塩田平便り:稲刈をちょっとやって玉葱畑の準備

 塩田平は週末2日とも強い霜が降りました。近くの山も色づき始め、田畑の周りの紅葉も進みました。天気が良いと、景色が本当にきれいです。強い霜が降りれば夏野菜は枯れてしまいますので、その前に収穫を終えなければなりません。時間的に、出来の良い夏野菜と南瓜のすぐ見つかる分だけしか収穫できませんでした。南瓜畑は部分的に雑草のジャングルになっていて、ジャングルの中の南瓜はすぐには見つからないのです。でも霜も直接降りませんので、気温がこれ以上下がる前に収穫すれば何とかなります。ピーマンなどは実も傷んでしまいがちですが、来年のための種蒔きが遅れているため、そちらを優先しているので、野菜の様子を見に行く余裕も無い状態です。

 先週は麦畑に切り藁を撒きました。近所の知り合いの大工さんが藁カッターを持っているので、それを借りて来たので仕事は早かったのですが、それでも4日かかりました。もちろん仕事もありますし、稲刈中断中の4枚目の田んぼの稲架が、強風で倒れてしまったのを直したりもしていたので、丸々4日かかったわけではありません。藁を撒き終わったので週末は稲刈に戻りたかったのですが、稲束を干す稲架が足りなそうだったのと、何週間も干して乾燥が進んでいたので、早く刈った分は2日がかりで脱穀しました。籾で180キロ位あったでしょうか。週明け雨の予想だったので、その前にと稲刈を再開しましたが、残念ながらぬかるみに阻まれて、全部は刈り終わりませんでした。

 もう一息なのですが、長靴が取られてしまうほどで、倒伏した稲も泥に埋まっていたり、大きな稗が生えていたりで苦戦して、残っていた稲の半分強を刈ったところで時間切れになってしまいました。刈り終わった稲束の稲架に掛ける作業は母やパートナーがやってくれたので、かなり進みました。面積的には、全部の田んぼの7割が刈り終わり、6割が脱穀まで終わったことになります。今刈っている4枚目の田んぼで残っているのは3%あるかないかなので、刈ってしまって切りを付けたいのですが、足場が悪いので半日はかかりそうです。遅れている玉葱の苗の植付け準備ができてしまう時間です。遅れている玉葱を優先しなければなりません。

 今年の玉葱は小さな減反田に植えます。水はけを良くするための弾丸暗渠を引いたまま、手つかずでした。家から近いので、耕耘機にライムソワーという、石灰を撒くための機械を付けて、耕耘機に引っ張ってもらってライムソワーに乗って減反田まで行きました。ライムソワーでも、油粕や牡蠣殻、グアノなどの粒状の肥料なら撒くことができるのです。肥料を配合して混ぜ合わせて撒きます。肥料を撒くのに4時間ほど、それからトラクターで耕すのに2時間ほどで何とか玉葱を植える準備ができました。今年はマルチを張って作るつもりなので、マルチを張るところまでやりたかったのですが、このまま出張です。今週はこれから3日間、先週は東京3往復と出張が多く、早起きして田畑に行ける日があまりありません。

 麦の種蒔きが終わったので、この時期大きいのは田んぼと玉葱だけです。小さいものでは、ニンニクや豌豆など、10月に種蒔きする予定だったものは遅れています。でもこの秋は暖かいので、今でも間に合うかもしれません。9月に種を蒔いた、大根や野沢菜などの冬野菜は順調に成長して、すっかり大きくなりました。主作物は専門機関に放射能検査に出していますが、幸い今のところ全く検出されていません。初収穫の春菊をおひたしにしてみましたが、本当においしい。野菜一つで幸せな気分になれるというのは、本当に幸せなことです。塩田平冬はそれなりに寒いので、もうしばらくすると、出来ないことの方が多くなります。何をするか迷っている今が、一番楽しい時かもしれません。

塩田平便り:稲刈をお休みして来年のための種蒔き

 塩田平から尾根を一つ越えた丸子町では、連日霜警報が出ているそうです。先週ミーティングの後立ち寄ったお店のマスターが話していました。例年なら、塩田平も10月下旬には初霜が降りることが多いので、不思議なことではありません。ただ、今年は昼間の温度が高く、寒さを感じるのは夜の間だけです。この間まで暑い日が多かったのに、突然冬の気配で、秋はどうしてしまったのだろうという感じです。本当は、10月も終わりのこの時期までに、来年のためのの種蒔きや苗の植付けが終わっていなければなりません。幸いこの1週間は雨も降らず、稲刈も少し進みましたが、まだまだ先が見えません。稲刈が終わってから種蒔きでは間に合いそうもありません。稲刈を中断して種蒔きに専念することにしました。

 一番大変なのは麦の種蒔きです。大面積は初めてです。まずトラクターで耕起し、ずっと返してもらっていない播種機を返してもらい、整備して播種機で蒔かないと終わりません。日曜日朝から雨の予報でした。田んぼなので、雨が降るとぬかってしまい、耕起も播種も出来ません。金曜から麦蒔きの準備を始めました。まずは途中までになっていた、麦と、玉葱を植える予定の減反田に弾丸暗渠を引きました。そしてサブソイラをロータリーに換装しました。麦を蒔く予定の減反田を耕します。栽培指針では、深く細かく耕起することになっていますが、土壌構造を壊したくないのと、時間もないので浅く起こします。それでも土があまり荒いと播種機がうまく種を蒔いてくれないでしょうから、2回耕起しました。耕し終わったのがもう日曜日の午前中でした。霧雨が降ったり降らなかったりです。

 幸い播種機も比較的短時間で整備でき、種蒔きを始めることができました。最初の調整に手間取りましたが、雨との競争なので、蒔き始めたら細かいことは気にせずどんどん蒔いて行きます。でも幸いなことに、たまに雨が風で運ばれてくる位で、全部蒔き終わるまで本格的な雨にはなりませんでした。そのまま稲刈に移ろうとしたのですが、直後に雨が本格的に降り出しましました。10月中に麦の種蒔きが終わり、大変ラッキーでした。あとは霜が降りる前に夏野菜の最後の収穫と、ニンニクや玉葱、豌豆の種蒔きを進めなければなりません。状況を見に山あいの畑に行ってみてビックリ。南瓜の葉っぱが枯れています。家の周りは霜が降りてなくても、ちょっと高いところは霜が降りていたのです。南瓜を霜に当てると傷んでしまうので、とりあえず先に南瓜の収穫をしました。

 散々苦労したので、激しく倒伏している稲を刈る方法が大体分かりました。激しい倒伏というのは、稲が根元からべったり寝てしまっています。隣の稲が上に倒れ込んでいると、バインダー(稲刈機)が乗っかった稲も掻き込んでしまい、絡まって機械が止まってしまいます。だから穂先の方ではなく、根元の方から刈るしかありません。幸い倒れた方向はほぼ同じ方向で、植付けた条から直角に倒れていたので、刈り取りやすく助かりました。それでも時間はかかります。まず倒れている稲を引き起こさなければなりません。稲の条にそって、1列ずつ細い棒を差し込み、引き起こします。直径2センチ、長さ2メートルほどの電柵の支柱をを使いましたが、これで比較的簡単に引き起こせました。隣の条の稲の上に乗っているので、そこに少し隙間があり、時間はかかりますが比較的簡単な作業です。

 ただ、隣の条の稲株の間に倒れた茎もあります。これが土の中に沈んでいると、棒では引き起こせません。棒で引き起こせなかった茎は手で起こすしかありません。棒を使えば数株まとめて引き起こせますが、土に埋まっているものは一株単位や、深い場合は1本ずつ起こすことになります。起こした稲株は自分で立っていられないので、傾きます。この方向を揃えてやらねばバインダーでうまく刈れません。倒れる方向は、バインダーの前方か、まだ刈ってない部分の反対側です。そしてここが重要なのですが、稲架部同士が交差すると、バインダーの刈り取り部で詰まりやすいので、きれいに揃えなければなりません。ここまでやっていると、2人掛かりで2時間作業して、20メートルほどを10条しか刈れません。

 手で刈った方が早いように思えますが、刈るだけなら早いのですが、束にして結束するのに刈る以上の時間がかかり、バインダーにはとてもかないません。雨で水分が増え、バインダーを入れるのが心配な部分を父が手刈りしてくれていますが、引き起こしながらバインダーで刈る方が、2倍以上刈れます。倒伏さえなければ、1日で1反刈り終わってしまいます。それがもう延べ7日以上作業して、やっと半分強、バインダーが入れられそうなところは全部刈り終わりました。本当に非効率ですが安全なお米を増やしたいので仕方ありません。これまでは倒伏するようなことは滅多に無かったのすが、今後は倒伏しないよう、作り方に工夫が必要なのかもしれません。

塩田平便り:引き続き玉葱一色の日々

 塩田平の周りの山々も、すっかり紅葉しました。残念ながら先週も出張や行事が多く、たまに塩田平に居ても曇りや雨が降ったりで、紅葉も今ひとつくすんでしまっていました。でも昨日今日は日も射し、作業の合間に紅葉を楽しむことができました。段々気温も下がって来ますが、冬支度はこれからです。ストーブの用意やペチカの掃除をしなければなりません。早くやった方よいと思い続けながら、まだいいか、と手つかずです。寒くなって慌ててやるのが、毎年のことなのです。薪割りや薪の整理もこれからで、先が思いやられます。

 幸い薪自体は、いろんな方からいただいて山のように積み上がっています。切ったり割ったり乾かしたりが必要ですが、1年以上積んだままの製材端材の山があるので、当面寒い思いをする心配はありません。近くの畑に片隅においてあるので、ちょっと片付けて、家の方に運んでくるだけです。だからいつでも出来ると思っていると、だんだん寒くなって来ました。玉葱もまだ植え終わっていないし、どっちからやろうか、というところです。玉葱は、高校の先輩も手伝いに来てくれ、半分強植え終わった感じです。今の感じでは、準備した畑がやや不足する気もしますが、玉葱の苗は掘り取って植えてみるまで何本あるか分かりません。植え終わってみれば足りているかもしれません。

 とにかくせっせと玉葱を植えることです。明日も手伝ってくれる人が来てくれるので、少し進みそうです。畑の他の作物も順調に育ってくれています。小カブの間引き収穫が始まり、法蓮草も大分大きくなりました。キャベツは大きくなり過ぎるほどです。大根も普通の大きさに近づいて来ました。大根や白菜は保存して冬中いただきますので、あまり早く大きくなってもらっても困ります。気温が下がるまでは保存できないし、畑に置いておくと、大きくなり過ぎてスが入ってしまうからです。それに、大根は大き過ぎると保存性も下がってしまいます。秋の気温が高めなので、大きくなり過ぎる方が心配になって来ました。

 11月に入ってもそれほど気温が下がらず、本格的な霜もまだです。それでも夜の気温が下がって来たので、寒さに弱い南瓜や薩摩藷を屋内の比較的暖かいところに整理しました。全部で300キロほどあります。もちろんわが家だけでは食べきれません。原発被災地への支援物資として、定期的に送る予定です。もう少し余裕があれば、夏野菜を片付けて、佃煮にしたりしたいのですが、当面スケジュールがびっしりです。もう何日か霜が降りなければ何とかなりそうですが、こればかりはお天気任せです。暖か過ぎても冬野菜が育ち過ぎてしまうので、天に任せて文句を言わないのが一番のようです。

南瓜の収穫

 残念ながら農業だけに専念するわけにも行かず、今日も出張です。朝5時に起きましたが、この季節は外は真っ暗。まずはデスクワークをこなしながら明るくなるのを待ち、久しぶりに畑に行きました。

 これ以上農機を使って田んぼの作業を進めても、出張中に後の作業が終わりません。例年なら間もなく初霜が降りる時期なので、間に合っていない畑の収穫を優先することにして、南瓜の収穫に行きました。もう収穫なので、除草も後回しで、草に埋もれつつあります。

雑草に埋もれつつ頑張っている南瓜

 南瓜は暑い夏が終わって元気になったところで、盛んに花を咲かせています。雄花が多いのですが、雌花も沢山付いています。まだ実を着ける気まんまんです。

南瓜の雌花

 南瓜は多分気付いていないのでしょうが、月末から来月初めにかけて初霜が降ります。南瓜をはじめとした夏野菜は霜には絶えられないので、そこで枯れてしまいます。残念ながら今から実らせる余裕はありません。

 霜に当たると傷むので、収穫をはじめたわけです。小1時間で段ボール2箱ちょっとの南瓜が収穫できました。続きはまた明日。朝露が乾くまでは稲刈も脱穀も難しいので、これまでは田んぼで稲刈の邪魔になる雑草を刈っていました。田んぼの雑草が片付いたので、これからは朝は畑仕事ができそうです。