まだまだ間に合う、インゲンマメ

マメ科の野菜について

 マメ科の野菜を栽培するかどうかは、長所と短所を知ったうえで決めれば良いと思います。

 長所:栽培が比較的簡単(種類によります)。肥料をあまり必要としない。害虫の心配がほとんどない。

 短所:栽培期間が長い。連作障害が顕著。ツルや葉が大きくなるので、ベランダ栽培の場合、場所を取りすぎる。

  畑に植える場合、栽培期間が長く、連作できない期間が長い(4~5年!)マメ科の野菜はそれなりに輪作できるサイズの畑が必要です。ということは、我が家の1坪畑にマメ科の野菜は[向いていない]ということになります。

 サヤエンドウが死ぬほど好きな私は、イヤ~ン、食べたいよーと思いつつ我慢しなくてはならない・・・ってことにはなりません。サヤエンドウもスナップエンドウも、収穫期にはしっかり頂いております。なぜなら 、 最近勿体ぶるのが趣味になって ^ ^;プランターなら毎年栽培できるからですあったりまえー。プランターで密植したら、毎年、旬の野菜をたっぷり楽しめますよー。

 永田農法では日向土がメインで、保水材としてココピートを混ぜ込んだ用土を使用しています。私は一つの野菜を収穫し終わるたびに用土を取り替えることはしません。なぜなら、フツーの畑で輪作できるなら、プランターでも輪作できるはずだと考えたからです。

 

《プランターの輪作》

 どの永田農法の指南書にも書かれていませんから、必読(拍手喝采の嵐!)

 畑で輪作できる野菜はプランターでも輪作できるのでは・・・と思ったのが発端・・・というほど考えた訳ではなく、単純に、使用済みプランターの用土を再生する手間を「メンドウだなぁ」と思って試しただけなのですが、まったく問題なく栽培できるということがわかったので、インゲンの項でご報告となったわけです。

 

 土の準備から種まきまで

 基本的な永田農法プランター栽培の準備です。

 種はネットで買いました。ホームセンターで蚊に喰われながら汗だくで説明書きを読むのもイヤなので、ネットで種を販売しているとこが送料無料のときに、各季節の野菜栽培計画立てながら、必要な種を、じっくり検討して購入するというのがお勧めです。

 多収という観点から、つるありインゲンを選びました。

選ばれしインゲンの種

 

 5月6日に種まき。ゴールデンウィークは年に一度の親孝行ウィーク。実家から泊まりに来てもらった母とワイワイ言いながらの楽しい種まきです。実は無理矢理見学させました(^ ^ ;)

 

  土は使用済みのもの

 プランター栽培での輪作は、1年サイクル  前年の夏から冬にかけて葉物を育てていた土を春に種まきするインゲンに使います。インゲンは8月にも種まきして秋に収穫できるので、こちらはミニ人参とラディッシュの土を使います。また、初冬に種まきするエンドウの土は、同年の春から夏の終わりまで栽培していたピーマンの土を使います。(ピーマンの前に葉物を育てていても大丈夫です)

 大ざっぱにいうとうちの輪作パターンは、葉物(レタスなどのキク科葉菜)→アブラナ科の根菜(カブ、ラディッシュなど)やアブラナ科の野菜(芽キャベツなど)→マメ科(インゲン、エンドウなどのマメ科果菜)となります。まだ4年目なので、葉物からマメ科やピーマンなどのナス科に飛んだりしますし、サイクルをしっかり確立するにはあと数年かかりそうです。

 輪作パターン 輪作のパターンは大抵の農業指南書に出ていますが、どんな野菜を毎年育てたいか、家族の好みなどを取り入れて、最終的には【我が家の輪作パターン】を確立するのが何よりだと思います。商業農家とは異なり、プランターの家庭菜園で、手間を省きたいというのが目的ですから、[収穫したら土を入れ替え]という無駄を無くすように考えてみるのが一番ではないでしょうか。ウチの1坪畑とプランター菜園もあと何年か経てば、次はこの野菜、次はこの野菜と、しっかりした輪作パターンができることを楽しみにしています。

 

 使用済み用土の消毒

 ほったらかしにしていた土には、小バエなどの虫がいるので、木酢液を500倍に薄めた希釈液をじょうろでタップリしみ込ませて、消毒しておきます。(そいでも小バエはわいてきますけど・・・)

鉢底石を置いたプランターに古土を移す

 

 珪酸カルシウム(ケイカル)とカキ殻石灰を混ぜ込みます。古土なので、通常より多めです。

ケイカルとカキ殻石灰を混ぜ込む

 プランターサイズは2種類:50×25×深さ20センチ(2条で6箇所に蒔く)と、60×25×深さ20センチ(2条で8箇所に蒔く)

 ふだん使っているプランターは65×20×深さ20センチで、これでもいいのですが、長~く伸びるツルのために、2メートル強という長~い支柱を立てます。いつものプランターでは安定が悪いので、大きめのプランターにしました。いっぱい作って、大好物の若いインゲンを冷凍保存するつもりです。

 種は一箇所に4粒まき、本葉がしっかり2枚出てから2本残して間引きします。

種を置く

 

液肥水をたっぷりかける

 乾燥したら発芽しないので、種の上に湿らせたココピートをかぶせておきます。マメ科の発芽は力強いので、多めにかぶせても大丈夫です。

ココピートで乾燥防止

 

 5月12日、めでたく発芽しました。

発芽

 

 種の元気度か、日当たりの違いかはわかりませんが、発芽直後は成長にばらつきがあります。だから余分に蒔いて、後で間引きするのね~と納得。

生育の遅いコたち

早熟なコたち

 

 支柱立て

 5月25日、支柱を立てました。しっかり組み立てること、下部をプランターにしっかり縛り付けて、分解しないように気を付けます。風が吹いて倒れたらたいへんですから。

支柱をプランターに縛り付ける

 

 6月3日、健やかに成長・・・といいたいところが、下の葉っぱが黄色くなりました。ベウキかなとビビッて、ハサミで切り取りました。土に被さるように葉が茂って蒸れたのか、小バエがかなりいたので、木酢液を薄めてじょうろでジャージャーと消毒。最近は小バエぐらいでギャーギャーわめかず、冷静に対処できるだけの根性がついてきました。

葉っぱが病気?

 

 写真に写っているエアコンは滅多に使わないから、プランターを前に置いても大丈夫です、念のため。

全体像

 

 6月14日、インゲンは緑のカーテンになるんだなぁと感心。プランター栽培だと、ときどき置き場や向きを変えられるので、不公平なく日光浴してもらえます。

伸びた伸びた!

 遠くにかすんで見えるのが六甲山です

いい眺め!

 

ハツカダイコンは野菜作りの基礎だそうです・・・けど。

 今を去ることン十年前、ワタクシが両親のモトでフツーに暮らしていた、とっても素直な女の子だった頃、父がマッチ箱と称していた小さな建て売り一戸建ての小さなベランダで始めて作った野菜、それがラディッシュでした。ラディッシュは小さなベランダのプランターですくすくと育ちました。育つにつれ、赤い実が土に盛り上がって膨らんで行く様子を見るのはとっても楽しく、まるで魔法を見るようでした。ぷっくり膨らんだ頃合いを見て、食べてみると、子供だった私の口には辛くて、舌がしびれたような記憶があります。種まきからしか覚えていないので、プランターや土は母が段取りしたのだと思います。

 ラディッシュは「栽培は簡単」と言われる、野菜作り基本のキの野菜であるのだけれど、【なめたらいかんで】というのが本音です。私はプランターでのラディッシュ作りに成功したことがありません。

 まず、大きくするのが大変。実が丸くなるまでに挫折すること多し。大きくなりかけたと思ったら、虫食い(特にアブラムシと青虫の害がすごい)、やっと育ったかと思いきや、実が小さい、何とか丸くなっても、食べると辛いなどなど、みずみずしいラディッシュを朝食の皿にのせるにはまだまだ工夫が必要です。

たいていはこんな調子

 「それはアンタの野菜作りがヘタやから」という方がおられましたら、どうかコツをお教え下さるよう、お願い致します。

 プランターでのラディッシュ栽培にはまだ自信はありませんが、今年3月に畑に種まきしてみました。その結果、永田農法で、畑に植えるなら、おいしいハツカダイコンを作れると確信したので、種まき準備から収穫までをご紹介します。

  先日のNHK野菜の時間では、ラディッシュは野菜作りの基礎と言っていました。確かに、ラディッシュの種まきから収穫までを押さえておくと、永田農法の基本の流れが理解できます。

  種まき前に、土の準備です。

移植ゴテを垂直に入れて、土をサクサク掘る感じで、耕します。永田農法は高畝をたてるのが原則ですが、畑が狭い場合、30センチの高畝は無理です。土を耕して空気に触れさせ、あとは土を盛り上げるだけでも大丈夫だと思います。(永田農法専門家の方はウレシクナイかもしれませんが、しゃーないのです)理想と現実の兼ねあわせですから、完璧を求めず、できる範囲で【永田農法】しましょう。

 私はいつもカキ殻石灰ケイカル(珪酸カルシウム)を併用しています。

 私の最初のバイブルである『永田農法でつくるベランダ・屋上菜園』(永田照喜治氏のご息女である永田洋子氏の著、㈱水曜社発行)にカキ殻石灰とケイカルの使用法が野菜ごとに詳しい割合まで記されています。

 土の容量に対する使用量が袋に書いてありますので、自分のプランターや畑にはどれだけ必要か、一握りとか、手のひら一杯とかという、用具を使わないめやすを覚えておきます。カキ殻石灰は植えた後でも追加できますから、なんでもアバウトな私ですが、めちゃくちゃ多いというのだけは避けるように心がけています。

(左)下から土、カキ殻石灰、ケイカル       (右)板状のものを使う

 カキ殻石灰とケイカルをしっかり土に混ぜ込んだら、板で土の表面をならし、しっかり押さえておきます。この作業は絶対に省いてはなりません。土を押さえておかなければ、水やりするたびにジャーと土が流れてしまいます。ベニヤ板がなければ、フツーの下敷きを扱いやすい大きさに切ったものでもいいと思います。

 2種類の種を蒔きます。といっても、混ぜこぜにするのではなく、赤のすじと白のすじと決めておきます。実の形が丸いか長細いかによって、成長の速度が違うので、混植はよくないと思います。(混ぜる人はいませんよね ^ ^ ; )

紅白のラディッシュ

 板を立てて土に押しつけ、1センチぐらいの深さの溝を作り、1センチぐらいの間隔で種を蒔きます。溝と溝の間隔は、種袋の表示どおりが理想です。少なくとも15センチはあけるほうが日当たりを遮らなくて良いと思います。

(左)種は1センチの深さに              (右)種、クローズアップ

 1センチの間隔は、種が土を押し上げて発芽するのに必要な力を種同士で助け合うため、後の間引きの際に残す芽の根っこを痛めないため、必要最小限必要な間隔です。これが極端に離れているとか、極端に狭すぎるというのは、あまり良い結果につながらないと思います。

 種に軽ーく土をかぶせます。金に糸目をつけないのなら、【芝の芽土】を使うのが良いでしょう。でも、コスパフォを考える(ドケチ?)な私は、畑の土をかぶせます。

指で軽く土をかぶせる

  土全体を手のひらでしっかり押さえます。これも省いてはならない作業です。理由は上と同じ。種にかぶせるのは軽ーく、土全体はしっかりが大切なツボです。

(左)指先で押さえる                 (右)じょうろのハス口は下向き

優しくをかけます。水の勢いが強すぎると、種が流れてしまうので注意します。

 季節によって、ビニールシートで保温もしくは、寒冷紗や防虫ネットで虫よけをしなければならないので、針金のアーチは必要アイテムです。私は蘭の支柱にも使えるよう、緑色のワイヤーを使いますが、アーチだけに使うなら、水色のワイヤーがホームセンターで手に入ります。

針金のアーチをしっかり差し込む

  ビニールシートは、野菜専用のものが市販されていますが、結構なお値段。私はでっかい120リットル用ビニール袋の端をカッターナイフで切って、シート状にして使っています。普通の45リットル用ゴミ袋の場合は、何枚かを重ねるようにしてかぶせれば、大丈夫です。家庭にあるものを最大限に使うのがコスパフォの基礎ですよね。

 結び目をプラスチック製のペグで押さえます。これはホームセンターに売っ ています。お値段は、私が買うぐらいだから、けっして高くありません。ペグでなければ、上記の針金を30センチぐらいに切り、真ん中で折り曲げて、Uの字 にして差し込むこともできます。ビニールシートの留め具として、U字のワイヤーをホームセンターで売っていますが、値段を見て失神しそうになりました。な んで針金をU字にしただけで、あんな価格になるのか、理解に苦しみます。

 ビニールシートの結び目を、ペグの片端で押さえつけるようにします。

(左)両端を縛って、土にグサッ            (右)ペグは狭いところで大活躍

 以前はペグをビニールシートに差し込んでいましたが、ビニールシートも再利用したいので、穴をあけるのはやめました。

 ビニールシートの周りに土をかぶせます。この作業に必要な土を、畝を立てるとき周りに盛り上げておくと、とっても簡単です。

(左)移植ゴテが便利               (右)周りにしっかり土をかぶせる

 移植ゴテでざっくり土を置いたところを踏みつけると、しっかり固定できます。以前はビニールシートの周りにペグをぐさぐさ差し込んでいました。土をかぶせる手間は省けますが、ビニールシートの使い回しはききません。コストをとるか、手間をとるか、その時の状況に応じて、作業の度合いを変えればよいと思います。(手間といっても、この規模だと、時間にして10分も違いません)

(左)スペースがあれば、土を踏みつけて押さえる     (右)できあがり

 これで完成です。畝が長ければ、土台のアーチが3本、4本とたくさん必要になります。その場合、アーチ2本ごと(内側アーチ5本につき、外側アーチが4本)に、シートの上からアーチを差し込み、シートが飛ばないようにするのも忘れてはなりません。でも、我が家の1坪畑では、その心配は無用です。

 種まきの溝を南北にするか、東西にするか、ラディッシュの場合は気にしなくても大丈夫です。葉が茂ってもさほど伸びるわけでなし、互いに成長を阻害する心配はありません。ビニールシートの中で、太陽を浴びて、ほかほか暖まって、育っていきます。

 3月4日の種まきから3日で発芽しました。

芽が出た

 種まきから11日、さっそく間引きの開始です。

(左)間引き前                  (右)間引き後

 この後、約1週間で、もう1度間引きします。

 種まきから27日、やっと赤い実が見えるようになりました。ハツカ(20日)では食べられるほど成長しないようです(^_^;)。

 

可愛い実が見える

 さらに間引きます。最終的に株の間は5センチぐらいにします。株間は畑の日当たり具合に応じて、広くした方がよいかもしれません。多収を狙う私は、いつも密植ぎみにしておき、様子を見ながら間引きます。スペースに余裕があれば、ゆったりした株間の方がよいかも知れませんが、実験する機会はないですねぇ・・・。

株間は5センチぐらい

 土寄せします。移植ゴテを斜めにして、株の列の間に切り込みを入れるような感じで、スーッと何度か引くと、土が掘り起こせます。そのを両側のラディッシュの根元に盛り上げるようにします。

(左)土寄せ                       (右)根元にしっかり土をかぶせる

 土寄せのあと、液肥(住友液肥2号)を与えます。ビニールシートに保護されて、半蒸し風呂状態ですので、液肥を与えるのはこの1回ぐらいで十分です。

 気温が上がってきたらビニールシートははずした方が蒸れなくていいです。シートをはずしてからは、水やりを兼ねて液肥を1週間ごとに与えます。

 

 種まきから42日、そろそろ食べ頃のようです。ラディッシュの実、葉っぱの付け根が2~3センチぐらいで収穫と本には書いてあります。早すぎると辛く、遅すぎると実が割れる(裂果)ことがありますので、最初は2~3コ、大きめのを選んで食べてみてから収穫するのがお勧めです。

 株間が狭く見えるのは、ラディッシュが丸まると太ったからです。

(左)よく太っています     (中)これまた太っています    (右)白い方も収穫できます

 一気には食べられないので、少しずつ収穫します。

(左)このぐらいの大きさで十分おいしい      (右)じゃーん!

 種まきから52日、赤い方は生で食べたり、赤カブの漬け物に変身させたりで、すでに食べ尽くしました。白い方は今日が最後の収穫です。

土の表面から立ち上がってくる

 白いラディッシュは少しずつ収穫しながら、取り立てをおみそ汁に入れていただきました。大根の爽やかな香り、みずみずしい歯ごたえ、うーん、たまりません!!

(左)可愛いミニミニ大根                (右)うまそー

 ラディッシュの栽培、大成功でした(大喝采、拍手の嵐)。

 こうして振り返ってみると、ラディッシュの栽培には、色々な基本的要素が詰まっているみたいです。

 ラディッシュは根っこがふくらむ野菜ですが、葉ものでも、果菜でも、種まきから始める場合はこの方法で行います。ただし、永田農法では苗を植え付ける場合、根っこを切りますので、これについては他の野菜でご説明します。

 

 4月は畑仕事が忙しく、ブログを書くのが後回しになってしまいました。このラディッシュ栽培記録は、種まきから収穫まで、全体を見返して、作業の復習になり、こういうブログの書き方もいいなぁと満足しています。

 次は、プランターでのラディッシュ栽培を成功させるべく、工夫していきたいと思います。乞うご期待!!!

胚軸切断挿し木法、経過は!?

 徒長したピーマン・とうがらし組の若芽を救うため、窮余の策として導入した胚軸切断挿し木法。

 だめだった場合に備えて、種も蒔いておくというへっぴり腰のワタクシ。挿し木をしてからというもの、一日に何度育苗器の温度を確認したことか・・・。心配はなんの足しにもなりませんが、放置して、また徒長したり、芽が腐ったりしたら、さっさと種まきのやり直しをしなければ、5月に植え付けできなくなります。

 光合成が必要なので、昼間は覆いを取って、日に当てなくてはなりません。ところが、2月中お天気がすぐれず、曇天続き。南側の窓際に置いていても、陽が差さなくて、ビニール袋でカバーしただけの育苗器内の温度は20℃近くまで下がってしまいます。

 一方、夜の温度は、毛布や断熱材の袋でしっかりカバーできるので、28℃から29℃ぐらいになります。こんな昼夜逆転の温度帯で、根っこを切り取られた若芽は育つことが出来るのでしょうか。

 また、たまに半日ほど晴れた日中には、育苗器の温度は、なんと、40℃まで上がってしまい、あわてて蓋をあけると、もわーっと水分を含んだ空気が顔にあたったりして、仰天したり・・・。

 ピーマンの育苗が「とても難しい」といわれるのが今になって納得できます。

 

 挿し木してから2週間たち、植物のすごい生命力に感心しました。

 めちゃくちゃな温度変化にも負けず、若芽は生きています。そして、保険に蒔いた種も発芽しています。

い、生きてる!

 この数日、ときどき晴れるので、そういう時は育苗器の蓋を開けて、陽に当てます。蓋を開けても温度は30℃ぐらいまで上がります。そして、曇りや雨の日と夜間はビニール袋を2重にかけて口をしっかり縛っておきます。

 丈夫な苗を育てるには、昼と夜で温度差を作ることが大事だそうです。

 昼間は28℃ぐらい、夜間は18℃ぐらいで最初の25日育て、鉢にあげてから最低温度を2℃ほど下げて16℃で25日、一回り鉢を大きくしてから、また最低温度を少し下げるというように、少しずつ外気温と同じ温度帯に近づけていく、順化という作業が必要とのこと。75日で一人前(?)の苗になるまで、しっかり見守ってやらねばなりません。

曇りの昼間や夜のカバー

 温度調整のできるヒーターなしでは、かなり難しい作業でしょうね。せっかく投資したのだから、頑張って5月下旬までの植え付けを目指します。

 

 ところで、バナナピーマンの栽培についてネットで調べてみると、色とりどりのブログに巡りあいました。驚いたことに、私のように目を血走らせて温度計とにらめっこしている人はあまりおらず、4月に入って暖かくなってから、ゆったりと保温育苗しておられる方が大半でした。

 やるぞと思い立って、『必死のパッチ』(関西ではこういう面白い表現があります)で加温育苗してきたワタクシですが、一歩下がってみれば、家庭菜園のベテランさんのように真冬から育苗しなくても、3月、4月になれば外気温も上がるし、別に5月中に植え付けなくても、6月に植えても十分に育ち、収穫は10月末まで続けられるのだから、何もこんなに苦労しなくても良かったのになーという空しい気持ちになりました。

 手探りの野菜栽培、障害にぶつかるのは仕方ないですから、今回の教訓を生かして、来年はのんびり楽しい加温育苗をしたいと、しみじみ思うのでした。

 

哀れ!ズッキーニ組! もっと光を!!

 ピーマン・とうがらし組に先がけて、3日で発芽したズッキーニ組。ビニール袋で保温して、しっかり育つ予定でした。蘭の棚は全体に大きなビニール袋をかけていて、湿度は50%以上、温度は常に15℃ぐらいに保たれています。お天気の良い昼間は25℃近くまで温度が上がりますが、ズッキーニ組にはちょうど良い環境だと信じて、私の注意はもっぱらピーマン組に向けられていました。(これがイケナイんですよね、いつも)

 ふとズッキーニ組の様子を見たら、せっかく本葉が出てきているのに茎が徒長しています。その上、葉っぱが腐って茶色くなっているものまであります。うわぁーっ、やっちまったー!!!

ズッキーニ-ふにゃりと伸びて

 

立ち腐れの苗も

 日照不足、温度と湿度の高さに堪えられなかったのでしょう。涙、涙。

 まあ、ズッキーニを発芽させるのは、さほど難しくないし、40日ぐらいで植え付けられる状態になるそうですから、3月中旬か下旬に種まきと保温育苗で育てることにします。しかし、貴重な種を無駄にしてしまったのは痛い。

 

 また一つ、教訓。洋蘭の好きな環境が野菜の苗に良いと思ってはイケナイ。

ピーマン組、芽が出たけど……。

 ピーマン組は6日で発芽しました。

左:万願寺とうがらし 右:バナナピーマン

 芽が出て、めでたいなどと、くだらぬダジャレを言っている場合ではありません。写真でお分かりのように、徒長しています。なぜか。5日めで発芽が始まり、芽が80%ほどそろったのは1日後。わずか24時間で、新芽はひょろ長く伸びてしまったのです。

 こんなもやしっ子で、いい苗に育つのでしょうか?

 NHK「野菜の時間」のテキストを見ると、徒長した芽では、しっかりした苗にならず、その後の成長も危ういという意味のことが書いてありました。

 温度を保つためにモコモコに包み込み、そのため光が入らずもやしっ子に。う~ん、加温育苗の最初の難関にぶち当たってしまった。

 

 もう少し暖かくなってから種を蒔き、育苗をやり直すかとも考えましたが、せっかく発芽したものをあきらめる前に、試すことがありました。それは、何か? ジャジャジャーン!

 胚軸切断挿し木法!!

 農学博士、木島利男氏が「プロに教わる家庭菜園の裏技」(家の光協会発行、木島利男氏著)で紹介している、病害虫に強くなる苗づくりの方法です。

 『種の栄養を使って発芽する従属栄養から自分自身で光合成を行う独立栄養への転換期……』に、胚軸を切断して挿し木すると、『微生物が組織内に取り込まれ……生育が促進され、病害虫にも強くなり……また、新しい根を発生させるため、根が活性化され、樹勢が強くなります』というスゴイ裏技です。

 ピーマン系の害虫はアブラムシぐらいで、これはキラキラのテープを張りめぐらすだけで簡単に防御でき、病害虫に悩まされるということはないのですが、アブラムシさえもつかなくなるのなら、それに越したことはありません。いつかはこの胚軸切断挿し木方を試してみようと思っていたので、今回のモヤシピーマンの苗を、頑丈な苗に変身させるには良い機会ではありませんか。

 

 てなわけで、モヤシっぽい苗を、先の細い【マイ園芸用箸】を使って、掘り出してみました。

根っこが長くてビックリ

 真ん中あたりで根っこを切り離す。

切った部分

 芽の方を水に浸すこと約2時間

並んで水風呂に

 土に植え直す。空いた部分には、保険として、新たに種を蒔いた。

徒長部分がなくなり、コンパクトに

芽が出た、ズッキーニ組♪

 今回の加温育苗大作戦の大切な資料として頼りにしているタキイ種苗の「野菜前線」と、最近放送されたNHK「野菜の時間」のテキストによると、ピーマン組は種まきから発芽まで5~10日、ズッキーニ組は3~5日ということです。

 こういう資料って、バカになりませんね。(バカにしていたという意味ではありません)

 すごく正確だなぁと感心させられます。本日、2月12日のマイ育苗器を見れば、一目瞭然。

ピーマン組、変化なし

 ズッキーニ組は芽を出しました。買ったばかりのダイナーは、きれいにそろって発芽。1年前に購入して保管しておいたブラックトスカは、発芽が不揃いです。

(左)ブラックトスカ (右)ダイナー

 種は新しいものを使いましょう、とか本に書いていますが、2年ぐらい冷暗所に保管してあった種でも発芽するぞ~という経験則があります。しかし、古い種は発芽がそろわないことがあるということは今回の大作戦で身に浸みました。

 普通に種まきする場合、なんで発芽が不揃いじゃイケナイの?という疑問を持っていましたが、イケナイという大きな理由を2つ、学びました。

 戸外で種まきした場合:発芽がそろわない→成長が不揃い→発芽が遅れたコたちは、先に芽を出してぐんぐん成長するコたちの日陰になり、ますます成長が遅れる→収穫量が減る。

 加温育苗の場合:発芽後は日光が必要・発芽温度より成育適温のほうが低い→暗く暖かい加温育苗器で先に芽を出したコは必然的にモヤシになる。

 たかがこれぐらいのこと、考えたら分かるやろ!と思われるかもしれませんが、ド素人から少しずつ経験を積んで、コスパフォ値の高い永田農法を確立するという大いなる目的のため、種が何年使用可能かはとても重要な課題であり……(云々云々・・・・・・)。簡単に言えば、私は自分で経験して理由を確かめなければ情報を単純に信じることができない、自力本願型の人間だということです。

 

 発芽したズッキーニのポットはマイ育苗皿ごと取り出して、別なヒーターと一緒にポリ袋に入れ、育てています。

(左)黒線が入っているのがヒーター (右)蘭の棚に仲間入り

 ここで使用しているヒーターは、加温育苗器用に買ったものですが、思ったほど温度が上がらなかったので蘭の保温に使っていました。

 【ピタリ適温】という商品名で、容器を冬場に25度前後に保つことができると説明してあったため、これは良いぞと購入して使ってみると、私が作った育苗容器では、ピーマン組やズッキーニ組の発芽温度に達しないことが分かり、前述のマルチパネルヒーターを急いで買い求めたという次第です。この商品は消費電力が4Wなので、少し考えたら、真冬に室温より容器内を15℃以上も高くするだけのパワーがあるかどうか分かりそうなもの。いくら電気関係に弱いワタクシとはいえ、失敗したと思いました。

 私は洋蘭を趣味としているので、冬場のヒーターはいくつあっても困ることはありません。永田農法だけでコスパフォを算定すれば、今回の失敗は痛手ですが、趣味のお花への出費は1ヶ月2000円までと決めているので、お財布の勘定はしっかり合っています。

 

 ともかく、加温育苗器の心臓部であるヒーター、もっとしっかり考えてから買っていたら、こういう無駄はなかったはず。このブログを読んだ方は、育苗器の大きさとヒーターの出力をしっかり把握してから購入することをお勧めします。

 

加温育苗器を作る(2)

種まきです♪

 【さし芽種まきの土】というのをホームセンターで買い、手作り育苗皿に入れる。深さは7センチ弱。

 表面部分の土はふるいにかけて、細かくしておきました。

 土はぬるま湯を含ませておきます。水道水は冷たすぎて、地温が上がりにくいから、お湯がいいです。こういうとき、私って賢いなぁと感心します(^_^;)。

 次に種を蒔きます。クリーム色の丸い種がお行儀よく整列するように頑張りました。

左:万願寺とうがらし、右:バナナピーマン

 ピーマンととうがらしの種はよく似ていて、区別がつきません。

 

 

 

 

 


左:ブラックトスカ、右:ダイナー

 ズッキーニは小さなポリポットに種まきします。土はピーマンと同じです。

 

 

 

 

 

 

 

 ふるいにかけた細かい土をかぶせます。

左:ピーマン、とうがらし組 右:ズッキーニ組

 霧吹きで表面の土を湿らせる。もちろん、ここでもお湯を使っています。

左:ピーマン、とうがらし組 右:ズッキーニ組

ピーマン、とうがらし組

 手作り育苗器に入れます。

 

 

 

 

 


ズッキーニ組

 その上に網をのせて、ズッキーニ組のポットを置きます。つまり、2階建ての発芽容器というわけ。私って、やっぱり賢いのかも(^_^;)。

 1階のピーマン組が発芽したらズッキーニ組に頭をぶっつけるのではと思われるでしょうが、そこは心配ご無用。上の写真をよく見てください。ピーマン組の芽が伸びるだけの高さはしっかり確保してあります。あったまいいー(^_^;)。

ヒーター登場

 ヒーターを容器に入れます。実際は水滴などでヒーターやコントロール部分を痛めないように、ポリ袋で保護して使用しています。

 

 

 

 

 

夕陽に映える育苗器

 発芽するまでは、完全装備、モコモコに厚着した状態で温度を保ちます。なんせ、この寒い時期に28℃から30℃を維持しなくてはならないから、たいへんです。

加温育苗器を作る(1)

 コスパフォを旨とする私の永田農法、加温育苗器にお金をかけるなんて、トンデモナイ!

 なんでも、身近にあるもので間に合わせるのです!

 間に合わなければ100円ショップへGO!

容器と育苗皿

 大きめの密封容器だけ100円ショップで購入。(105円ですけど・・・)育苗皿に使う不織布とプラスチック容器は家にあったものを使いました。

 

 

 

組み合わせるとこうなります

 肝心の加温部分は、昆虫用の「マルチパネルヒーター」という商品で、設定温度調節式で25度~45度まで設定が可能、1ヶ月つけっぱなしでも電気代は20円ほどという優れものです。消費電力が8ワットですから、火事の心配も、皆無ではないといえ、あまりなさそう。

お値段は割引期間ということで送料込み2100円でした。市販の完成品、家庭用発芽育苗器加温タイプ (愛・菜・花:PG-10)は16800円ですから、手作り加温育苗器が2205円で作れてしまうというのは、すごいことだと我ながら感心してしまいます。

ヒーターを入れた

 実際には、ヒーターに水滴が付かないよう、ビニール袋をかぶせています。

 

 

 


 

 

育苗皿も保温仕様

 育苗皿ももちろん手作りです。こちらはあり合わせの材料を使ったので、コスト0円。

 

 

 

 

 

 できあがり

 

 

 

 

 

 


 

保温材で包む

 発芽まで、昼夜関係なしに28℃から30℃を保つため、家にある保温材を総ざらえ。

 

 

 

 

 

 (左)芽が出たピーマン組 (右)この状態で夜を過ごす

 

お気に入りの毛布

 夜は毛布で保温。

 

 

 

 

 

 


お気に入りの湯たんぽ

 天気の悪い日は湯たんぽまで登場。

 

 

 

 

 

 

最高最低温度計

 温度管理は最高最低温度計で。これは蘭用に持っていたもの。家電量販店で1500円ぐらいでした。

 

加温育苗! 種の調達

 バナナピーマンと万願寺とうがらしの種はネットで注文しました。思ったより安かったのでヨカッタ(*^_^*) 

バナナピーマン、万願寺とうがらし

 ズッキーニの種は、前年にまいた【ブラックトスカ】の残りと、ネットで買った【ダイナー】です。

 ピーマン、とうがらし、ズッキーニの種は、2年ぐらい使えるので、育苗にかける手間を気にしなければ、苗作りから始めるもしくは暖かくなってから直まきするのが、苗を買うより絶対にお得です。

ズッキーニ2種

チャレンジ! 加温育苗!

 トマトやナスの接ぎ木苗はいろんな種類の苗がホームセンターで購入できますが、ピーマンに関しては、一般的なものしか手に入りません。また、ししとうやとうがらしも、選べるほど苗の種類がないのが現状です。

 理由は簡単です。真夏に収穫できる野菜の苗を準備するには、1月~2月の最も寒い時期に種まきして、加温育苗しなければならないからです。例えばピーマンを真冬に発芽させるためには昼夜とも地温25~30℃に保てるだけの設備が必要です。うまく発芽したとしても、日中は27~28℃で管理して、苗が育つにつれ、夜間の最低温度を少しずつ下げて順化させるという、ものすごく面倒なことを75日間つづけなければなりません。

(参考資料:タキイ種苗「野菜前線」)

 反面、どんなに面倒だとしても、加温育苗がうまくできれば、ホームセンターでは売っていない野菜を育てることができます。

 昨年夏はピーマンの栽培に成功し、たっぷり収穫を楽しみました。楽しんだどころか、たくさん採れすぎて、冷蔵庫に保存中、いくつか悪くしてしまいました。つまり普通の緑ピーマン2株と黄色ピーマン1株、赤ピーマン1株の収穫をすべて食べきれなかったということです。いくら美味しいピーマンとはいえ、レタスや人参とは違い、毎日毎日食べ続けると飽きてしまいます。

 そこで今年の夏は、イタリアンのマリネ、和風の佃煮や焼き物にしても美味しい、バナナピーマンと万願寺とうがらしを苗から作ることにしました。

 バナナピーマンや万願寺とうがらしの苗はホームセンターでは調達できません。苗をネット注文することはできますが、苗1鉢につき250円以上もするので、安く・どっさり収穫・ガッツリ食べるというポリシーにはそぐわないのです。だから種まきして、加温育苗して、いっぱい作るしかないということになります。

 

 バナナピーマンは食べたことがありませんが、説明を読んだだけで美味しそうという感じです。

 万願寺とうがらしは伏見甘長とうがらしと並んで、私の好物ですが、お値段が普通のししとうと比べて高いのが難点でした。

 この2種をたっぷり収穫できたら、夏の食卓に楽しみと栄養が盛り込まれる。ついでに、食べきれなくても万願寺とうがらしのプレゼントを喜ばない関西人はいない、つまりお遣い物に使えるという利点があります。

バナナピーマンネットで説明が出ています。

 カロテンやビタミンCが多く含まれる緑黄色野菜のひとつ。

 作りやすくてかわいい円錐形の黄緑色ピーマンで、熟度が進むに従って黄緑色からクリーム色、黄色、オレンジ、赤へと変色して完熟果は鮮やかな赤色になります。果皮は軟らかくて果肉が厚く、ピーマン特有の苦みが少なくほんのりと甘味がありピーマン嫌いの子供にも最適です。糖度がトマト程にもなり、サラダやマリネなどでフルーティな味わいが楽しめます。

   →バナナピーマンの画像

万願寺とうがらしWikipedia より

 京都府舞鶴市が特産地の春の京野菜。果肉は大きくて分厚く、柔らかく甘味があり、種が少なく食べやすいことが特徴で、その大きさから「とうがらしの王様」とも呼ばれている。

 

加温育苗するなら、ついでに・・・。

ピーマンととうがらしを加温育苗するのなら、もうひとつ、私の好物、ズッキーニを育ててみようという気になりました。

 昨年は、5月に種まきして、発芽がそろわなかったため、ホームセンターに駆けつけて苗を購入。

 ズッキーニは人工授粉しなくてはならないので、雄花と雌花が同じ時期についてくれなくては実になりません。

(左)ズッキーニ-株は成長したけど・・・ (右)雌花です

 雄花がなかなか咲かなくて、雌花を受粉させられずイライラし、雌花がつき始めた頃にはうどん粉病に罹患して、株がボロボロになり、何も口に入らないまま処分するという悲劇に終わりました。

むなしく萎れる

 今年は早いうちに種から加温育苗して、時間差攻撃(?)しようというもくろみです。

 4月~5月上旬にかけて、畑に種まきすれば、ズッキーニはあっけないほど簡単に発芽します。でも、予定の株数がすべて同時に発芽・成長しても、受粉できる雄花と雌花はそろいません。

 2月中に発芽させた苗をプランターや鉢で、3月頃から育て始めていたら、人工授粉できる可能性が大きくアップするというわけです。プランターや鉢で育つ雄花は受粉用に使い、雌花は未熟果を収穫して食べることができます。さて、うまくいくでしょうか……。