なんと麦の種蒔きが終了

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 来年減反なので、2枚の田んぼで麦を作る予定だったのですが、稲の全面倒伏による稲刈の遅れで手が回っていませんでした。

 10月も終わってしまうので、一昨日から稲刈をお休みして麦作りの準備に入っていましたが、天気予報で今日は雨。最初午後からだったのに午前中からになってしまい、少しでも終わらせようと5時に起きて作業をはじめました。

 トラクターで起こし終わったのが9時。それから初めて使う播種機の取り付けをはじめたので、種蒔きまで辿り着かないと思っていたのですが、3時頃までほとんど雨が降らず、何と2枚とも種蒔きが終わってしまいました。

 あわよくば稲刈も、と思ったのですが、直後から本格的な雨になってしまいました。麦の種蒔きが終わっただけでも大変ラッキーでした。

播種機を整備する

 減反田を耕し終わったので、やっと麦の種蒔きです。今日は朝から雨の予報だったのですが、幸いたまに霧雨が降る位で、5時起きで9時に耕し終わりました。天気はもう少しもちそうです。雨になる前に種蒔きに取りかかりたいところですが、その前に播種機の整備です。泥縄で困ったことですが、大馬力で整備を始めました。

 麦の種蒔きは、大面積になると手蒔きでは大変です。ばら蒔きしてしまえば簡単なのですが、除草ができません。慣行農法なら、除草剤を撒いてしまえばお仕舞いでしょうが、毒を撒きたくない有機農法では、除草しやすいように条蒔きします。

 3年くらい前に中古の播種機を買ったのですが、その時1度も使わないまま人に貸してそのままになっていました。去年大豆を作った時も、播種機があればなあ、と思ったのですが、蒔き遅れそうだったので手蒔きしてしまいました。麦蒔きは大豆ほど簡単ではないので、お願いして播種機を返してもらいました。

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 これが播種機です。

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 トラクターのロータリーの後ろに付けて、砕土しながら種を蒔いて行きます。

 もともとは4連、つまり播種ユニットが4つ付いた4条蒔きの機械です。ただ、4条ですと、条間が最大でも35センチにしかならないので、管理機で除草するには狭すぎます。知人は2連で使っていたようですが、播種時間節約のために、3連にしてみました。友人が外したユニットは畑にシートをかけて置かれていたのですが、残念ながら激しく錆びています。1台付けてみたのですが、回転部が動かず、かなりの整備が必要そうです。残った1台に交換してみたところ、幸い何とかなりそうです。

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 均等な幅にしたいところなのですが、真ん中は播種機構駆動用の車輪が付いていて、ユニットを真ん中には付けられません。幅が狭い方は55センチ離すのが精一杯です。初めて使うので、種がどの程度の幅に播かれるのかもわからないので、これで除草できるか謎です。家にある管理機の幅が60センチで、70センチあれば除草できることは分かっていますが、条間が狭い方が収量が上がります。端の爪を外せば除草幅は少し狭く出来ます。

 播種機を使うのも初めてなので、今回は55センチと60センチの条間にしてみました。トラクターがUターンした時の幅を70センチにすれば、3種類の条間を試すことが出来ます。時間が無いので往復の幅を正確に維持できなくても、70センチなら余裕があります。

 ただ、プラスチック部品があちこち割れています。このままでは種を蒔く前にバラバラになってしまいます。エンジニアリング・プラスチックでしょうが、農機のように力がかかる装置は厳しいようです。もっとも、複雑な機構の播種機が古くなっても動いてくれるのも、固体潤滑や錆びないプラスチック部品のおかげでもあり、あまり文句は言えません。

 いずれにせよ、全く注油されていないようなので、そこら中に注油して、割れた部品はとりあえず紐で縛るなどの応急処置でごまかし、早速テストにとりかかりました。

 2回耕してはありますが、ロータリーでさらに土を細かく砕いたところに種を蒔いて行きます。ロータリーで耕したい深さにすると、播種機が中に浮いてしまい、種が蒔けません。播種機にも調整機構があるのですが、一杯に下げても地面に届かないのです。この春から使っているトラクターですが、譲ってもらった時の状態のまま使っていたのですが、よく見るとあまり良い調整ではありません。3点リンクやロータリー自体を調整し直しました。

 ロータリーの高さを調整する尾輪も播種ユニットに当たるようです。尾輪が無くても、面倒ですが油圧で高さは調整できるので、尾輪は外して、播種機の位置も一番前に変更しました。これで種が蒔けそうです。ここまでで2時間かかってしまいましたが、幸いまだ雨は降ってきません。

 減反田に持って行き、麦の種子を入れて試し蒔きをします。農機は仕事が速くてありがたいし、作業機を付け替えれば色々なことが出来て大変助かるのですが、作業機の交換や調整に非常に時間がかかります。それでも全体の時間は大幅に短縮されるので、文句を言うべきではないのですが、気分的に調整の時間は短くしたくなります。

 実はこの調整が非常に大事です。特に播種量はちゃんと調整しないと、途中で種が無くなってしまったり、大量に余って蒔き直しになったりします。播種ユニットに、蒔きたい量にするにはどうすれば良いか書いてあります。目安にはなりますが、そのまま信用するわけにはいきません。種子の大きさや形状、ユニットの経時変化などで実際の播種量が大きく変わるからです。

 播種ユニットの調整は容量(1反当りのリットル)ですが、麦の栽培基準は重量です。実際の種子で麦の比重を計って計算します。米と同じで、1リットル0.84キロ(150グラムで1合)でした。反当播種量から、トラクターが端から端まで走った時に蒔くべき量を計算し、それぞれの播種ユニットに入れて蒔いてみました。

 1つのユニットは、種を播種機構に送るシャッターを開けた途端にザーッと種が落ちて行ってしまい、あわててシャッターを閉めました。種を押さえるブラシの調子が悪いようです。他のユニットのブラシと交換して、テスト再開です。

 1列蒔いてみて、播種量を調節し、また1列蒔いて調整します。大体大丈夫になったところで、本番に移ります。テスト中に蒔き過ぎで種が無くなってしまったところは、どこまで蒔けたか分かりませんので、芽が出たところで追い蒔きすることにしましょう。

やっと種蒔きが一段落してつむじ風に出会う

 塩田平もちょっと涼しくなってきました。昼頃農作業をしていてもあまり汗をかかずにすむこともあります。種蒔きが遅れているので、日中も作業できるのはありがたいことです。でも週末は暑く、汗で下着がびしょ濡れになってしまいました。種蒔きは軽作業なので、これ位の気温なら耐えられるのですが、問題はここのところ1週間ほど、全くと言っていいほど雨が降らないことです。天気予報でも今後も1週間以上雨の気配がありません。週末に知人が手伝ってくれ、何とか白菜の種蒔きまで漕ぎ着けたのですが、雨が降らねば芽が出ません。芽が出なければ無理して種蒔きした意味が無くなります。

 白菜は畑にマルチというポリエチレンシートを張って作っています。生育促進と雑草の抑草、それに肥料の有効利用と、良いところが多いのですが、マルチ張りが大変です。薄いシートなので、風が吹くと特に大変です。普通は外周に溝を掘って裾を全周土に埋めるのですが、結構重労働です。わが家では省力化のためにマルチ押さえという大きなプラスチックの画鋲みたいなもので土に止めています。これをたくさん刺さないと風でめくれてしまいます。資材費もそれなりにかかりますし、剥がす時の回収も面倒です。マルチャーという、マルチを張る機械があるのですが、高いし、畑を徹底的に耕しておかないとうまく動かなそうなので、これまでは関心を持っていませんでした。

 たまたまネットの動画で、手で引くタイプのマルチャーを使っているのを見かけました。うまく張れています。さすがに畑は良く耕してあります。白菜を作るのはジャガイモの後です。ジャガイモを高畝で作った跡なので、平らにするために普通よりしっかりトラクターで耕します。雑草も少なめで、マルチャーで引けるかもしれません。管理機で引っ張るタイプの動画も探して見てみました。簡単そうです。オークションで探してみると、安価なものがあります。部品が足りないそうですが、他の農機から外せば何とかなりそうです。つい購入してしまいました。ただ、マルチャーを引くためと、その準備をするための管理機が両方ともパンクしています。

 手伝ってくれた知人と、農機のタイヤのパンク修理から始めました。3つもパンクしています。古くてボルトが錆び付いているタイヤでは、3本もボルトを切ってしまいました。でもチューブを交換して使えるようになりました。2日目は2人でマルチャーの試運転です。幅の広い畝に張ろうとしていたのですが、そのマルチャーでは少し狭い畝にしか張れないことが分かりました。抵抗が大きいとうまくいかなように思っていたので、管理機で畝の両側を削りました。管理機で引くにはかなりコツがいることが分かりましたが、何とか張れました。2つ目の畝ではマルチをちぎってしまいましたが、張ることは張れました。ただ、両側をあまりうまく土で押さえられません。

 3つ目の畝は両側の削り方が足りなかったようで、マルチャーが畝の両側を削りながら移動します。ところがこの方が、マルチの裾がうまく土で押さえられるのです。抵抗が無いようにと、畝の両側を削ったのがいけなかったようです。ここまでで、お昼になってしまいました。午後はすごく暑かったので、午後は日陰で薪の整理をし、涼しくなった頃に、少しだけ買った白菜の苗を植付けました。翌日夕方、少し早く帰ってようやく白菜の種を蒔きました。大分時期外れになってしまったものの、これで一安心、と言いたいところですが、翌日も雨が降る気配がありません。正直なところ、すぐに芽が出ても、もう間に合わない可能性が高いのですが、もう1週間雨が降らなければ絶対に白菜が巻きません。その前に寒くなってしまうからです。

 作物に滅多に水はやらないのですが、仕方ないので炎天下水をやりました。早起きして始めたのですが、種蒔きの後マルチを押さえるために管理機で溝を掘ったりしたので、遅くなってしまいました。本当は朝晩の涼しい時間帯に水をやるのですが、種なので多少は大丈夫でしょう。幸い用水路の隣の畑なので、水はバケツで汲めます。最初はじょうろで水をやったのですが、マルチを張っているので穴に入るのはごく一部です。面積が広いので水の量も時間もかかります。仕方ないので1株ずつ容器に汲んでやることにしました。管理機の溝掘りで畝間を削ってマルチの裾に土を載せながら、種の穴にも覆土するという、超手抜き作業です。ゆっくり水をかけてやらないと覆土が水に流されて種が浮かび上がって来てしまいます。

 気をつけなければならないのと、広い畑なので、午前中一杯かかってしまいました。暑い日だったからでしょうか、突然「ボン」と音がしたかと思うと、目の前で空気に小さな渦ができました。ぐるぐる回っているうちに縦に伸びて行き、小さな竜巻のようになりました。つむじ風です。横に移動して行って、マルチの上に来ると、マルチが吸い上げられます。段々渦の周りが大きくなって、すり鉢型に空気が回っています。4本のマルチを張った畝を横切って、掘り残しのジャガイモの畝の上でしばらく回っていましたが、そのうち中心の渦が消えてしまいました。しばらくは周りの空気が回り続けていましたが、そのうち止まってしまいました。

 それほど大きくはありませんでしたが、自分で見た中では一番大きく、こんなに近くで見たこともありませんでした。もう1畝、まだ白菜の種に水をやっていませんが、暑くなったこともあり、家に帰りました。夕方まで仕事をして、暗くなり始めた頃白菜のことを思い出しました。水をやるのは良いのですが、芽が出ても1週間降らなければ枯れてしまいます。実は先週、白菜以外の野沢菜や冬菜、春菊、法蓮草などを、残った畝に袋から直接バラ播き、トラクターで土とかき混ぜる、という超大胆な方法で、1時間ほどで全部蒔いてしまいました。こっちの畝も、ごく一部ですが、芽が出始めています。これもみんな枯れてしまうでしょう。

 仕方が無いので用水からポンプで畑に水を入れることにしました。ところが何年も使っていないので、ポンプのエンジンがかかりません。もう1台も壊れたままで、確か交換部品があったはず・・・。などやっているうちに暗くなってきました。ポンプは明日の朝何とかすることにし、とりあえず残った畝に水やりに行きました。半分ほど水をやったところで、なんと予想外の夕立が来ました。もうほとんど暗かったので、畑を片付けて家に帰りましたが、幸いなことに結構長く降ってくれました。これで芽が出ても安心です。種蒔きが10日は遅れているので、近所の人も心配してくれています。予報では秋の気温は高いそうなので、何とかなると期待しているのですが。

中国製の刈払機

 農機で一番よく使うのが刈払機だそうです。わが家の場合は雑草を気にしないと言うか、二酸化炭素固定のためには緑を残したいと思っているので、他の人より出番が少なくなっています。それで雑草に覆われて失敗してしまうこともままあるので、本当はもっと草を刈るべきなのかもしれません。

 それはさておき、よく使うからか、比較的不調になります。わが家には台数だけは5台以上あると思うのですが、一番新しい機械は研修生に貸していたらガタガタになってしまいました。エンジン全体のオーバーホールが必要な状態です。多分リングがスカスカ。こんなにするのは難しいのですが、使い方が悪いとあっという間にこうなってしまいます。

 他の機械もみな不調。整備自体は難しくないのですが、その時間が取れません。僕が使っていた機械は問題無かったのですが、タンクが割れてしまいました。タンクはポリエチレンなので、修理が難しく、交換しかありません。農協に持ち込めば良いのですが、その時間もありません。

 最近低価格品が増えて来たとは言え、安い機種でも2万円位します。安い機種はエンジンが小さいので、小さい刃しか付けられません。25cc前後以上のエンジンで無いと大きな刃は付きません。通販で中国製の刈払機を売っていました。安い。43ccの大きなエンジンが付いていて、1万円しません。つい買ってしまいました。

中国製の刈払機

 刈刃のガードが付いていないのは、割れてしまったためです。安全のために工夫して付けようと思いますが、やはり安物です。見た目はかっこいいのですが、とにかく重い。

 まあ使えないことはないんですけどね。エンジン大きいのですが、回転上げるとすごい振動です。バランス取ってないのかも。手がしびれてしまって長時間の作業は無理。重いのと振動で斜面の作業も危険です。でもそれなりにトルクがあるので、低速で回していてもそれなりに刈ってくれます。ピックアップは悪いが力不足で刈れない時はちょっとスロットルを開ければパワーが(振動も)出ます。

 シャフトが2分割できて収納しやすいとか、スロットルが可動で指先で常に最適の回転に出来るし手を離せばアイドリングになって安全とか、起動用にスロットルを固定できるとか、機能面は良く考えてあります。

 しかし製造技術が・・・。組み立てる途中で、ハンドルを固定するネジを締めていたら、あっさりネジ山が負けてしまいました。軽合金部品なので、工具を短く持ってトルクをかけないようにしていたのに。何とか組付けに成功したので、使えることは使えるのですが。リコイルが固くて全く引けません。固定ネジを緩めたら引けるようになったので、クリアランスか潤滑の問題でしょう。

 あまり傾斜が無い圃場でゆっくり作業するには何とか使えるので、無いよりまし、といったところでした。