蒔く元気が無いままに週が替わってしまいました。今日やっと少し種蒔きをしましたが、また出張なので、続きは来週になってしまいそうです。田んぼも雑草が出つつあります。毎年のことですが、草との戦いで雑草に圧倒されそうです。幸いお布団農法は、新方法がうまく行って着地が成功し、収穫まで辿り着けそうです。ただ水路から入れた水が、お布団の上に雑草の種子を運んで来ているので、少しですがその除草も必要です。

 

大変なのが、一部ですが田植した部分の除草です。動力除草機を使えるところは除草し終わったので、残りの除草は手取りしかありません。水深を深く保つことも抑草に役立ちます。お布団の着地が成功したので、水を入れ始めました。これで抑えきれない雑草は手取りしかありません。特に、お布団の種子が鳥に食べられてしまった田んぼは、お布団の隙間に手植えしたのできれいに植わっていないので、機械除草が出来ません。幸い全体的には例年ほど雑草は多くありません。時間はかかるでしょうが、手取り除草で何とかなりそうな感じです。良く考えてみると、これまではここまで熱心に米作りをしていなかったかもしれません。それでもそこそこのお米は穫れていたので、きっと今年も大丈夫でしょう。

 

暑くなって来たので、春蒔いた葉菜類はそろそろ元気がありません。夏野菜はやっと収穫が始まったところです。次の葉菜類の種蒔きが遅れてしまったので、もう暑過ぎて発芽が悪いようです。収穫まで辿り着けないかもしれません。とすると、今畑にある野菜が無くなると、秋まで葉菜類は出来ないかもしれません。山奥の田んぼに減反田があります。標高が200メートル位高いので、少し涼しい場所です。これまでそこで野菜を作ったことはありませんが、ためしにそこに種蒔きしてみようかな、と考えているところです。