続く玉葱の準備の草刈

 昨日に引き続き、玉葱植付の準備です。粗大有機物が嫌いな玉葱のためにまず雑草を片付けて土壌を露出させます。そこに肥料を撒き、耕します。

モアでさらに雑草を刈った状態

モアで刈った草を集める

 刈払い機で刈った草を集めて片付けたのに、さらにハンマーナイフモアで刈ってレーキで集めると、結構な量の草が集まります。それを運搬車に載せて片付けます。

 隣の畑も南瓜を植えた跡です。刈払い機で刈りながら取り残しの南瓜を探したいのですが、時間が無いので直接モアで刈ることにしました。

モアで刈り終わった畑

 残念ながらモアで南瓜をいくつか粉砕してしまいました。小さい南瓜は弾かれて、傷だらけですが食べられそうなものもあります。

塩田平便り:稲刈は長期戦モードに

 塩田平では暖房を入れ始めました。昼間は暖かいのですが、早朝の外気温は5度。化石燃料を使わずにすむペチカに火を入れたいところですが、稲刈が終わらないのでペチカを整備する余裕がありません。この1週間は出張や行事が続き、農業はあまり進みませんでした。空けておいた日は雨降り。週末は会社の若い人の結婚式でめでたかったのですが、ずっと伸びっ放しでぼうぼうだった髪の毛を、雨降りのおかげで床屋に行けたのはラッキーでした。合間を見ては田んぼに通っているのと、機械で刈りにくいところは父が毎日手刈りしてくれているので、稲刈も少しずつは進んでいます。ただ、雨と倒伏で進捗は遅々としたものです。10月中には豌豆などの豆や麦を蒔いたり、ニンニクやタマネギの植付けも終わらせなければなりません。

 機械で刈れる分だけ刈ってあとは諦めるというのが普通の判断ですが、時間がかかって長期戦になっても、出来るだけ収量を上げたいと思っています。先週は3枚目の田んぼを脱穀しました。3畝の小さな田んぼで収量は籾で161キロでした。精米してみないと正確な玄米の収量は分かりませんが、他の田んぼと同じなら計算では120キロ。ちょうど2俵です。反収では400キロ、つまり6俵半でちょっと少ない。慣行農法の2割減です。有機栽培だからこんなもの、と考えることも出来ますが、お布団農法で雑草はほぼ完全に抑えられましたし、倒伏が多かったことを考えると、作り方を改善すれば、もっと収量が期待できると思っています。

 この田んぼは去年も肥料過多でいもち病が出て、今年よりも悪い出来でした。その前の年が減反で、野菜を作ったのでその残肥が非常に多かったようでした。その反省で今年は肥料を減らしたつもりだったのですが、やはり多過ぎたようです。計算してみると窒素量で反当7キロ弱入れています。これまでは粗放栽培だったので、雑草や水管理が甘い分肥料効率が悪かったので、これでも少なめだったのですが、今年は真面目に作ったので多過ぎたようです。今刈っている田んぼも全面倒伏してしまいましたし、今後は米作りの肥料設計を全面的に見直した方が良いようです。来年は減反なので、田んぼで野菜や豆を作ります。また残肥が多くなります。

 今年反収8俵だった田は、昨年野菜を作ったので今年は無肥料で始めましたが、結局追肥はしないままで、それでも一部倒伏しました。収量は過去最高です。今後は反当窒素量で4-5キロを標準にし、減反のあとは無肥料で出発し、追肥で調節する方が良さそうです。段々慣行農法に近くなって来ます。手抜き農法というわけにはいかず、手間的は増えてしまいますが、収量を確保するためには仕方ありません。お布団農法で、今年も3枚の田はほぼ完全に雑草を抑えることができました。1枚の田は稗だらけになってしまいましたが、稗は水管理で抑制できるので、他の雑草より対処が簡単です。来年は減反で畑にしますので、田んぼより除草が簡単です。稗に芽を出させて抜くようにすれば、種も減ります。

 増収を考えると、色々と改善できる点があります。今年は初夏に体調を崩してしまい、結局耕作を放棄してしまった田が3枚出てしまったのも反省点です。水管理を自動化する計画だったのですが、そこまで辿り着かなかったため、バンザイするしかありませんでした。この田は来年も米を作ることができる予定なので、オフシーズンに少し整備したいと思います。田の水口も、配管を入れてしまい、誰でも確実に水を入れたり止めたりできるように改善したいところです。水が溜まる田の改善も、排水溝を掘ったり、弾丸暗渠を入れたり、水が溜まるところに土を盛るなど、冬場に改善できそうです。ただ、農業以外は後回しにしているので、そっちも冬場に何とかしなければなりません。良く計画を立てなければ。

ひたすら刈り続けるも終わらない稲刈

 塩田平もすっかり秋めいてきました。朝起きると寒い位で、そろそろペチカに火を入れたくなります。幸い雨が降らずにいてくれたので、残った田んぼも少しずつ乾いて来ました。先週は3枚目の田んぼの稲刈をしました。3枚目と4枚目は倒伏がひどく、稲を手で引き起こしながらの稲刈です。田面も充分乾燥していないので、効率が上がりません。稲刈機(バインダー)の性能はそれなりに高く、自分で引き起こしながら刈ってくれるので、そのままでも8割程度は刈れます。ただ無理に刈っても、引き起こし損なった稲は上の方で刈り取られてしまい、脱穀機でうまく脱穀できずにロスになってしまうことが多いのです。合計で3割程度は減収してしまうでしょうか。これまでは、仕事の片手間農法だったので、時間効率優先でした。多少のロスがあっても、時間がかからなければそれで良い、という農法です。その代わり広めに作って、自家消費分プラスアルファ収穫できれば十分でした。

 ところが福島の原発事故のおかげで、ポリシーを変更しなければならなくなりました。東北関東の農作物のかなりの部分が放射能に汚染されてしまったからです。100ベクレルまで大丈夫だとか、100ミリシーベルトまで大丈夫などと言っている困った人達もいますが、放射能は被曝量の大小にかかわらず、被曝が増えればそれだけ病気や死ぬ人が増えて行きます。誰に当たるかというだけの問題です。わが家も農地の土を測るとセシウムが数十ベクレル検出されます。各田畑の作物を測定していますが、幸い作物には、検出できるセシウムは含まれていないことが分かりました。粘土質土壌のため、移行が食い止められているようです。ちなみに測定下限は1-2ベクレル/kgです。セシウムフリーの農作物を少しでもたくさん作れば、それだけ汚染された作物を食べずにすむ人が増えるわけです。収穫量優先に目標変更せざるを得なくなりました。

 というわけで、できたお米はできるだけたくさん収穫したいのです。先週末の日曜日に、2枚目の田んぼの乾燥が遅れていた稲架1列の水分を計ると15.4%でした。気持ち高目ですが、天気が良ければ水分は下がり続けます。水分は重要で、脱穀は最優先の作業です。翌日は仕事で作業できないので、脱穀することにしました。午後一杯かかってしまいましたが、米袋5袋で102キロの籾が収穫できました。既に脱穀が終わった分は、コンバイン袋に収穫したままだったので、夜、米袋に移して計量しました。7袋で157キロありました。58キロ精米済なので、全部で籾付きで317キロの収穫です。籾摺すると25%減ったので、玄米で約240キロ、4俵の収穫ということになります。田んぼの広さが5畝なので、反収8俵。慣行農法では平均的な収量ですが、2割下がると言われている有機農法としては良い数字です。

 収量が増えた分、毒入りのお米が食べられる量が減るので、努力した成果があったとも言えます。残念ながら、全ての田んぼでこの収量ではありません。1枚目はまだ正確に集計していませんが、近い反収になりそうですが、3枚目は、反収換算で6俵程度かも。問題は今刈っている4枚目です。残念ながらこの田んぼは、ほぼ全面倒伏してしまった上に、雑草の稗が大量に生えてしまいました。さらに、水が抜けにくく、バインダーが例年スタックしてしまう田んぼです。今年は非常に沢山の稲が倒伏してしまいました。倒伏した稲は、一株ごとに引き起こしながら刈り取らないと、収量が減ってしまいます。大変手がかかるのですが、収量優先に切り替えた以上、しかたありません。1割ほど刈ったところで雨が降ってきてしまいましたので、乾燥するまで稲刈はお預けです。

 去年は野菜に力を入れたらお米に手が回らず、お米の収量はかなり少なくなってしまいました。来年減反なので来年の分のお米も今年作っておかなければならないという事情もあって、今年はお米に力を入れたら野菜があまりできませんでした。農業に割ける時間が限られているので仕方ありませんが、なかなか難しいものです。もう秋なので、今から種蒔きできる野菜は限られていますので、来年の課題になりそうです。課題と言えば、こんなに稲が倒伏したのも初めてで、原因をあれこれ考えています。多分肥料が効き過ぎたのでしょうが、多肥栽培というわけでもなく、例年と同様の施肥量でした。天候によって肥料分の効き方は変わるので、天候もありそうですが、これまでの有機栽培で地力が付いてきて、その分肥料を控える必要が出て来たのかもしれません。来年は減反ですので、再来年施肥量を良く考えたいと思っています。

雨で稲刈できないので麦蒔きの準備

 なんだか毎晩雨が降る塩田平です。4晩連続で雨が降り、これから稲刈の田んぼは水が溜まってしまいました。そもそも水が抜けにくい田んぼなので稲刈が遅れているということもあるのですが、2日ほど雨が降らなくても水が減りません。お手伝いしてくれる人がいたので、3枚目の田んぼを週末に刈ろうとしたのですが、外周1列の2/3刈るだけで3時間かかってしまいました。倒伏した稲が濡れて重く、刈りやすいように起こすのに時間がかかることと、土がぬかるんで、バインダーが滑ってしまうのです。こんなに水が抜けないのはおかしいと思って調べてみると、田んぼの入口で水が止まっていませんでした。雨が降るたびに水が流れ込んでいたようです。排水はチェックしていたのですが、いつまで経っても水が抜けないわけです。

 とにかく水が引くのを待つしかありません。水を止めて排水溝を切り直しましたが、また夜に雨が降ってしまいました。田んぼの中の乾燥しやすいところをまず刈ることも出来るのですが、倒伏が激しいのでそれも大変です。バインダーは外周から回りながら刈るように作られているので、稲束を排出する方向が決まっています。往復して刈ると、次に刈る稲の上に排出してしまい、稲束を移動させないと次の列が刈れません。それに倒伏している稲は、人が向きを揃えてやらないと刈れないので、往復するとその度に逆向きに揃え直さなければなりません。大変過ぎます。稲刈を延期することにしたおかげで、お手伝いの人には4箱ほど大根葉を収穫してもらい、福島に送ることができました。

 稲刈が終わった田んぼは乾いています。来年は減反で、稲刈が終われば2枚の田んぼで麦を作ります。先にその準備をすることにしました。小麦を大面積作るのは初めてなので、肥料設計から勉強です。長野の栽培指針によると、反当窒素4kgリン酸4kg苦土石灰100kgとのこと。有機栽培は肥料も全て天然のものです。油粕4袋(80kg)、グアノ2/3袋(14kg)、牡蠣殻石灰4袋(80kg)ぐらいです。広い方の田んぼが油粕3袋、グアノ3/5袋、牡蠣殻石灰3袋、狭い田んぼが油粕2袋、グアノ2/5袋、牡蠣殻石灰2袋で作ってみて、様子を見ましょう。有機資材は有効成分の濃度が低いので、大量に散布しなければならず重労働です。使っている肥料は、ライムソワーという、石灰を撒く機械で撒けることも理由の一つです。

 まずは排水のための弾丸暗渠を引くことからです。どうしても水が引かないところが残ってしまう田んぼがあり、オークションで安い中古を見かけたので、その排水のために買ったのですが、麦も排水が重要なのです。初めて使うので、トラクターに装着して調整するのに半日かかってしまいました。実際に使ってみて、またリンクロッドやユニバーサルジョイントの長さを変更しなくてはなりませんでしたが、一応引くことはできました。ただ、30センチ以上の溝が切れるはずなのですが、25センチ位しか切れません。もう少し調整のしようがあるのかもしれませんが、とりあえず今年はこれで良しとしましょう。次は肥料を混ぜ合わせてライムソワーで撒きます。前に使った畑に置いてあったライムソワーを運んできてちょっとショック。撒き残した油粕に雨水が入って固まっています。

 散布できないし、量の調整ができません。週末来ていた母も一緒に、3人で粘土状になってしまった油粕を掻き出しました。散布量を調整する細かい隙間をきれいに掃除するのに1時間以上かかってしまい、暗くなってしまいました。肥料撒きはまた翌日です。雨が降っても大丈夫なように、シートでカバーして終わりにしました。翌日は快晴でした。早起きして、肥料を撒き始めます。わが家のライムソワーは耕耘機で引っ張るタイプです。クボタのT7という古い耕耘機があり、それで引っ張ります。最初は肥料が均等に落ちませんでしたが、撒いているうちに段々きれいに撒けるようになりました。残念ながら会社の行事があり、9割撒き終わったところで出かけました。

 翌日続きをやる予定でしたが、2枚目の田んぼの稲の乾燥が進み、水分が14.5%まで下がってしまいました。すぐに脱穀しなければなりません。明るいうちに終わるつもりでしたが、いつもの読みの甘さで終わった時は真っ暗。あきらめて翌朝早起きして、肥料を撒き終わりました。反省点は、暗渠を掘った後が凸凹で、肥料が撒きにくいこと。それに肥料を撒く時にせっかく掘った溝をつぶしてしまいます。どうも先に肥料を撒いてから暗渠を掘った方が良さそうです。もう1枚の田んぼでは逆の順番に作業しましょう。この後、トラクターで耕起してから、トラクターに播種機を取り付けて麦の種を蒔きます。その間に雨が降ってしまうと、田んぼなので土がドロドロになってしまいます。稲刈同様、こちらも天気との相談です。

 麦の準備をはじめたら、そのまま続けたいところですが、外周の一部だけ刈ったまま1週間近く経ってしまった3枚目の田んぼも乾き始めました。まずこちらからです。稲も土もほぼ乾燥してくれたおかげで、全部刈り終わるのに3時間もかかりませんでした。稲架を立てて、稲架掛けはパートナーに任せ、4枚目の田んぼの稲刈を始めました。ただ、こちらはさらにひどい倒伏。バインダーの性能に期待してそのまま刈ってみました。3条ほど刈ったところで暗くなりました。さて、明日からどうしましょう。刈れないことはありませんが、脱穀する時に無駄が多そうです。引き起こしながら刈れば良いわけですが、この田んぼは広いので、かなり大変です。麦蒔きの準備が追いつかなくなるかもしれませんが、やはり基本に忠実が一番でしょうね。

雨の合間に進む稲刈

 台風の影響もあり、最近塩田平では毎晩のように雨が降っています。秋雨の時期なので仕方ありませんが、この時期の農作業は天気次第です。幸い昼間は晴れることが多かったので、この週末に2枚目の田んぼの稲刈が終わりました。終わりかけで台風の雨が降り出しましたので、少し残った作業がありますが、ほぼ終わったと言えます。台風の雨で稲架の一部が折れてしまいましたが、修理できました。先週末で面積的には1/3刈り終わり、1/5脱穀が終了というところです。家の近くの残った2枚の田んぼの稲ももう刈り入れ時です。例年なら、稲刈が終われば一段落なのですが、来年全部の田んぼが集団減反に入ってしまったので、麦を蒔かねばならず、稲刈を急ぎたいところです。ただ、運搬車や稲刈機(バインダー)のエンジンがかからなくなるなど、機械類のトラブルが多発しています。

 雨の影響で田んぼに入れない日は、ジャガイモの掘り残しを覆っている雑草を刈りました。畑も土が乾いておらず、草刈機が滑ってしまって草刈が進まなくて困りました。この水分ではジャガイモは掘れません。田んぼが乾けば稲刈を優先したいところですが、さすがにジャガイモから芽が出そうです。芽が出るとすぐに食べられなくなってしまうので、どちらを優先するか悩ましいところです。昨晩も雨が降り、ジャガイモはとても掘れそうにありません。1枚の大きな田は水が溜まってしまい、こちらもどうしようもありません。でも、もう1枚の小さな田は表面に水が無く、バインダーは若干のぬかるみなら、刈れるので、こちらの田んぼの稲刈をすることにしました。ところがバインダーのエンジンがかからない。キャブレターのガソリンを抜いてみると何と水です。

 水を抜いたらエンジンはかかりましたが、残念ながらこの田んぼの稲は激しく倒伏しています。稲を手で引き起こして、バインダーで刈れる方向に向け直してやらねばならないのと、畦際一杯まで稲が立っていて、外周は手刈りしなければならなかったので、3時間がかりでバインダーで1周も稲が刈れませんでした。例年なら、少々倒伏していても、無理矢理バインダーで刈り取ってしまい大分お米を無駄にしていました。時間が無いので時間効率を優先していたのです。でも原発事故以来、安全な食べ物を少しでもたくさん作りたいので、収量を優先するようになりました。耕作している全ての農地で、最低1作物は放射能測定に出していますが、幸い塩田平で作った作物からは、これまで放射能は検出されていません。

 最初に刈って先週脱穀をはじめた田んぼは、今年初めて借りた田んぼです。収穫したお米をゲルマニウム測定器で測定してもらいましたが、検出下限1ベクレルでセシウムは不検出でした。脱穀の方は無事終了しました。新米が残り少なくなったので、週末に籾で60キロ精米してもらい、45キロの玄米になり、精白してもらったので、40キロぐらいの白米になったことでしょう。なかなか人に送る準備をする余裕がありませんが、とりあえず子供達に少し送りました。藁の回収までは終わっていませんが、次の田んぼの稲刈が優先です。藁にはとりあえずシートをかけておいたのですが、風で飛んで雨に当たってしまいました。また拡げて乾燥させねばなりません。

 畑の方は、白菜の発芽が悪いと言うか、小さいうちに虫に食べられてしまい、半分も残っていません。野沢菜は、1畝はうまく発芽しましたが、もう1畝は失敗の模様。発芽しなかった場所には他のものを植えたいところです。ニンニクや葱、豌豆などの種もそろそろ蒔きたいところですが、稲刈で忙しくそこまで手が回りません。発芽が遅かった法蓮草もやっと芽が出てきました。野沢菜と法蓮草は同じ日に種を蒔いたのですが、野沢菜と大根葉はすっかり大きくなって、間引き収穫していただいています。ずいぶんと成長が違うものです。父が家の近くの畑に蕪や法蓮草を蒔いてくれたので、冬越しの法蓮草も何とかなりそうです。動物に一部を食べられてしまった薩摩藷ですが、先日やっと電柵を設置しました。これで被害が止まるとよいのですが。

突然の稲刈

 突然ですが先週末の3連休で稲刈をしました。塩田平でも早い方です。まさか、自分がこの時期に稲刈をすることになるとは思ってもみませんでした。というのも、周りより種蒔きが2週間近く遅かった上、直播きで有機農法なので、成長が遅めのはずだからです。例年の稲刈は、周りの田んぼが全て刈り終わった後でした。塩田平でも前の週から、ちらほらと稲刈をする田んぼが出始めていました。忙しかったしまだまだと思っていたので、わが家の田んぼの面倒はパートナーに任せていました。ただ、そろそろ稲刈に備えて、田んぼから水を抜く時期を検討し始めたほうがいいな、と思っていたぐらいです。そこで土曜日に、各田んぼの籾の成熟状況を確認に行って驚きました。

 家の近くの4枚の田んぼのうち1枚だけですが、もう稲刈した方が良さそうです。隣の田んぼで朝から稲刈が始まったとは聞いていたのですが、わが家とは関係ないと思っていました。こんなに早いはずはないと、いくつもの穂の稔り具合を調べましたが、稲刈できそうです。去年の稲刈は10月の初めでしたから、2週間以上早いことになります。いつまで水を入れるか決めるために見に行ったわけですが、早く乾かさなくては。幸い水が減ったところで表面水はありません。少しでも乾燥させるために、畦の漏水防止シートを引き抜きました。幸い3連休に母と妹が東京から手伝いにきてくれました。野菜の種蒔きや、掘り残しのジャガイモを手伝ってもらう予定だったのですが、稲刈が優先です。

 まだ時間があると思っていたので、バインダー(稲刈機)を整備していません。年に1度しか使わないので、キャブレターが詰まってしまうことが多く、オーバーホールが必要だと時間がかかります。田面が乾燥してくれないとバインダーが埋まって大変なので、その面では開始が遅れれた方が良いのですが、整備に時間を食ってしまうと3連休も終わってしまうし、母と妹も帰ってしまいます。翌朝はバインダー整備のために早起きしました。機械置き場に行ってみて、しまった、と思いました。バインダーの手前にパレットに乗った別の機械が鎮座しているではありませんか。さらにその機械の手前にも、薪の山を放置したままでした。バインダーは雑草に覆われて形すら見えません。

 原発事故でストックした薪が使えなくなってしまい、わが家の薪事情は大変なことになっていたのでした。最近入手した廃材や製材の端材がそこここに積上っているのです。まあ良い機会です。運搬車と軽トラを持ってきて、全員総出で薪の移動からです。薪を整理途中の物置に仮置きし、機械を移動し、雑草を刈ってバインダーを引き出しました。大きな異常はなさそうです。クリーニングして注油し、ガソリンも大丈夫そうだったので、リコイルを引いてみますが、全くエンジンがかかる気配がありません。キャブレターのカップを外してみたところ、中はきれいです。???。どうも中に入っているのがガソリンではなく水のようです。原因は不明ですが、カップとガソリンタンクを空にし、新しいガソリンを入れたところ、何とすぐにエンジンがかかりました。

 若干回転が不安定で、ニードルのクリーニングをした方が良さそうですが、とにかく動いているうちに稲刈を始めなければ。田んぼの稗取りをしてもらっていたみんなを呼びに行き、田んぼにバインダーや運搬車、稲架の材料などを運んだところでもうお昼過ぎです。仕方ありません。稲刈の開始は午後からです。お昼は素麺で涼んで、早速稲刈を始めました。ちょっと苦戦しましたが、まあまあのスピードで刈り進みます。ただ、すごい暑さです。真夏なら、機械を支えながら早足で歩けば気が遠くなるので、真夏よりはましなのでしょうがとにかく暑い。最近の農作業は機械頼りなので、最初のうちはバインダー(稲刈機)を操作する人、つまり自分以外はやることがありません。また他の田んぼの稗抜きに行ってもらいました。

 ある程度刈ったところで、刈り終わった場所に天日乾燥のための稲架を立て、他のメンバーにはバインダーが刈った稲束を稲架に掛けてもらいます。掛けるのは3人がかりですが、バインダーが刈る方がはるかに早いので、田面に稲束が広がって行きます。それでも、半分ほど刈ったところで暗くなり始めました。稲架には半分も掛かっていませんが、天気予報では雨は降らなそうなので、藁束はそのままにして、その日の作業を終えました。半日で刈り終わるかと思っていましたが、半分刈れたか刈れなかったか。バインダーの整備や操作、稲架立てができる人がいないので、一人しか作業していない時間がほとんどだったのが、進まなかった理由のようです。

 稲刈2日目の昼頃には終わるかと思っていましたが、稲は刈り終わったものの、稲架掛けは終わりませんでした。運搬車は簡単に使えるので、遠くから稲束を運んでくるのも大変ではなかったのですが、稲を掛ける人が2人だったこともあり、2/3掛け終わったぐらいでしょうか。さらに2日目の最後に大変なことが起こりました。バキッ、と大きな音がしたので見に行くと、1本の稲架が折れて倒れています。数カ所を三脚で支えているのですが、三脚の1つの組み方が甘かったらしく崩壊し、横棒が重さに耐えきれず折れてしまったのです。不幸中の幸いは、少し稲束を下ろせば稲束ごと人力で持ち上がったことです。折れた横棒を立て直した三脚の上で重ねて、何とか元の形になりました。

 ただ、通常稲束を2段重ねるのですが、折れた部分は1段に抑えたので、その分他の稲架を長くしなければなりません。最終的に3日目の午前中2人で稲架掛けして、落ち穂拾いも含め完了しました。のべ5-6人日かかったことになります。時間がかかった主な理由は、バインダーの結束紐が切れたり、結束ミスが出たりしたことのようです。結束機構のケースを開けて切れて絡まった紐を外し、紐をセットし直すのに10分以上かかるからです。結束できなかった稲束を集めてきれいに揃え、手で結ぶのも非常に時間がかかります。丸々1人取られてしまう位です。綿マルチ栽培では、田んぼの際まで稲が育ってしまうので、この部分を手刈りして手で結ぶのもかなりの手間です。次の田んぼの稲刈までに、バインダーの結束機構を分解整備した方が良さそうです。

玉葱の種を蒔き終わり一安心

 お盆過ぎれば暑さも和らぐかと思いきや、引き続き暑い日が続く塩田平です。それでも陽射しは少し弱くなり、朝晩の気温も少し下がったように思います。ただその分、日が落ちるのが目立って早くなりました。6時半には暗くなり、野良仕事を切り上げねばなりません。お盆明けに倒伏してしまったトウモロコシは、毎日主食替わりに食べ続け、やっと食べ終わりました。しばらくはトウモロコシは食べたくないかも。パソコンも相変わらず不調のままで、ほとんどメールが読めずに困っています。原因は大体目処がついたのですが、お盆のあとは仕事が溜まってしまって忙しく、パソコンの手入れまで手が回っていないのです。

 9月初めに小学生をキャンプに連れて行くのですが、週末はその準備会がありました。もちろんトウモロコシを数十本持って行き、子供達のおやつとスタッフの昼食替わりに使ってもらいました。その午後は原発の勉強会で集まったメンバーのパーティーでした。メンバーの1人が経営しているブルーベリー農園に集まり、久しぶりにのんびりしました。わが家からの持ち寄りはもちろん茹でトウモロコシと枝豆です。わが家で余った野菜も皆さんに押し付けて来ました。畑が遅れているので余裕は無いのですが、パーティーで窮状を漏らしたところ、翌日農園主が大型の草刈機を軽トラに積んで手伝いに来てくれ、畑の問題の草を全部刈ってくれました。感謝感激です。

 他にも、高校の先輩、東京の母が週末に手伝ってくれ、何と2万5千粒あった玉葱の種を全部蒔いてくれました。自分でやるより短い時間で蒔き終わってしまったので、ちゃんと蒔いてくれたか不安もありますが、大丈夫と思うことにしましょう。目標の3万粒には届いていませんが、例年より少し早く蒔けたので、足りるのではないかと思います。蒔く数よりも、虫に食べられてしまったり、草が生えてしまったりで、3割程度しか育たないことの方が問題なのです。種蒔きが早ければ、それだけ大きく育ってくれて、使える苗が増えてくれるかもしれません。あとは8月中に白菜、大根、野沢菜を蒔きたかったのですが、続きは9月に持ち越しになりそうです。

 週末には肥料の仕入れにも行って来ました。油粕を買いに行ったのですが、近くのお店にはほとんど在庫が残っていませんでした。スケジュールが遅れているので、他の人が求めたあとということでしょう。幸いちょっと遠い店に在庫があり、軽トラ2台に一杯買って来ました。掘り残しのジャガイモがまだ残っているとか、豆を蒔いた畑が草に埋もれてしまったという問題も残ってはいます。でもすごく伸びてしまった草を、父と知人が刈ってくれたので、何とか追いつけるかもしれません。実は家の草刈機がみな壊れてしまったので、新しい草刈機を買いました。それが週末に届いたのですが、30分も使う前に壊れてしまいました。今はこれが一番困ったことかもしれません。早く修理しなければ。

ジャガイモを掘り始める

 さすがに夏本番で、塩田平でも暑い日が続いています。たまに、ちょっと涼しい日があり、夜は窓を閉めないと寒いぐらいの日もあります。周囲の田圃では、稲が出穂して花盛りです。もっとも稲の花には花びらが無いので、華やかさはありません。直播きで作業が遅れたわが家の田んぼはまだ出穂していません。成長は順調で、株も大きくなってきているので、秋までに追いついてくれると良いのですが。パソコンが壊れて仕事が遅れているので、農業はパートナーに任せっきりです。田んぼの水は見てくれているようですが、水の管理は難しいようで、よく水が無くなってしまい、雑草が生えてしまっているようです。手が回らない畑は草だらけになってしまいました。

 新しいパソコンは到着したのですが、古いパソコンから中身を移さねばなりません。機械やOSが新しくなっているので、古いソフトウェアに動かないものがあって、なかなか移行ができません。それに公民館で原発事故についてお話をする予定なので、まずその資料を準備しなければなりません。予備のパソコンで作業すると、作業でできたファイルも新しいパソコンに移さなければなりませんl。時間が経つほど移行の仕事が増えてしまいますが、仕方ありません。パソコンは便利な道具ですが、壊れるととても大変です。1週間近くパソコンのお守りに専念しているので、ほかのことは全く手に付きませんでした。

 実は早くジャガイモを掘らなければなりません。暑くなったので茎葉が枯れてしまったからです。もうこれ以上大きくなることはありません。雑草を抑えるためにマルチを張っています。葉が枯れると、芋が埋まった畝の黒マルチが夏の太陽に照らされて高温になってしまい、中の芋が煮えて腐ってしまいます。そろそろまずいな、と思っていた先週末、東京の妹と、近くに住む知人が畑の手伝いにきてくれました。ジャガイモは手掘りもできますし、その方が傷もつかないのですが、土の中から掘り出すので大変です。わが家では耕耘機に鋤をつけて半分掘り出し、残りを人が掘っています。問題は、忙しくて全然整備していない耕耘機が、動いてくれるかでした。

 少し前に畑においてある耕耘機を見たとき、タイヤの空気が抜けていた印象がありました。パンクしていると簡単には直らないなあ、と心配していたのですが、取りにいってみるとタイヤは問題ありませんでした。カバーをかけてあったので、耕耘機に取り付けてあった、肥料を撒く機械のタイヤを見間違っていたようです。エンジンも快調にかかってくれました。これでジャガイモが掘れます。ただ、とても古い耕耘機を安く買ったので、タイヤの山がほとんど残っていません。鋤で土を起こすのは力がいる作業です。でもタイヤのラグが畑の土をあまり掴んでくれないので、タイヤが空回りしてしまい、土は起きないし耕耘機が前に進みません。

 仕方ないので人力で力一杯押して助けてやると、やっとジャガイモを掘り起こすことができます。浅く掘り起こせばあまり力がいらないのですが、ジャガイモを鋤で切断してしまうことが多くなります。深く起こす程よいのですが、深すぎると、力一杯押して手助けしても、びくとも動かなくなってしまいます。暑い中、1日力一杯耕耘機を押し続けて、土曜日までにやっと1/3強のジャガイモを掘ることができました。コンテナに10杯ほど収穫できたので、200キロぐらいでしょうか。目標よりだいぶ少ない感じですが、全部掘り終わり、計量が終わってみないと本当のところは分かりません。植え付けが半月遅れたのと、春先気温が低く成長が悪かったので、こんなところかもしれません。

 日曜日は村の草刈りで、その後残りのジャガイモを掘ってしまおう、と思っていたのですが、炎天下の重労働がいけなかったらしく、体調を崩してしまいました。結局日曜日は1日寝て過ごし、草刈りにはパートナーに行ってもらいました。暑い時期、無理は禁物と思い知りました。でも作物は待ってくれないので、ついついやりすぎてしまいます。ジャガイモは午前中暑くなる前に手掘りしてくれたのですが、手掘りでは2人で1畝半しか掘れなかったとのことでした。週明け、やや体調が戻ったことと、夕刻気温が下がったので、耕耘機でもう1畝半掘り起こし、パートナーに掘り出してもらいました。ここまででやっと半分です。お盆前にやってしまいたい作業がたくさんありますが、体調と相談しながら片付けるつもりです。

玉葱づくしでちょっと息をつく

 さすがに梅雨らしく、時々雨が降るようになった塩田平です。関東から友人が3日ほど農業の手伝いに来てくれました。おかげで気になっていた玉葱を収穫することができました。収穫が遅れているうちに雨が続き、雑草が勢いを取り戻して玉葱を覆いつつあったので、宝探しに近い収穫でした。収穫が終わった畑にトラクターをかけて雑草を鋤込んだのですが、探し損ないが多かったようで、そこら中から玉葱が出るわ出るわ。あわててコンテナを持って拾い集めたところ、コンテナ2箱位になりました。残念ながらロータリーの爪で傷ついているものが多く、すぐに食べてしまわなければなりません。さすがにコンテナ2個は食べられないので、近所の知人に食べてもらったり、立ち寄った人に持って帰ってもらいましたが、それでもしばらく料理は玉葱ばかりでした。

 小さくても傷物でも、有機で作っているので甘くておいしいタマネギです。いくら食べても飽きることも無く、楽しい玉葱づくしでした。キャベツもそろそろ大きくなり過ぎているし、収穫が遅れると保管が大変になるのでニンニクも収穫しなければ。そういえばそろそろジャガイモも掘り時かも。友人と遅れている種蒔きを優先して作業したので、玉葱以外の収穫は後回しになっています。そのかわり、玉葱跡と南瓜畑に肥料をやってトラクターをかけ、種蒔きが少し進みました。もう一息ですが、そろそろ1年で一番暑い時期。種蒔きも難しくなって来ます。そろそろ玉葱の苗床の準備や、田んぼの草取りも必要です。どちらを優先するか決めなければなりません。現状では、秋野菜までは種蒔きを諦めるべきなのでしょうが、悩ましいところです。農業はなかなか大変です。

 畑は友人とパートナーに任せ、先週金曜日も東京首相官邸前の抗議行動に参加して来ました。5人一緒だったので、車で行きました。ちょうど6時に着いたのですが、1週間前より沢山の人が集まっていて、列の後ろは既に六本木通りを通り越して伸びています。分岐して別の方にも伸びていて、列の最後がどこだか分かりません。一緒に行った中に初めて参加する人がいたので、あまり後ろの方では何をやっているのかわかりません。先週は列の反対側の歩道には自由に行けたので、そっちに行こうとして国会議事堂を一周したのですが、前回より非常に広い範囲で歩道が封鎖されていて近づけません。仕方が無いので地下鉄の地下通路伝いに比較的近くの出口から出て、官邸から道一本隔てたところに辿り着きました。はす向かいの抗議行動先頭のスピーチも良く聞こえ、周りに少しずつ人も増えて来て、それなりの抗議もできました。

 一対何人集まったのか。増えているのかに関心があるのですが、実は良くわかりません。主催者発表は15万人で、前回の15-18万人より少ない印象です。警察発表はこの3回で、1万1000人、1万7000人、2万1000人と増え続けています。数自体がどう考えても全然違うのですが、一説によると警察は開始時(6時)の参加人数を数えているそうです。仕事が終わってから参加するので6時に着いている人はごく一部。参加する人の列は延々と続いていました。主催者も、前回は予想以上で数えるのが難しかったけど、今回はスタッフの数もかなり多い印象だったので、正確に数えたということかも。開始して間もなく雨が降り始め、解散宣言が出た頃には本降りになっていたので、あるテレビ局は、雨でも再稼働しても前回と同じ15万人が集まったことに驚いたと報道していました。毎回初めての人が一緒なので、勝手に歩き回るわけにも行かず、自分の目での確認ができないのがちょっと残念です。

 僕個人も、これまで政治に関心を持たなかったことが、官僚や電力会社の暴走を招いてしまい、原発事故による大規模な汚染と人命を失うことになってしまったことに責任を感じています。だからこの全く新しい形の抗議に参加しています。毎週金曜日に行われている抗議行動は、デモでも集会でもなく、赤ちゃんから老人まで、本当に老若男女がまんべんなく集まっています。10万人以上の人が集まったにも関わらず、小競り合いすら無い。主催者が解散を宣言すると、粛々と帰って行く。こんな主義主張や男女や年齢も全く関係ない集まり、それも自然発生的な集まりは、日本の歴史で初めてのことだと思います。歴史が作られている。このまま人が増え続ければ、歴史の教科書に載ることになるでしょう。そういう現場に立ち会うことができる瞬間だと思います。日本には民主主義は育たなかった、というのがこれまでの僕の考えだったのですが、今民主主義が育ちつつあるのかもしれないと思っています。

 食べ物が無くては人は生きて行けないので、農業は重要です。民主主義、政治、官僚、原発がどうなるかにかかわらず、毎日の食べ物は必要だからです。と思いつつも、仕事や放射能対策も必要だし、原発に関することにも時間を割かざるを得ない毎日です。こうなってしまったのも、電力業界や政府だけでなく、自分にも責任の一端はありますので、仕方ありません。というわけで、出張が無く家にいる日は、朝5時前に起きて種蒔きをして、それから仕事や書き物といった日々です。今朝ももトラクターでもう一度草を抑えてから、莢隠元と枝豆を2列ずつ、モロッコ隠元を1列、白瓜も1列種蒔きをして来ました。まだ空いている畑が沢山あるので、もうしばらく早起きを続けたいと思います。