玉葱づくしでちょっと息をつく

 さすがに梅雨らしく、時々雨が降るようになった塩田平です。関東から友人が3日ほど農業の手伝いに来てくれました。おかげで気になっていた玉葱を収穫することができました。収穫が遅れているうちに雨が続き、雑草が勢いを取り戻して玉葱を覆いつつあったので、宝探しに近い収穫でした。収穫が終わった畑にトラクターをかけて雑草を鋤込んだのですが、探し損ないが多かったようで、そこら中から玉葱が出るわ出るわ。あわててコンテナを持って拾い集めたところ、コンテナ2箱位になりました。残念ながらロータリーの爪で傷ついているものが多く、すぐに食べてしまわなければなりません。さすがにコンテナ2個は食べられないので、近所の知人に食べてもらったり、立ち寄った人に持って帰ってもらいましたが、それでもしばらく料理は玉葱ばかりでした。

 小さくても傷物でも、有機で作っているので甘くておいしいタマネギです。いくら食べても飽きることも無く、楽しい玉葱づくしでした。キャベツもそろそろ大きくなり過ぎているし、収穫が遅れると保管が大変になるのでニンニクも収穫しなければ。そういえばそろそろジャガイモも掘り時かも。友人と遅れている種蒔きを優先して作業したので、玉葱以外の収穫は後回しになっています。そのかわり、玉葱跡と南瓜畑に肥料をやってトラクターをかけ、種蒔きが少し進みました。もう一息ですが、そろそろ1年で一番暑い時期。種蒔きも難しくなって来ます。そろそろ玉葱の苗床の準備や、田んぼの草取りも必要です。どちらを優先するか決めなければなりません。現状では、秋野菜までは種蒔きを諦めるべきなのでしょうが、悩ましいところです。農業はなかなか大変です。

 畑は友人とパートナーに任せ、先週金曜日も東京首相官邸前の抗議行動に参加して来ました。5人一緒だったので、車で行きました。ちょうど6時に着いたのですが、1週間前より沢山の人が集まっていて、列の後ろは既に六本木通りを通り越して伸びています。分岐して別の方にも伸びていて、列の最後がどこだか分かりません。一緒に行った中に初めて参加する人がいたので、あまり後ろの方では何をやっているのかわかりません。先週は列の反対側の歩道には自由に行けたので、そっちに行こうとして国会議事堂を一周したのですが、前回より非常に広い範囲で歩道が封鎖されていて近づけません。仕方が無いので地下鉄の地下通路伝いに比較的近くの出口から出て、官邸から道一本隔てたところに辿り着きました。はす向かいの抗議行動先頭のスピーチも良く聞こえ、周りに少しずつ人も増えて来て、それなりの抗議もできました。

 一対何人集まったのか。増えているのかに関心があるのですが、実は良くわかりません。主催者発表は15万人で、前回の15-18万人より少ない印象です。警察発表はこの3回で、1万1000人、1万7000人、2万1000人と増え続けています。数自体がどう考えても全然違うのですが、一説によると警察は開始時(6時)の参加人数を数えているそうです。仕事が終わってから参加するので6時に着いている人はごく一部。参加する人の列は延々と続いていました。主催者も、前回は予想以上で数えるのが難しかったけど、今回はスタッフの数もかなり多い印象だったので、正確に数えたということかも。開始して間もなく雨が降り始め、解散宣言が出た頃には本降りになっていたので、あるテレビ局は、雨でも再稼働しても前回と同じ15万人が集まったことに驚いたと報道していました。毎回初めての人が一緒なので、勝手に歩き回るわけにも行かず、自分の目での確認ができないのがちょっと残念です。

 僕個人も、これまで政治に関心を持たなかったことが、官僚や電力会社の暴走を招いてしまい、原発事故による大規模な汚染と人命を失うことになってしまったことに責任を感じています。だからこの全く新しい形の抗議に参加しています。毎週金曜日に行われている抗議行動は、デモでも集会でもなく、赤ちゃんから老人まで、本当に老若男女がまんべんなく集まっています。10万人以上の人が集まったにも関わらず、小競り合いすら無い。主催者が解散を宣言すると、粛々と帰って行く。こんな主義主張や男女や年齢も全く関係ない集まり、それも自然発生的な集まりは、日本の歴史で初めてのことだと思います。歴史が作られている。このまま人が増え続ければ、歴史の教科書に載ることになるでしょう。そういう現場に立ち会うことができる瞬間だと思います。日本には民主主義は育たなかった、というのがこれまでの僕の考えだったのですが、今民主主義が育ちつつあるのかもしれないと思っています。

 食べ物が無くては人は生きて行けないので、農業は重要です。民主主義、政治、官僚、原発がどうなるかにかかわらず、毎日の食べ物は必要だからです。と思いつつも、仕事や放射能対策も必要だし、原発に関することにも時間を割かざるを得ない毎日です。こうなってしまったのも、電力業界や政府だけでなく、自分にも責任の一端はありますので、仕方ありません。というわけで、出張が無く家にいる日は、朝5時前に起きて種蒔きをして、それから仕事や書き物といった日々です。今朝ももトラクターでもう一度草を抑えてから、莢隠元と枝豆を2列ずつ、モロッコ隠元を1列、白瓜も1列種蒔きをして来ました。まだ空いている畑が沢山あるので、もうしばらく早起きを続けたいと思います。

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