バナナピーマンと万願寺とうがらし、テラスにデビュー

 手のかかるペットを飼っている気分で過ごした70日でした。3月初旬に種まきして以来、ヒーターを入れても寒い日は温度が上がらないから電気あんかに取り替え、ポットが大きくなったから容器と電気あんかを買い足す、温泉旅行の際は育苗器を旅館に持ち込む等々、涙ぐましい努力の甲斐あって、晴れてプランターに植え付けるところまでこぎ着けました。

 プランターへの植え方は、他の苗と同じで、根っこをきれいに洗ってから、5センチぐらいにスッパリと切り取り、日向土とココピートをブレンドした土に植えるのです。字で書くとヤヤコシイ手順ですが、慣れるとサササッと30分ほどで完了します。

 とにかく暑い時ですから、手早く作業しないと、苗が萎れてしまいます。植え付け前に十分水やりして、人間で言うと「水で腹がパンパン」状態にしておきます。

 支柱の立て方

 植え付け時は短い支柱で、苗が倒れないようにしておきます。

 苗が根付いて、しっかりしてから支柱を立てます。支柱立ては植え付け直後というのが常道みたいですが、永田農法で日向土のプランターに植える際は、苗が根付いてからの方が良いと思います。せっかく植え付けた苗が、支柱を立てる作業中に根こそぎひっくり返ったり、葉っぱがちぎれたりと、苗にとって嬉しいことがないからです。根付いてから支柱を立てても、同じような事故は起こりますが、しっかり根付いていれば、苗が土から抜けてしまうなどという最悪の事態は起こりません。

 植え付けから約2週間の苗の様子です。強風にも負けないしっかりした支柱を立てました。

バナナピーマン

 

万願寺とうがらし(植付けが1週間遅かったので、仮支柱だけ)

アブラムシ除け

 赤と銀色のテープはアブラムシ除けです。2年前、初ピーマン栽培のときは、ストチュウを撒いても撒いてもアブラムシが付き、収穫に影響はなかったとはいえ、虫が恐い私はとっても嫌な思いをしました。キラキラテープを支柱に縛り付けて育てた昨年はアブラムシに泣かされることなく、楽に収穫を楽しめました。10月末頃になって、なんだかアブラムシが増えたなぁと感じましたが、気温が下がってきて、樹勢が衰え、アブラムシに対抗できなくなった徴でした。ピーマンは放っておくと、いつまでも実を付けているので、引っこ抜くのが可哀想で、片づける時機を逸しがちですが、初秋にアブラムシだらけになってきたら「ご苦労様でした、ごちそうさま」と感謝して引っこ抜きましょう。同じプランターで、土が足りない時は少し足して、ケイカルとカキ殻石灰を入れ、サヤエンドウとスナップエンドウの種まきに備えます。

 このキラキラテープはホームセンターで、安価で手に入ります。色は赤と銀、金と銀の2種類、テープの太さも3種類ほどありました。虫除けグッズは色々ありますが、ピーマンのアブラムシ対策としては、このテープで十分だと思います。ただし、アブラナ科の野菜(芽キャベツや小松菜など)は、アブラムシにとって、どんな危険を冒しても食らいつきたいぐらい美味しい香りがするようで、テープの効果はあまり強力ではありません。でも、ないよりはずっとマシ、複数の手段を駆使した方が効果も高まるので、お勧めです。

植え付けから17日

 立派に育った苗を植え付けてから、1週間は水も肥料もやらず、わき芽を2~3日ごとに掻き取りました。見守りながらも手は出さない。ほったらかしとは違います。

 ちなみに【わき芽を掻き取る】というのは、本葉(見るからに本葉!)というしっかりした葉をつけた茎の根元から出てくる【新芽】を手で折り取ることです。【掻き取る】という表現を使うのは何故か? やってみると分かります。

 手で折り取るのは、ハサミを使って病気をうつさないため。煙草を吸う人は、石けんで手を洗ってからしないと、タバコモザイクウイルスという致命的な病気をトマトに罹患させることになるので、要注意。トマトの近くでタバコを吸うのもやめましょう。

 1週間目に初めて液肥水(住友液肥2号を600倍に希釈したもの)を株の根元にたっぷり与えました。たっぷりとはどれくらいかというと、6リットルのじょうろに作った液肥水を6株に与えるとじゅうぶんという感じです。つまり、1株の根元に1リットルも水をジャボジャボ与えることになりますので、一回では吸い込んでもらえません。6株に一巡りしてから、もう一巡して、じょうろが空になりそうかなというぐらい与えます。

 なんという水の多さ! なんという大ざっぱさ! と驚かれるでしょうが、横90センチ、奥行45センチの畝にミニトマトを3株、150センチ×90センチの畝に大玉トマト1株と中玉トマト2株を植えて、大玉中玉で数十個、ミニトマトは300個の収穫を目標としていますので、トマトに含まれる水分量を考えてみれば、この程度の液肥水を1週間か10日に1度与えるだけで実が膨らんでいくというほうが奇跡に近いと思います。

 植え付けから17日が経ちましたが、液肥水を与えたのは2回だけ。トマトに関しては、水やりは一切せず、葉っぱが萎れてきたなと思った翌日ぐらいに液肥水をジャバジャバに与えることにしています。

 根っこを短く切り、過酷な条件で植え付けられた(永田農法に馴染んだ私自身は過酷だとは思っていませんけど) 苗は、既にしっかりした健康的な実をつけ、大きく育っています。

 大玉トマトは手のひらにずっしりと重みを感じます。【桃太郎ギフト】という【桃太郎シリーズ】最新品種の接ぎ木苗です。

5個着果したうち、1個を摘果

 

 【フルティカ】という中玉トマトの接ぎ木苗。昨年の【フルーツトマト】より、実付きがいいみたいです。

緑が濃く、強健な印象の中玉

2株とも、9個着果しています

 

 「実付きがいい」なんて、専門家みたいな表現を使っていますが、実はそんな高尚なものではないのです。トマト苗を植え付けるのは、1段目の花が確認できてからと決めています。植え付ける際に、根っこをバケツの水に浸して洗ったり、切ったり、広げたりと、株をいじくり回すことになるので、必然的に1段目の花やつぼみは痛めつけられることになり、何個かちぎれてしまうという結果になります。ちぎれないように丁寧に作業すれば良いのですが、スピード勝負という面もあるので、クソ丁寧にしすぎるのも良くないかなぁなんて思ったりしながら、大ざっぱな性格丸出しの作業を行っております。

 大玉トマトは1段目に着果しないと、2段目3段目も着果せず、葉っぱばかり茂る「ツルぼけ」という状態になるそうです。名前からして、ヤですよね、ツルボケなんて。てなわけで、大玉と中玉は特に、1段目の花を見たら、アイシャドー用の筆(もちろん100円ショップもの)で、花をコショコショくすぐります。ホルモン剤のスプレーを吹き付けると、確実に着果するそうですが、薬の世話になどなるものかと、筆でコショコショ。以前は、105円の筆を買う(お金ではなく)手間を惜しんで、指先で、ピシッとはじいたりしていました。この指先ピシッも有効ですが、勢い余って、せっかくついた花が飛んでいくということが何度も何度もあり、永田農法3年生の卒業祝いとして、筆を購入した次第です。【筆でコショコショ】の甲斐あってか、はたまた桃太郎ギフトとフルティカの威力か、1段目にして満杯状態の着果を見て、今年のトマト収穫の成功を確信したのです!

 

 ミニトマト、プチトマト、まだどちらで呼んで良いのかも分かりませんが、大玉や中玉のように着果の心配がないということで、植え付けの際の扱いが、非常に荒っぽかったのでしょう。3株のうち、1株の1段目は、花芽が1つしか残っていないという有様。しかししかし、接ぎ木苗の強さはすでに見てとれます。

 2年続きでお安い価格のわりに丈夫な【アイコ】(1株98円ぐらいだったかな・・・)を育てましたが、遂に連作障害でネコブセンチュウが発生。そこで今年は涙をのんで1株175円也の接ぎ木株を3株買いました。品種は以前から狙っていた【千果】。名前が良いですね。1株から千個採れるってわけではないでしょうが。中玉トマトと共に【鈴なりのトマト】を収穫できるという期待でワクワクしています。

中玉のたくましさとは異なる、可愛い小粒トマト

今のところ2株ともに8個着果を確認

 

 びっしりうぶ毛が生えているのを見てください。(トマトに「うぶ毛が生える」っていう表現、ちょっと可笑しい)うぶ毛は日に日にしっかりしていき、大きく育つ頃には素手で触ると手がチクチクするほど、たくましい毛(?)になります。これは元気一杯の証拠。我が家の【世界一のトマト】は、病気知らずなのです!

 

 昨年の収穫は、大玉トマト1株で14個、中玉トマト2株で13個、プチトマト3株で242個でした。

 今年の目標は、同じ株数で、大玉トマト30個、中玉トマト100個、プチトマト300個。

 この目標を達成するために、ある裏技を使うのです!!!

トマト苗の植え付け

畝立て

 永田農法では、トマトの植床はできるだけ高畝にするのが理想的です。とはいえ、ウチの畑はたった一坪で、8月初旬には全体が人参畑になるので、9月いっぱいまで収穫が続くトマトのスペースはありません。そこで、テラスと畑の間のすき間に植えることにしています。

 奥がプチトマトのスペース。横幅90センチ、奥行45センチの畝ができます。砂利を敷いてあるところがトマトのスペース。150センチ×90センチの土に畝を立てます。

普段は泥はね除けに砂利を敷いている

 

 プチトマトのスペースは、前年、ネコブセンチュウにやられ、土の状態は最悪でした。苗にかけるお金をケチって、2年連続で【接ぎ木苗でない】普通の苗(価格は接ぎ木苗の25%)を植え、6ヶ月も収穫したので、連作障害が出ない方がおかしい。それにしては美味しいプチトマトがいっぱい採れたなぁと感心しつつ、若干の反省を込めて土壌改善に励みました。努力の甲斐あって、プチトマト用の土もフカフカになっています。

プチトマトのスペース

 

ネコブセンチュウの被害

 

 植え付けには、曇りの日を選ぶのがよいでしょう。根っこを切って植え付けるのは苗に負荷をかける作業ですし、私自身、日焼けがイヤ、暑いのがイヤなどと色々な理由があり、カンカン照りの日は避けたいのです。日にあたるのが苦にならないという方でも、苗を切って植え付ける際には、自分の背中に太陽が当たって苗が陰に入るよう、気をつけた方がよいと思います。

 

 苗を水に浸す

 作業を始める前に、忘れてならないことがあります。苗にザブザブ水やりをして、受け皿にも水を溜めておきます。水を張ったバケツに浸しておくのが一番。ただ、苗の数が多い時は、バケツが足りなくなりますから、そこは臨機応変に。ともかく、水やりは作業の2~3時間前にするのが良いと思います。根を切って植え付ける前に、しっかり苗に水を吸収させることで、植え付け後の苗の健康状態が大きく変わります。

 植え付けの日、朝起きたらすぐ、苗にたっぷり水をやります。のんびり朝食を食べて、洗濯して、水やりから約3時間後に作業開始です。

 砂利を竹箒で掃き、土を顕します。

砂利を除けた

 

防草シートをめくる

 

 固まった土を三角ホーで耕します。

三角ホーで土を耕す

 クワで耕すのは力が要りますが、三角ホーならさほど力は必要としません。私は三角ホーやシャベル、移植ゴテなどを使い、あまりクワを使いません。道具は自分の体力と土の広さに合わせて選ぶのが何より。永田農法では、基本的に土を耕す必要はないとのことですが、我が家のように、トマトのシーズンだけ土を利用し、普段はさんざん踏みつけて土が硬くなっているという場合は、水はけを良くするために、耕す方がよいと思います。

 耕した土に、珪酸カルシウムとカキ殻石灰を撒きます。トマトはカルシウム不足になると実が割れたりするそうなので、ちょっと多めかなと思うぐらいに撒いておきます。

土に定量のケイカルとカキ殻石灰

 

 土の面積が小さい場合は、それなりに小さな道具の方が使いやすいと思います。100円ショップで買った小さなシャベルは、土を混ぜたり畝を立てるのに大活躍です。

100円ショップのシャベル

 

 毎年同じサイズの畝を立てるのですが、メジャーで測って、サイズを再確認します。

畝のサイズを確認

 畝を立てた後は、液肥水(約600倍の希釈液)をじょうろで撒いておきます。

 

 マルチフィルムを張る

 黒地に銀色のストライプが入ったマルチフィルムを張ります。買い置きしてあったと思ったマルチが足りず、急きょ、黒いゴミ袋で代用することになりました。マルチを張った後、苗を植える箇所にカッターナイフで切り込みを入れます。マルチを苗の大きさにくり抜くためのグッズも1000円以下で手に入りますが、家庭菜園規模ならカッターナイフか、金属製の移植ゴテでバッテンに切り込みを入れるだけで十分です。

マルチに切り込みを入れる

 切った穴に、たっぷり液肥水を施しておきます。プチトマトの畝は完成です。

 

  次は大玉トマトと中玉トマトを植える畝を作ります。土の広さは150センチ×90センチ。赤玉土を足して、できるだけ高い畝を立て、珪酸カルシウムとカキ殻石灰を撒きます。

畝を立てる

 

 液肥水をたっぷり撒き、マルチフィルムを張って、カッターナイフでバッテンに切り込みを入れる。

マルチに切り込み

 

 切り込みを入れた穴に液肥の600倍希釈液をたっぷり施します。マルチの表面に水がプワーッと広がるのが見てとれます。

液肥水を施す

 

 植え付け

 苗の植え付けは、プチトマトも大玉・中玉トマトも同じです。

  マルチの切れ目に移植ゴテを差し込み、ポットと同じくらいの土を取り出します。土はすぐに使うので、マルチの上に置いておきます。切り込みの穴の中心部に土を盛り上げるようにします。湖に浮かぶお山のイメージです。

穴を掘る

 

 根切り

 さて、ここからが永田農法の真骨頂! 楽しい根切り作業にかかります。

 まず、バケツに水をいっぱい入れておき、苗の土部分をどっぷり漬けて、土をすべて洗い落とします。

根がしっかり張っている

 

洗うとこんな具合

 

 根っこを約5センチ残して、スッパリとハサミで切り取ります。

切った根っこ

 

 再び根っこをバケツに漬けて、きれいに洗いながら、根っこが放射状に広がるようにします。

根っこを広げる

 この作業はとても大切なので、丁寧にした方がいいです。根っこを長く残したり、土がたくさん残っていたりすると、後の成長を阻害することになります。実際に根っこを洗わないで植え付けた苗は失敗に終わっていますので、やるならしっかりやる!という覚悟で、根切りしましょう。

 

土に植える-花の向きに注意

 土におく際は、必ず花が手前に(通路側)来るようにします。トマトの花は同じ側につきますから、反対向きだと、受粉や収穫作業がしにくくなります。

花が手前に来るように注意

 

 支柱を立てる

 太く長い支柱を(説明のため、本支柱と呼びます)立てるのですが、時間の都合により今日の作業はここまでです。(一気に作業を済ませたほうが良いかもしれませんが、苗が小さなうちはあわてて本支柱を立てることもありません。大きくなるまでにしっかりした支柱を立てて、雨除けをしますが、この作業に少々時間がかかります)

 根っこがしっかりしていない苗が倒れないよう、仮支柱を立てて、ゆったりと留めておきます。 仮支柱を取り外さないのなら、麻ひもで留めましょう。私は本支柱を立てたら、仮支柱は取り除くので、ワイヤーを使います。

仮支柱を立てる

 

ワイヤーでかるーく留める

 

 最後に、植え穴に液肥水をたっぷり施し、マルチフィルムの上の泥を洗い流しておきます。

できあがり

 

 植え付け前にしっかり水を吸わせているので、約1週間、水やりの必要はないと思います。お天気にもよりますが、曇り時々晴れという予報ですので、心配していません。あまりに乾燥して萎れてくるようなら、液肥水をやることにして、経過を見ます。

早い者勝ち! 良い苗をGET!

 夏野菜の苗がホームセンターで売り出されています。カラー写真の入ったチラシを見るだけで、ソワソワしてしまう季節です(*^_^*)。

 ホームセンターに行くと、トマト、キュウリ、ナス、ピーマンを始め、とうがらしの種類も色々あります。冬の寒~いときから必死で万願寺とうがらしの加温育苗をしていた私は、見事に育った苗を見つけて愕然としました。今までのワタシの苦労はなんだったの・・・。万願寺とうがらしは6株ぐらい植えたいから、苗を買うとしたら1ポット198円×6で1188円、えーっと・・・手作り加温育苗器の材料費は半分まかなえることになります。コスト的に私の苦労は無駄じゃなかったかな。

 緊急のトピックはトマトの苗についてです。トマト苗の植え付けは、ゴールデンウィークが最適。気温が上がらない時期に買った苗は小さくて育ちが悪いから、4月末ぐらいから購入するのがよいといわれますが、私は遅くとも植え付けの2週間前には苗を買いに行くようにしています。特に永田農法でトマトを育てる場合は、早く苗を購入することをお勧めします。

 理由を挙げていきましょう。トマト苗が店頭に並び始めた時期なら、小さくて健康な苗を選ぶことが出来ます。家庭菜園ブームの昨今、ゴールデンウィークにもなると、良い苗の取り合い状態になります。大勢の人と押し合いへし合いしながら、苗を選ぶのは大変。ド根性を出して苗をじっくり選べたとしても、良い苗は朝一番に来た人がかっさらっていくらしく、とにかく探すのが一苦労です。なによりも、永田農法では根を短く切って植え付けるので、根張りが不十分だと(特に関西の気温では)育たないという危険性をはらんでいます。

 そこで、早めに良い苗をゲットしておき、自宅で一回り大きいポットに植え替え、良い環境で苗を充実させるのが成功への秘訣なのです。ホームセンターで小さなポットに入れられ、窮屈な思いをして2週間過ごした苗と、ゆったりした間隔、大きめのポット、風通しと日光を十分に確保して同じ期間を過ごした苗、どちらが元気一杯か、見るまでもないことです。

 見るまでもないと言いつつ、見てみましょう。

買ってきた苗

植え替え後

 今日、ホームセンターのチラシを見て、朝一番に苗を買ってきました。一回り大きな、黒のポットに【さし芽種まきの土】で植え替えます。ポットの色は、地温を上げるため、黒にします。

 買ってきて、すぐに植え替える暇がなければ、しばらくそのままにしていても大丈夫です。突然冷え込んで、朝霜がかかることのないよう、屋根のある所に置きます。

 我が家はテラスにスモークの屋根をつけているので、日光は強すぎず弱すぎず、よい加減になっています。(この屋根は、蘭のためにつけたのですが、野菜の苗置き場としても最適だといまさらになって喜んでいます。)後は土が乾きすぎないよう、様子を見ながら水やりをします。水やりと平行して、植え替え数日後から植え付けまでの間、住友液肥の希釈液を週1で与えます。これで、安心して他の作業に集中できます。

 さあ、これを読んだら、急いでトマトの苗を買いに行きましょう!!

 ちなみに、この、苗を買ってきてから自宅で大きくして植え付ける方法は、『はじめての野菜づくり12ヶ月』(坂木利隆氏著、(社)家の光協会発行)で学びました。

 いま坂木氏のお名前を書き込んでいて思いだしたのですが、『NHK野菜の時間』4月号テキストに坂木氏が紹介されていました。「野菜は趣味ではない。実益である」という坂木氏の理念は私の【どっさりがっつりコスパフォ】と同じ考え方です。『はじめての野菜づくり12ヶ月』には100種類の野菜の育て方が絵入りで紹介されている、私のバイブル書なので、その著者が野菜は実益だとおっしゃっていることに、なんともいえない驚きと喜びを感じています。

 

 

加温育苗と胚軸切断挿し木法の結果

3月に種まきしてから、手塩にかけて育て上げた苗がどうなったか、見ていただきます。

 前回の撮影から約2週間、小さなポットに移植(鉢上げと呼ぶそうです)して、バナナピーマンと万願寺とうがらしを1つの容器に入れていました。

混合で収まっていた

 

さらに2週間経ち、もう少し大きめのポットに移植しました。そうなると、最初に作った加温育苗器が寿司詰め状態になり、こりゃぁいかん!と泡喰って、100円ショップに駆け込み、苗の成長に合った加温育苗容器をこしらえ、バナナピーマンと万願寺とうがらしを分けて入れました。

バナナピーマンと万願寺とうがらし

 

 こうやって分けて見ると、なんとなく苗の形が違うような、同じような・・・。

バナナピーマン

万願寺とうがらし

 

胚軸切断挿し木法、経過は!?

 徒長したピーマン・とうがらし組の若芽を救うため、窮余の策として導入した胚軸切断挿し木法。

 だめだった場合に備えて、種も蒔いておくというへっぴり腰のワタクシ。挿し木をしてからというもの、一日に何度育苗器の温度を確認したことか・・・。心配はなんの足しにもなりませんが、放置して、また徒長したり、芽が腐ったりしたら、さっさと種まきのやり直しをしなければ、5月に植え付けできなくなります。

 光合成が必要なので、昼間は覆いを取って、日に当てなくてはなりません。ところが、2月中お天気がすぐれず、曇天続き。南側の窓際に置いていても、陽が差さなくて、ビニール袋でカバーしただけの育苗器内の温度は20℃近くまで下がってしまいます。

 一方、夜の温度は、毛布や断熱材の袋でしっかりカバーできるので、28℃から29℃ぐらいになります。こんな昼夜逆転の温度帯で、根っこを切り取られた若芽は育つことが出来るのでしょうか。

 また、たまに半日ほど晴れた日中には、育苗器の温度は、なんと、40℃まで上がってしまい、あわてて蓋をあけると、もわーっと水分を含んだ空気が顔にあたったりして、仰天したり・・・。

 ピーマンの育苗が「とても難しい」といわれるのが今になって納得できます。

 

 挿し木してから2週間たち、植物のすごい生命力に感心しました。

 めちゃくちゃな温度変化にも負けず、若芽は生きています。そして、保険に蒔いた種も発芽しています。

い、生きてる!

 この数日、ときどき晴れるので、そういう時は育苗器の蓋を開けて、陽に当てます。蓋を開けても温度は30℃ぐらいまで上がります。そして、曇りや雨の日と夜間はビニール袋を2重にかけて口をしっかり縛っておきます。

 丈夫な苗を育てるには、昼と夜で温度差を作ることが大事だそうです。

 昼間は28℃ぐらい、夜間は18℃ぐらいで最初の25日育て、鉢にあげてから最低温度を2℃ほど下げて16℃で25日、一回り鉢を大きくしてから、また最低温度を少し下げるというように、少しずつ外気温と同じ温度帯に近づけていく、順化という作業が必要とのこと。75日で一人前(?)の苗になるまで、しっかり見守ってやらねばなりません。

曇りの昼間や夜のカバー

 温度調整のできるヒーターなしでは、かなり難しい作業でしょうね。せっかく投資したのだから、頑張って5月下旬までの植え付けを目指します。

 

 ところで、バナナピーマンの栽培についてネットで調べてみると、色とりどりのブログに巡りあいました。驚いたことに、私のように目を血走らせて温度計とにらめっこしている人はあまりおらず、4月に入って暖かくなってから、ゆったりと保温育苗しておられる方が大半でした。

 やるぞと思い立って、『必死のパッチ』(関西ではこういう面白い表現があります)で加温育苗してきたワタクシですが、一歩下がってみれば、家庭菜園のベテランさんのように真冬から育苗しなくても、3月、4月になれば外気温も上がるし、別に5月中に植え付けなくても、6月に植えても十分に育ち、収穫は10月末まで続けられるのだから、何もこんなに苦労しなくても良かったのになーという空しい気持ちになりました。

 手探りの野菜栽培、障害にぶつかるのは仕方ないですから、今回の教訓を生かして、来年はのんびり楽しい加温育苗をしたいと、しみじみ思うのでした。

 

哀れ!ズッキーニ組! もっと光を!!

 ピーマン・とうがらし組に先がけて、3日で発芽したズッキーニ組。ビニール袋で保温して、しっかり育つ予定でした。蘭の棚は全体に大きなビニール袋をかけていて、湿度は50%以上、温度は常に15℃ぐらいに保たれています。お天気の良い昼間は25℃近くまで温度が上がりますが、ズッキーニ組にはちょうど良い環境だと信じて、私の注意はもっぱらピーマン組に向けられていました。(これがイケナイんですよね、いつも)

 ふとズッキーニ組の様子を見たら、せっかく本葉が出てきているのに茎が徒長しています。その上、葉っぱが腐って茶色くなっているものまであります。うわぁーっ、やっちまったー!!!

ズッキーニ-ふにゃりと伸びて

 

立ち腐れの苗も

 日照不足、温度と湿度の高さに堪えられなかったのでしょう。涙、涙。

 まあ、ズッキーニを発芽させるのは、さほど難しくないし、40日ぐらいで植え付けられる状態になるそうですから、3月中旬か下旬に種まきと保温育苗で育てることにします。しかし、貴重な種を無駄にしてしまったのは痛い。

 

 また一つ、教訓。洋蘭の好きな環境が野菜の苗に良いと思ってはイケナイ。