塩田平もちょっと涼しくなってきました。昼頃農作業をしていてもあまり汗をかかずにすむこともあります。種蒔きが遅れているので、日中も作業できるのはありがたいことです。でも週末は暑く、汗で下着がびしょ濡れになってしまいました。種蒔きは軽作業なので、これ位の気温なら耐えられるのですが、問題はここのところ1週間ほど、全くと言っていいほど雨が降らないことです。天気予報でも今後も1週間以上雨の気配がありません。週末に知人が手伝ってくれ、何とか白菜の種蒔きまで漕ぎ着けたのですが、雨が降らねば芽が出ません。芽が出なければ無理して種蒔きした意味が無くなります。
白菜は畑にマルチというポリエチレンシートを張って作っています。生育促進と雑草の抑草、それに肥料の有効利用と、良いところが多いのですが、マルチ張りが大変です。薄いシートなので、風が吹くと特に大変です。普通は外周に溝を掘って裾を全周土に埋めるのですが、結構重労働です。わが家では省力化のためにマルチ押さえという大きなプラスチックの画鋲みたいなもので土に止めています。これをたくさん刺さないと風でめくれてしまいます。資材費もそれなりにかかりますし、剥がす時の回収も面倒です。マルチャーという、マルチを張る機械があるのですが、高いし、畑を徹底的に耕しておかないとうまく動かなそうなので、これまでは関心を持っていませんでした。
たまたまネットの動画で、手で引くタイプのマルチャーを使っているのを見かけました。うまく張れています。さすがに畑は良く耕してあります。白菜を作るのはジャガイモの後です。ジャガイモを高畝で作った跡なので、平らにするために普通よりしっかりトラクターで耕します。雑草も少なめで、マルチャーで引けるかもしれません。管理機で引っ張るタイプの動画も探して見てみました。簡単そうです。オークションで探してみると、安価なものがあります。部品が足りないそうですが、他の農機から外せば何とかなりそうです。つい購入してしまいました。ただ、マルチャーを引くためと、その準備をするための管理機が両方ともパンクしています。
手伝ってくれた知人と、農機のタイヤのパンク修理から始めました。3つもパンクしています。古くてボルトが錆び付いているタイヤでは、3本もボルトを切ってしまいました。でもチューブを交換して使えるようになりました。2日目は2人でマルチャーの試運転です。幅の広い畝に張ろうとしていたのですが、そのマルチャーでは少し狭い畝にしか張れないことが分かりました。抵抗が大きいとうまくいかなように思っていたので、管理機で畝の両側を削りました。管理機で引くにはかなりコツがいることが分かりましたが、何とか張れました。2つ目の畝ではマルチをちぎってしまいましたが、張ることは張れました。ただ、両側をあまりうまく土で押さえられません。
3つ目の畝は両側の削り方が足りなかったようで、マルチャーが畝の両側を削りながら移動します。ところがこの方が、マルチの裾がうまく土で押さえられるのです。抵抗が無いようにと、畝の両側を削ったのがいけなかったようです。ここまでで、お昼になってしまいました。午後はすごく暑かったので、午後は日陰で薪の整理をし、涼しくなった頃に、少しだけ買った白菜の苗を植付けました。翌日夕方、少し早く帰ってようやく白菜の種を蒔きました。大分時期外れになってしまったものの、これで一安心、と言いたいところですが、翌日も雨が降る気配がありません。正直なところ、すぐに芽が出ても、もう間に合わない可能性が高いのですが、もう1週間雨が降らなければ絶対に白菜が巻きません。その前に寒くなってしまうからです。
作物に滅多に水はやらないのですが、仕方ないので炎天下水をやりました。早起きして始めたのですが、種蒔きの後マルチを押さえるために管理機で溝を掘ったりしたので、遅くなってしまいました。本当は朝晩の涼しい時間帯に水をやるのですが、種なので多少は大丈夫でしょう。幸い用水路の隣の畑なので、水はバケツで汲めます。最初はじょうろで水をやったのですが、マルチを張っているので穴に入るのはごく一部です。面積が広いので水の量も時間もかかります。仕方ないので1株ずつ容器に汲んでやることにしました。管理機の溝掘りで畝間を削ってマルチの裾に土を載せながら、種の穴にも覆土するという、超手抜き作業です。ゆっくり水をかけてやらないと覆土が水に流されて種が浮かび上がって来てしまいます。
気をつけなければならないのと、広い畑なので、午前中一杯かかってしまいました。暑い日だったからでしょうか、突然「ボン」と音がしたかと思うと、目の前で空気に小さな渦ができました。ぐるぐる回っているうちに縦に伸びて行き、小さな竜巻のようになりました。つむじ風です。横に移動して行って、マルチの上に来ると、マルチが吸い上げられます。段々渦の周りが大きくなって、すり鉢型に空気が回っています。4本のマルチを張った畝を横切って、掘り残しのジャガイモの畝の上でしばらく回っていましたが、そのうち中心の渦が消えてしまいました。しばらくは周りの空気が回り続けていましたが、そのうち止まってしまいました。
それほど大きくはありませんでしたが、自分で見た中では一番大きく、こんなに近くで見たこともありませんでした。もう1畝、まだ白菜の種に水をやっていませんが、暑くなったこともあり、家に帰りました。夕方まで仕事をして、暗くなり始めた頃白菜のことを思い出しました。水をやるのは良いのですが、芽が出ても1週間降らなければ枯れてしまいます。実は先週、白菜以外の野沢菜や冬菜、春菊、法蓮草などを、残った畝に袋から直接バラ播き、トラクターで土とかき混ぜる、という超大胆な方法で、1時間ほどで全部蒔いてしまいました。こっちの畝も、ごく一部ですが、芽が出始めています。これもみんな枯れてしまうでしょう。
仕方が無いので用水からポンプで畑に水を入れることにしました。ところが何年も使っていないので、ポンプのエンジンがかかりません。もう1台も壊れたままで、確か交換部品があったはず・・・。などやっているうちに暗くなってきました。ポンプは明日の朝何とかすることにし、とりあえず残った畝に水やりに行きました。半分ほど水をやったところで、なんと予想外の夕立が来ました。もうほとんど暗かったので、畑を片付けて家に帰りましたが、幸いなことに結構長く降ってくれました。これで芽が出ても安心です。種蒔きが10日は遅れているので、近所の人も心配してくれています。予報では秋の気温は高いそうなので、何とかなると期待しているのですが。