玉葱の種を蒔き終わり一安心

 お盆過ぎれば暑さも和らぐかと思いきや、引き続き暑い日が続く塩田平です。それでも陽射しは少し弱くなり、朝晩の気温も少し下がったように思います。ただその分、日が落ちるのが目立って早くなりました。6時半には暗くなり、野良仕事を切り上げねばなりません。お盆明けに倒伏してしまったトウモロコシは、毎日主食替わりに食べ続け、やっと食べ終わりました。しばらくはトウモロコシは食べたくないかも。パソコンも相変わらず不調のままで、ほとんどメールが読めずに困っています。原因は大体目処がついたのですが、お盆のあとは仕事が溜まってしまって忙しく、パソコンの手入れまで手が回っていないのです。

 9月初めに小学生をキャンプに連れて行くのですが、週末はその準備会がありました。もちろんトウモロコシを数十本持って行き、子供達のおやつとスタッフの昼食替わりに使ってもらいました。その午後は原発の勉強会で集まったメンバーのパーティーでした。メンバーの1人が経営しているブルーベリー農園に集まり、久しぶりにのんびりしました。わが家からの持ち寄りはもちろん茹でトウモロコシと枝豆です。わが家で余った野菜も皆さんに押し付けて来ました。畑が遅れているので余裕は無いのですが、パーティーで窮状を漏らしたところ、翌日農園主が大型の草刈機を軽トラに積んで手伝いに来てくれ、畑の問題の草を全部刈ってくれました。感謝感激です。

 他にも、高校の先輩、東京の母が週末に手伝ってくれ、何と2万5千粒あった玉葱の種を全部蒔いてくれました。自分でやるより短い時間で蒔き終わってしまったので、ちゃんと蒔いてくれたか不安もありますが、大丈夫と思うことにしましょう。目標の3万粒には届いていませんが、例年より少し早く蒔けたので、足りるのではないかと思います。蒔く数よりも、虫に食べられてしまったり、草が生えてしまったりで、3割程度しか育たないことの方が問題なのです。種蒔きが早ければ、それだけ大きく育ってくれて、使える苗が増えてくれるかもしれません。あとは8月中に白菜、大根、野沢菜を蒔きたかったのですが、続きは9月に持ち越しになりそうです。

 週末には肥料の仕入れにも行って来ました。油粕を買いに行ったのですが、近くのお店にはほとんど在庫が残っていませんでした。スケジュールが遅れているので、他の人が求めたあとということでしょう。幸いちょっと遠い店に在庫があり、軽トラ2台に一杯買って来ました。掘り残しのジャガイモがまだ残っているとか、豆を蒔いた畑が草に埋もれてしまったという問題も残ってはいます。でもすごく伸びてしまった草を、父と知人が刈ってくれたので、何とか追いつけるかもしれません。実は家の草刈機がみな壊れてしまったので、新しい草刈機を買いました。それが週末に届いたのですが、30分も使う前に壊れてしまいました。今はこれが一番困ったことかもしれません。早く修理しなければ。

嵐のような夕立でトウモロコシが全倒伏

 皆さんお盆はいかがでしたか。お盆前に暑い中草刈を続けたのが響き、お盆頃はほとんど寝て過ごすことになってしまいました。パソコンも全然直らず、延々データの復旧やコンバート、移動などをさせていました。同時に他のことに使ってクラッシュしてしまっては元も子もないので、処理が終わるまで待つしかありません。24時間以上かかることもあり、時々様子を見る以外は手が出せません。処理が終わるのを待ち構えていなければならないので、予定していたお墓参りもパスさせてもらいました。ご先祖様申し訳ありません。お盆には村の盆踊り大会があり、そちらは参加してちょっと盆踊りのまねごとをしましたが、雨がぱらつきはじめ、残念ながら予定より早く終わってしまいました。

 17日に原発のセミナーの講師を依頼されていたので出かけたのですが、その間に大変な夕立が降りました。2時過ぎには降り出したので、夕立というよりスコールとでも言いましょうか、すごい暴風雨だったようです。出かけた先は、車で1時間ほどのところなのですが、いくつか山を越えたからか、ほとんど雨は降らず、遠くの雷が伝わってくる程度でした。ところが家に帰ってみると、開けていた窓から大量の雨が入っていて、床に水溜まり。翌朝起きて驚いたことに、100本以上植えてあるトウモロコシがほとんど全部倒伏しています。キュウリの棚も全壊。枝豆や田んぼの稲も半分ほど倒伏していました。大被害です。しかも翌日も激しい夕立が降りました。こんなに雨が降ると、雑草が生い茂ります。

 トウモロコシは、ハクビシン除けの電柵の上に倒れていました。トウモロコシ自体を救うより、まず電柵を回復させないと、ハクビシンに食べられてしまいます。とりあえず電柵を救い出して電流を流し、残ったトウモロコシは翌日支柱を立てて引き起こしました。残念ながら折れているものは、収穫するしかありません。ここ数日、毎食トウモロコシと枝豆が主食で、お米やパンは全く食べない日が続くことになりました。どちらも大変おいしいのですが、さすがに少し飽きてきて、これまた早く食べた方がよいジャガイモを加えてバリエーションを出したりしています。稲は幸い多くが自力で立ち上がってくれました。ちょうど稲の花が咲く時期と重なったので、倒伏のダメージで実の数が少し影響を受けるかもしれません。

 週明けに、以前ジャガイモ掘りを手伝ってくれた友人がまた手伝いに来てくれ、放置されていた豆の草を刈ってくれました。でもこの1週間の間にかなり生い茂ってしまい、豆は息絶え絶えのようです。草を刈るのも時間がかかり、一部の草を刈っただけで1日終わってしまいました。豆も心配ですが、玉葱の種蒔きもしなければなりません。出張も多い時期で、ほとんど手が回りません。草を刈るつもりで居た日は、トウモロコシを起こしたり、倒れたキュウリの棚を作り直したりで終わってしまいました。田んぼの水も抜けがちで、水の管理や畦の補修もあり、なかなか除草まで手が回りません。以前は8月は雨が少なかったのですが、今年は激しい雨が多く梅雨時同じ位草が伸びます。作業の見積を変えなければならないようです。

猛暑の中ひたすら草を刈り続ける毎日

 もうお盆。暑い日が続きますね。農業歴的には秋に入ります。これからは暑さも和らぎ、種蒔きすれば芽が出てくれるようになります。塩田平では、9月に入ると気温が下がり、虫が出てきます。それまでにある程度育ってくれれば良いのですが、秋の虫にやられると、何度蒔き直してもますます虫が増え、みんな食べられてしまったりします。できれば今のうちに、秋冬野菜の種を蒔いてしまいたいものです。でもここ数日は、時間さえあれば草を刈っていました。田舎のこととて、周りの家はお盆に親戚が集ってきます。人々を迎えるのに、お墓をはじめ、家の庭、田畑の雑草も全てきれいにして、お盆に備えます。

 しかしわが家に貸している田畑は草ぼうぼうのままです。周りからの目が厳しくなってきます。体調を崩して2週間以上、農作業をお休みしていましたが、このままはいきません。休耕中の畑に有害植物が生えている、というクレームも来ました。わが家の作物もそろそろ草に負けてしまいます。作物のためにも草を刈らねばなりません。借りている田畑は点在しているので、畦畔の長さは半端ではありません。作りにくい所からしか貸してもらえないので、法面が身長より遥かに高いところもいくつかあります。全面に繁茂した雑草を刈るのはかなり危険な作業です。真夏の猛暑の中ですが、草刈りを始めました。

 早起きすれば気温が低いのですが、仕事が終わらず早寝早起きが難しく、目が覚めたら残念ながら6時を回ってしまっていることも。昼前には暑くて動けなくなりますし、午後も5時過ぎても暑い日も多く、7時過ぎには暗くなるので能率が上がりません。壊れた自走式の草刈機を修理している暇がないので、刈払機だけで4日草を刈り続けて、肩も腕も筋肉痛です。田の畦草は刈り終わりましたが、長い法面は、道路から目立つところだけ刈って勘弁してもらうことにしました。久しぶりに行った休耕中の畑には、何と雑草が3メートル以上繁茂していました。刈払機では危険なので1メートル以下になる程度に刈りました。

 問題は畑です。1ヶ月ぐらい前に豆を蒔いた畑が、全面草の海。膝より高い程度ですが、目を凝らさないと豆の姿は見えません。草に負けて枯れてしまうまで1週間ももたなそうです。ぎりぎりのタイミングですが、集落内や道路際の草刈りを優先させざるを得ないので、後回しです。最後にやっと取りかかりましたが、連日の炎天下での作業に無理があったらしく、またダウンしてしまいました。治まっていた目眩も再発です。というわけで、豆畑は1割程度草を刈ったところでお盆を迎えてしまいました。過労も目眩も前回ほどひどくはないので、お盆明けに草刈りを再開するまで、豆たちに持ちこたえ欲しいところです。

 懸案のジャガイモ掘りは、先週後半、古くからの友人と東京の母が手伝いに来てくれました。体調は今ひとつでしたが、耕耘機を使える人がいないので、参加して鋤で掘り起こしました。力仕事で日が照りだすと10分ぐらいで下着まで汗でびしょびしょになります。30分ほど耕耘機で掘れば、そこから芋を拾い集めるだけで、3人で午前中いっぱいかかります。ジャガイモは3時間以上日光に当てると、緑化してソラニンという毒ができてしまうので、作業は3時間以内が目標です。自分は草刈りに戻りますが、3時間経つ前に、もう芋を集め終わってしまったなら追加で掘ろうと見に行くと、全然進んでいなかったりします。

 3時間以上経つと緑化してしまうので、あわてて運搬車のエンジンをかけ、畝沿いを走らせながら運搬車の荷台のコンテナに掘り出された芋を放り込みます。最低速にして、やっと着いていけるスピードなので、必死に芋を拾い続けなければなりません。昼前の暑い中、機械に合わせざるを得ないので、全身汗まみれです。チャップリンのモダンタイムス状態です。その代わり能率は抜群です。他の人は運搬車が使えないので、掘り出す方はやるから、拾い集めるのはやってくださいモードになりがちです。おかげでジャガイモは7割ぐらい掘り終わりました。その分草刈りが遅れていますが、お盆前の最低目標はクリアしました。

 それ以外の雑草は、家の近くの畑は父が、遠くの主力の畑は手伝いの人たちがある程度刈ってくれました。後は機械で除草/抑草したほうが効率的ですが、機械を使えるのは自分だけなので、作物が負ける前に間に合うかは微妙です。田んぼの方は、各田んぼで出穂が始まりました。周りより遅れていたので一安心。この時期水を切らすと生育が遅れるので、畦の点検もして水漏れもできるだけ止めました。ある田んぼでは、田面にモグラが開けた穴を発見しました。水が減る訳です。本当は秋作の準備も進めねばなりません。今のところそちらまでは手が回っていませんが、焦らず進めていきたいと思います。

ジャガイモを掘り始める

 さすがに夏本番で、塩田平でも暑い日が続いています。たまに、ちょっと涼しい日があり、夜は窓を閉めないと寒いぐらいの日もあります。周囲の田圃では、稲が出穂して花盛りです。もっとも稲の花には花びらが無いので、華やかさはありません。直播きで作業が遅れたわが家の田んぼはまだ出穂していません。成長は順調で、株も大きくなってきているので、秋までに追いついてくれると良いのですが。パソコンが壊れて仕事が遅れているので、農業はパートナーに任せっきりです。田んぼの水は見てくれているようですが、水の管理は難しいようで、よく水が無くなってしまい、雑草が生えてしまっているようです。手が回らない畑は草だらけになってしまいました。

 新しいパソコンは到着したのですが、古いパソコンから中身を移さねばなりません。機械やOSが新しくなっているので、古いソフトウェアに動かないものがあって、なかなか移行ができません。それに公民館で原発事故についてお話をする予定なので、まずその資料を準備しなければなりません。予備のパソコンで作業すると、作業でできたファイルも新しいパソコンに移さなければなりませんl。時間が経つほど移行の仕事が増えてしまいますが、仕方ありません。パソコンは便利な道具ですが、壊れるととても大変です。1週間近くパソコンのお守りに専念しているので、ほかのことは全く手に付きませんでした。

 実は早くジャガイモを掘らなければなりません。暑くなったので茎葉が枯れてしまったからです。もうこれ以上大きくなることはありません。雑草を抑えるためにマルチを張っています。葉が枯れると、芋が埋まった畝の黒マルチが夏の太陽に照らされて高温になってしまい、中の芋が煮えて腐ってしまいます。そろそろまずいな、と思っていた先週末、東京の妹と、近くに住む知人が畑の手伝いにきてくれました。ジャガイモは手掘りもできますし、その方が傷もつかないのですが、土の中から掘り出すので大変です。わが家では耕耘機に鋤をつけて半分掘り出し、残りを人が掘っています。問題は、忙しくて全然整備していない耕耘機が、動いてくれるかでした。

 少し前に畑においてある耕耘機を見たとき、タイヤの空気が抜けていた印象がありました。パンクしていると簡単には直らないなあ、と心配していたのですが、取りにいってみるとタイヤは問題ありませんでした。カバーをかけてあったので、耕耘機に取り付けてあった、肥料を撒く機械のタイヤを見間違っていたようです。エンジンも快調にかかってくれました。これでジャガイモが掘れます。ただ、とても古い耕耘機を安く買ったので、タイヤの山がほとんど残っていません。鋤で土を起こすのは力がいる作業です。でもタイヤのラグが畑の土をあまり掴んでくれないので、タイヤが空回りしてしまい、土は起きないし耕耘機が前に進みません。

 仕方ないので人力で力一杯押して助けてやると、やっとジャガイモを掘り起こすことができます。浅く掘り起こせばあまり力がいらないのですが、ジャガイモを鋤で切断してしまうことが多くなります。深く起こす程よいのですが、深すぎると、力一杯押して手助けしても、びくとも動かなくなってしまいます。暑い中、1日力一杯耕耘機を押し続けて、土曜日までにやっと1/3強のジャガイモを掘ることができました。コンテナに10杯ほど収穫できたので、200キロぐらいでしょうか。目標よりだいぶ少ない感じですが、全部掘り終わり、計量が終わってみないと本当のところは分かりません。植え付けが半月遅れたのと、春先気温が低く成長が悪かったので、こんなところかもしれません。

 日曜日は村の草刈りで、その後残りのジャガイモを掘ってしまおう、と思っていたのですが、炎天下の重労働がいけなかったらしく、体調を崩してしまいました。結局日曜日は1日寝て過ごし、草刈りにはパートナーに行ってもらいました。暑い時期、無理は禁物と思い知りました。でも作物は待ってくれないので、ついついやりすぎてしまいます。ジャガイモは午前中暑くなる前に手掘りしてくれたのですが、手掘りでは2人で1畝半しか掘れなかったとのことでした。週明け、やや体調が戻ったことと、夕刻気温が下がったので、耕耘機でもう1畝半掘り起こし、パートナーに掘り出してもらいました。ここまででやっと半分です。お盆前にやってしまいたい作業がたくさんありますが、体調と相談しながら片付けるつもりです。

塩田平便り:大根が凍結した朝

 先週の塩田平は少し冷え込みました。雪が降ったり、天気予報で最低温度がマイナス3度を下回ったり。わずかに積もった程度でしたが、12月上旬に雪が降ることは珍しいので、この冬は寒さが厳しいのかもしれません。大根が凍ってしまいます。仕事が終わってから、慌てて残った大根のうち、大きいものだけ抜きました。既に畑の土は凍り付いています。夕方5時には真っ暗ですので、暗闇の中での作業です。1畝の取り残しから大きなものだけを集めたのですが、コンテナ5個が一杯になりました。幸い畑の横に1本だけ街灯があるのと、ほぼ満月で晴天でしたので、これらの明かりだけで何とか作業できました。

 この晴天がくせ者なのです。雲という断熱材が無いので、夜になるとどんどん気温が下がってしまうのです。収穫を終えて仕事をしていても、段々寒くなって来たので、一度火を落としたペチカに火を入れ直しました。翌朝も良く晴れていて、外気温はマイナス5度。さすがにペチカの力で室温は8度ほどありましたが、外の大根は葉っぱも根もカチコチに凍っていました。穫り残した大根のうち、どれ位が大丈夫か気になるところですが、そのまま出張です。マイナス10度以下になることもある塩田平ですので、マイナス5度位はなんてこと無いのですが、12月の初旬は珍しいことです。

 幸い水道は凍りませんでしたが、忙しくて凍結防止ヒーターも準備していないので、次の寒波が来る前に準備をしなければ。予報ではしばらくは寒くならないようですが、これ以上冷えるとキャベツも凍結してしまうので、そろそろ収穫しなければならないかもしれません。ペチカの薪の準備も追いついていないので、本格的に寒くなる前に頑張らねばなりません。薪と言えば、10日ほど前の村の忘年会でありがたい話がありました。その日は4つも飲み会が重なってしまい、30分ほどで早引けしたのですが、何とその間に、最近村に越して来て、薪ストーブを設置した若い人から、「薪をもらえるので一緒に取りに行きませんか」と話があったのです。

 川に自生してしまったニセアカシアを伐採したものが、川縁に積み上げてあり、持って来て良いそうです。乾燥させねばならないので、次の冬の薪になるわけです。ありがたいことに毎年こんな形で、誰かがただで薪をもらえる話を持って来てくれます。早速うちのトラックを出動させ、クレーンで吊り上げて運んで来ました。伐採した人がプロだったらしく、トラックの荷台の最大幅2メートルに揃えて切ってくれているので、積み込みやすくて助かりました。今年こそ冬場に時間を作り、早めに薪の準備を進めたいものです。とりあえずは今晩の薪を割らねばならないので、まずはこの状況を抜け出す方が先です。前途多難ですが、薪が準備できたので一安心です。

 先週末も忘年会続きでしたが、運んで来た薪を降ろしたり、野沢菜の収穫をして漬込んだりしました。毎日少しずつ野沢菜を収穫したり漬けて行っています。今日も先輩が手伝いに来てくれ、野沢菜をコンテナに3つ収穫してくれました。それでもまだ全体の半分も収穫出来ていませんし、漬けたのは2割位でしょうか。寒くなったので葉が枯れ始め、段々小さくなってきました。早めに漬込んでしまいたいものです。お米の方は、やっと全部の田んぼの脱穀が終わりました。1俵ほど米が増えただけで、何となく安心できる気がするのが不思議です。畑に残った野菜は、ボランティアの人たちが収穫に来てくれ、福島に送ってくれます。そろそろ田畑を片付けたり、来年の計画を立てたりしはじめなくては。

塩田平便り:思ったより大豆が収穫できそうです

 1週間ほど前に初霜が降りた塩田平ですが、その後強い霜も何度か降りました。日によっては夜は氷点下まで下がり、氷が張っています。秋が暖かかったので、例年より良く育っている野沢菜も、何度か霜に当たったので、そろそろ漬け時かもしれません。先週とりあえずひと桶だけ漬けましたが、水の上がりが今一つで、呼び水を差して様子を見ているところです。先週始めた薪割りで、しばらく保つと思ったのですが、ペチカを焚く時間が長く、追加の薪割りが必要になりました。今週も、薪の山を整理して、そのままストーブに入れられる大きさのものを家に運びました。割った方が良く燃えますが、このままでも焚けるので当分薪の心配をせずにすみそうです。

 先週と今週の2度、脱穀しないまま田んぼに残った稲の水分を計ったのですが、残念ながら雨で水分が上がってしまい、脱穀はできませんでした。それならと、大豆の収穫を始めることにしました。大豆も乾燥しないと莢から豆が取れないのですが、お米に比べればはるかに量が少ないので、若干水分が多くても日に干したりするのも簡単です。山の畑に作った大豆は、すっかり鹿に食べられてしまいましたが、家の近くで作った大豆は大丈夫でした。ただ、秋に入って除草の余裕が無く、かなり草に覆われてしまったので、収量は期待出来ないと思っていました。何しろ、横の道を通る時に横目でちらっと見る以上の余裕が無く、畑に入るのも2カ月ぶりと言う困った状態だったのです。

 畑の1/3ほどは、最後にもう一度除草したのでそこだけは少し収穫できるかと期待していました。畑に行ってみると、嬉しいことに、残りの部分もそれなりに実を付けてくれていました。もちろん大した収量ではないでしょうが、味噌を造る位は出来そうです。収穫と言っても、雑草の方がはるかに多いので、刈払機で雑草ごと刈り倒します。刈り倒した雑草をかき分けて大豆を探し出して集めるという、かなり面倒な作業です。労働力はあまり無いのですが、わが家総出で、知人にも手伝ってもらったりして、2日がかりでやっと半分刈り終わりました。段々草の方が増えて行くので、なかなかはかどりません。農協に大豆の脱穀機を借りる予約をしていたのですが、延期しなければなりません。

 冬野菜は順調に育っているようですが、講演などあって忙しく、あまり状況が把握出来ていません。また毎年のことですが、断熱が甘い部分を工事しようと断熱材を買ってあるのですが、工事する間もなく冬になってしまい、凍えているうちに春になってしまう、ということを繰り返しています。特に自分の部屋の床だけが断熱されていない上に家全体の空気の通りから外れていて、あまりペチカの熱が回って来ません。ストーブが無くてもやって行けないことはない程度なのですが、今年こそ断熱材を入れてしまいたいところです。手作りは手間暇かかりますが、大きな目標でもあるので、今年は何とか少しでも進めたいと思っています。

塩田平便り:大失敗の連続の中、玉葱を植え終わる

 塩田平も少しずつ寒くなって、そろそ冬が近づいています。例年なら10月からペチカに火を入れ始めるのですが、ペチカの煙突掃除や薪の準備が後回しになっていました。仕事もそれ以外も、畑も、ここのところ目が回るほど忙しかったのです。予定を入れ過ぎてスケジュールの調整に失敗し、村の自治会の旅行に行き損なってしまい、皆さんに迷惑をかけてしまいました。新しい予定を入れようとして、「あれ、こんな時間取れたっけ」と思った時に確認するべきでした。大失敗です。電子カレンダーでは無意識のうちに予定が消えてしまう危険があることを忘れていました。楽しみにしていた旅行に行き損なってしまい、大変残念でした。

 10月下旬暖かかったので、冬支度は手つかずでした。11月になって寒くなり始めても、ペチカを掃除する時間がありません。10月末から植え始めた玉葱の苗を、寒くなる前に植え終わらないと、来年収穫できないからです。老人達はそれぞれ自分の部屋にガスストーブがあるので、とりあえずそれを使ってもらっていました。玉葱はいろんな方に助けてもらい、旅行に行けず時間が取れたこともあって、先週末で何とか植え終わりました。針のような細い苗も植えたので、全部で1万本弱植えたことになります。早速冬支度に取りかかりたいところですが、稲刈も1割ほど残ったままになっています。まずは稲刈からというわけで、早速様子を見に行って、呆然としました。

 1カ月前まで山の田で首を垂れていた稲穂が全く見当たりません。稲の茎葉は残っているのですが穂がありません。田の隣の畑に植えてあった大豆にいたっては、茎ごと地上から全て無くなっています。全部鹿に食べられてしまったようです。この週末二度目の大ショックです。電柵を張っておいたので機械の様子を見に行くと、電柵は動いています。お隣の田んぼの収穫が終わり、お隣の電柵が撤去されてしまったので、そこから入ってしまったようです。時期的に、山に食べるものが少なくなって来たことも影響しているのでしょう。もっと早く刈り取るべきだったようです。先週末2度目の大失敗でした。

 稲刈の必要がなくなったので、週末に薪割りとペチカの掃除をする時間が出来ました。3年ぶりのペチカの掃除です。前回掃除した時に、それほど煤が溜まっていなかったので、何年かに1度やれば良いだろうと思っていました。煙突の煙の流れを調節するダンパーがうまく動かなくなっていましたので、そこだけ掃除すれば良いと思って、掃除口を開けてみて驚きました。中に煤が一杯です。ペチカは煙突より大きいとは言え、取った煤がゴミ袋に一杯になりました。ダンパーに詰まった煤には掃除口から手が届かず、完全に動くようにはなりませんでした。薪と一緒に燃して、煤を取り除くクリーナーを注文して、様子を見ているところです。

 薪の材料は山のように積み上がっているのですが、1年以上雨ざらしで、乾燥しているか怪しい状態です。幸い製材所で出た建築端材をもらってあります。乾燥材で1年以上放置してあるので、乾燥しています。2メートル近く積み上げてある山によじ上り、焚きやすい大きさのものを探し出し、ペチカの焚き口に入らない大きなものは斧で割りました。秋の夕日はつるべ落としで、薪が用意できたのはコンテナに5箱でした。5箱では今週中に燃してしまうでしょうから、今後の分も早く準備しなければ。針葉樹なので簡単に割れますし、薪割りをしたのは15分ほどですが、久々の薪割りで普段使わない筋肉を使ったらしく、肩の周りが痛みます。日々薪割りに励めば、慣れて痛むこともないということでしょう。

 早速ペチカにこの冬初めて火を入れてみましたが、煙突の通りは上々のようです。そうそう初めてと言えば、先週初めて新米を精米しました。早速いただきましたが、新米はこれまで食べていた古いお米と比べると、驚くほどおいしく、自分でも吃驚しました。もっとも、これまで食べていたのは2年前に穫った古米で、しかも原発騒動で春先に大量に精米してしまい、酸化も進んでいた米ですから、夏以降は自分でもあまりおいしくないと感じていたものでした。農家にとっては米は生命線ですので、古い米も含めて食用も籾用も備蓄し、常に1年分程度の余裕を持ちたいと思っています。そうすると、常に1年以上前の米を食べることになるわけですが、1年以上の備蓄が出きることの方がありがたいことだと思っています。

塩田平便り:引き続き玉葱一色の日々

 塩田平の周りの山々も、すっかり紅葉しました。残念ながら先週も出張や行事が多く、たまに塩田平に居ても曇りや雨が降ったりで、紅葉も今ひとつくすんでしまっていました。でも昨日今日は日も射し、作業の合間に紅葉を楽しむことができました。段々気温も下がって来ますが、冬支度はこれからです。ストーブの用意やペチカの掃除をしなければなりません。早くやった方よいと思い続けながら、まだいいか、と手つかずです。寒くなって慌ててやるのが、毎年のことなのです。薪割りや薪の整理もこれからで、先が思いやられます。

 幸い薪自体は、いろんな方からいただいて山のように積み上がっています。切ったり割ったり乾かしたりが必要ですが、1年以上積んだままの製材端材の山があるので、当面寒い思いをする心配はありません。近くの畑に片隅においてあるので、ちょっと片付けて、家の方に運んでくるだけです。だからいつでも出来ると思っていると、だんだん寒くなって来ました。玉葱もまだ植え終わっていないし、どっちからやろうか、というところです。玉葱は、高校の先輩も手伝いに来てくれ、半分強植え終わった感じです。今の感じでは、準備した畑がやや不足する気もしますが、玉葱の苗は掘り取って植えてみるまで何本あるか分かりません。植え終わってみれば足りているかもしれません。

 とにかくせっせと玉葱を植えることです。明日も手伝ってくれる人が来てくれるので、少し進みそうです。畑の他の作物も順調に育ってくれています。小カブの間引き収穫が始まり、法蓮草も大分大きくなりました。キャベツは大きくなり過ぎるほどです。大根も普通の大きさに近づいて来ました。大根や白菜は保存して冬中いただきますので、あまり早く大きくなってもらっても困ります。気温が下がるまでは保存できないし、畑に置いておくと、大きくなり過ぎてスが入ってしまうからです。それに、大根は大き過ぎると保存性も下がってしまいます。秋の気温が高めなので、大きくなり過ぎる方が心配になって来ました。

 11月に入ってもそれほど気温が下がらず、本格的な霜もまだです。それでも夜の気温が下がって来たので、寒さに弱い南瓜や薩摩藷を屋内の比較的暖かいところに整理しました。全部で300キロほどあります。もちろんわが家だけでは食べきれません。原発被災地への支援物資として、定期的に送る予定です。もう少し余裕があれば、夏野菜を片付けて、佃煮にしたりしたいのですが、当面スケジュールがびっしりです。もう何日か霜が降りなければ何とかなりそうですが、こればかりはお天気任せです。暖か過ぎても冬野菜が育ち過ぎてしまうので、天に任せて文句を言わないのが一番のようです。

玉葱最初の畑の植え付け完了

 今日で玉葱の植え付けも3日目です。諏訪に住む高校のK先輩が手伝いに来てくれました。父と3人で植えます。

玉葱を植える父とK先輩

 昨日掘り取って、父母に分類しておいてもらった苗も良い苗です。品種はアマガシ2号です。

玉葱の苗

 午後は出張だったので、午前中だけの作業でしたが、1つの畑は植え終わりました。

この畑は植え終わりました

 育苗している畑では、アマガシ2号は大袋を2袋蒔いたのですが、標識が風で飛ばされたりして、どこの何を蒔いたかあいまいになってしまいました。念のため畝を分けて植えます。最後の短い畝は2カ所目の苗を植えました。大きさ別に植えるので、1カ所目の苗を植えた最後の畝は小さな苗ばかり。次の畝は大きな苗で、見た目もずいぶん違います。

最後の短い畝は大苗を植えた

玉葱の元肥散布

 やっと肥料散布まで辿り着きました。玉葱は5畝位作るので、肥料も沢山要ります。反当成分量で、窒素25キロ、リン酸30キロ、石灰分として牡蠣殻を40キロ、それにセシウムの吸着を少しでも阻害するために、草木灰を20キロ撒きます。実物は、油粕とグアノです。油粕には窒素が5%、グアノにはリン酸分が23%、石灰も30%含まれています。

肥料は2日前に運んでおきました

 ライムソワーと言う、石灰を撒く道具を耕耘機で引っぱり、肥料を撒きます。

耕耘機でライムソワーを引く

 前は20キロの肥料袋を抱えて振り回していましたが、広い面積は大変です。ほとんどの野菜は、雑草を刈って鋤込めば、油粕だけで作れますが、玉葱はリン酸分が必要で、酸性も好まないので、アルカリ資材も必要です。広い畑に何種類も撒くのも大変ですし、肥料を大きな容器で混ぜ合わせて、撒くためにまた袋に詰め直すのも大変です。ライムソワーの中で混ぜてそのまま撒くので簡単ですし、座っていれば耕耘機が引っ張ってくれます。均等に撒けるので作物も良くできます。

ライムソワーの後ろに撒かれている肥料

 ただ、設定を間違えると撒いた量が少なくて2度撒かねばならなかったり、沢山撒いてしまって肥料が足りなくなったりします。今回もちょっと多く撒き過ぎてしまい、肥料が足りなくなったので途中で補充しました。

肥料補充のため蓋を開けたところ

 残念ながら1枚の畑に撒き終わる前に暗くなってしまいました。残りは明日の作業です。