植え付けから17日

 立派に育った苗を植え付けてから、1週間は水も肥料もやらず、わき芽を2~3日ごとに掻き取りました。見守りながらも手は出さない。ほったらかしとは違います。

 ちなみに【わき芽を掻き取る】というのは、本葉(見るからに本葉!)というしっかりした葉をつけた茎の根元から出てくる【新芽】を手で折り取ることです。【掻き取る】という表現を使うのは何故か? やってみると分かります。

 手で折り取るのは、ハサミを使って病気をうつさないため。煙草を吸う人は、石けんで手を洗ってからしないと、タバコモザイクウイルスという致命的な病気をトマトに罹患させることになるので、要注意。トマトの近くでタバコを吸うのもやめましょう。

 1週間目に初めて液肥水(住友液肥2号を600倍に希釈したもの)を株の根元にたっぷり与えました。たっぷりとはどれくらいかというと、6リットルのじょうろに作った液肥水を6株に与えるとじゅうぶんという感じです。つまり、1株の根元に1リットルも水をジャボジャボ与えることになりますので、一回では吸い込んでもらえません。6株に一巡りしてから、もう一巡して、じょうろが空になりそうかなというぐらい与えます。

 なんという水の多さ! なんという大ざっぱさ! と驚かれるでしょうが、横90センチ、奥行45センチの畝にミニトマトを3株、150センチ×90センチの畝に大玉トマト1株と中玉トマト2株を植えて、大玉中玉で数十個、ミニトマトは300個の収穫を目標としていますので、トマトに含まれる水分量を考えてみれば、この程度の液肥水を1週間か10日に1度与えるだけで実が膨らんでいくというほうが奇跡に近いと思います。

 植え付けから17日が経ちましたが、液肥水を与えたのは2回だけ。トマトに関しては、水やりは一切せず、葉っぱが萎れてきたなと思った翌日ぐらいに液肥水をジャバジャバに与えることにしています。

 根っこを短く切り、過酷な条件で植え付けられた(永田農法に馴染んだ私自身は過酷だとは思っていませんけど) 苗は、既にしっかりした健康的な実をつけ、大きく育っています。

 大玉トマトは手のひらにずっしりと重みを感じます。【桃太郎ギフト】という【桃太郎シリーズ】最新品種の接ぎ木苗です。

5個着果したうち、1個を摘果

 

 【フルティカ】という中玉トマトの接ぎ木苗。昨年の【フルーツトマト】より、実付きがいいみたいです。

緑が濃く、強健な印象の中玉

2株とも、9個着果しています

 

 「実付きがいい」なんて、専門家みたいな表現を使っていますが、実はそんな高尚なものではないのです。トマト苗を植え付けるのは、1段目の花が確認できてからと決めています。植え付ける際に、根っこをバケツの水に浸して洗ったり、切ったり、広げたりと、株をいじくり回すことになるので、必然的に1段目の花やつぼみは痛めつけられることになり、何個かちぎれてしまうという結果になります。ちぎれないように丁寧に作業すれば良いのですが、スピード勝負という面もあるので、クソ丁寧にしすぎるのも良くないかなぁなんて思ったりしながら、大ざっぱな性格丸出しの作業を行っております。

 大玉トマトは1段目に着果しないと、2段目3段目も着果せず、葉っぱばかり茂る「ツルぼけ」という状態になるそうです。名前からして、ヤですよね、ツルボケなんて。てなわけで、大玉と中玉は特に、1段目の花を見たら、アイシャドー用の筆(もちろん100円ショップもの)で、花をコショコショくすぐります。ホルモン剤のスプレーを吹き付けると、確実に着果するそうですが、薬の世話になどなるものかと、筆でコショコショ。以前は、105円の筆を買う(お金ではなく)手間を惜しんで、指先で、ピシッとはじいたりしていました。この指先ピシッも有効ですが、勢い余って、せっかくついた花が飛んでいくということが何度も何度もあり、永田農法3年生の卒業祝いとして、筆を購入した次第です。【筆でコショコショ】の甲斐あってか、はたまた桃太郎ギフトとフルティカの威力か、1段目にして満杯状態の着果を見て、今年のトマト収穫の成功を確信したのです!

 

 ミニトマト、プチトマト、まだどちらで呼んで良いのかも分かりませんが、大玉や中玉のように着果の心配がないということで、植え付けの際の扱いが、非常に荒っぽかったのでしょう。3株のうち、1株の1段目は、花芽が1つしか残っていないという有様。しかししかし、接ぎ木苗の強さはすでに見てとれます。

 2年続きでお安い価格のわりに丈夫な【アイコ】(1株98円ぐらいだったかな・・・)を育てましたが、遂に連作障害でネコブセンチュウが発生。そこで今年は涙をのんで1株175円也の接ぎ木株を3株買いました。品種は以前から狙っていた【千果】。名前が良いですね。1株から千個採れるってわけではないでしょうが。中玉トマトと共に【鈴なりのトマト】を収穫できるという期待でワクワクしています。

中玉のたくましさとは異なる、可愛い小粒トマト

今のところ2株ともに8個着果を確認

 

 びっしりうぶ毛が生えているのを見てください。(トマトに「うぶ毛が生える」っていう表現、ちょっと可笑しい)うぶ毛は日に日にしっかりしていき、大きく育つ頃には素手で触ると手がチクチクするほど、たくましい毛(?)になります。これは元気一杯の証拠。我が家の【世界一のトマト】は、病気知らずなのです!

 

 昨年の収穫は、大玉トマト1株で14個、中玉トマト2株で13個、プチトマト3株で242個でした。

 今年の目標は、同じ株数で、大玉トマト30個、中玉トマト100個、プチトマト300個。

 この目標を達成するために、ある裏技を使うのです!!!

トマト苗の植え付け

畝立て

 永田農法では、トマトの植床はできるだけ高畝にするのが理想的です。とはいえ、ウチの畑はたった一坪で、8月初旬には全体が人参畑になるので、9月いっぱいまで収穫が続くトマトのスペースはありません。そこで、テラスと畑の間のすき間に植えることにしています。

 奥がプチトマトのスペース。横幅90センチ、奥行45センチの畝ができます。砂利を敷いてあるところがトマトのスペース。150センチ×90センチの土に畝を立てます。

普段は泥はね除けに砂利を敷いている

 

 プチトマトのスペースは、前年、ネコブセンチュウにやられ、土の状態は最悪でした。苗にかけるお金をケチって、2年連続で【接ぎ木苗でない】普通の苗(価格は接ぎ木苗の25%)を植え、6ヶ月も収穫したので、連作障害が出ない方がおかしい。それにしては美味しいプチトマトがいっぱい採れたなぁと感心しつつ、若干の反省を込めて土壌改善に励みました。努力の甲斐あって、プチトマト用の土もフカフカになっています。

プチトマトのスペース

 

ネコブセンチュウの被害

 

 植え付けには、曇りの日を選ぶのがよいでしょう。根っこを切って植え付けるのは苗に負荷をかける作業ですし、私自身、日焼けがイヤ、暑いのがイヤなどと色々な理由があり、カンカン照りの日は避けたいのです。日にあたるのが苦にならないという方でも、苗を切って植え付ける際には、自分の背中に太陽が当たって苗が陰に入るよう、気をつけた方がよいと思います。

 

 苗を水に浸す

 作業を始める前に、忘れてならないことがあります。苗にザブザブ水やりをして、受け皿にも水を溜めておきます。水を張ったバケツに浸しておくのが一番。ただ、苗の数が多い時は、バケツが足りなくなりますから、そこは臨機応変に。ともかく、水やりは作業の2~3時間前にするのが良いと思います。根を切って植え付ける前に、しっかり苗に水を吸収させることで、植え付け後の苗の健康状態が大きく変わります。

 植え付けの日、朝起きたらすぐ、苗にたっぷり水をやります。のんびり朝食を食べて、洗濯して、水やりから約3時間後に作業開始です。

 砂利を竹箒で掃き、土を顕します。

砂利を除けた

 

防草シートをめくる

 

 固まった土を三角ホーで耕します。

三角ホーで土を耕す

 クワで耕すのは力が要りますが、三角ホーならさほど力は必要としません。私は三角ホーやシャベル、移植ゴテなどを使い、あまりクワを使いません。道具は自分の体力と土の広さに合わせて選ぶのが何より。永田農法では、基本的に土を耕す必要はないとのことですが、我が家のように、トマトのシーズンだけ土を利用し、普段はさんざん踏みつけて土が硬くなっているという場合は、水はけを良くするために、耕す方がよいと思います。

 耕した土に、珪酸カルシウムとカキ殻石灰を撒きます。トマトはカルシウム不足になると実が割れたりするそうなので、ちょっと多めかなと思うぐらいに撒いておきます。

土に定量のケイカルとカキ殻石灰

 

 土の面積が小さい場合は、それなりに小さな道具の方が使いやすいと思います。100円ショップで買った小さなシャベルは、土を混ぜたり畝を立てるのに大活躍です。

100円ショップのシャベル

 

 毎年同じサイズの畝を立てるのですが、メジャーで測って、サイズを再確認します。

畝のサイズを確認

 畝を立てた後は、液肥水(約600倍の希釈液)をじょうろで撒いておきます。

 

 マルチフィルムを張る

 黒地に銀色のストライプが入ったマルチフィルムを張ります。買い置きしてあったと思ったマルチが足りず、急きょ、黒いゴミ袋で代用することになりました。マルチを張った後、苗を植える箇所にカッターナイフで切り込みを入れます。マルチを苗の大きさにくり抜くためのグッズも1000円以下で手に入りますが、家庭菜園規模ならカッターナイフか、金属製の移植ゴテでバッテンに切り込みを入れるだけで十分です。

マルチに切り込みを入れる

 切った穴に、たっぷり液肥水を施しておきます。プチトマトの畝は完成です。

 

  次は大玉トマトと中玉トマトを植える畝を作ります。土の広さは150センチ×90センチ。赤玉土を足して、できるだけ高い畝を立て、珪酸カルシウムとカキ殻石灰を撒きます。

畝を立てる

 

 液肥水をたっぷり撒き、マルチフィルムを張って、カッターナイフでバッテンに切り込みを入れる。

マルチに切り込み

 

 切り込みを入れた穴に液肥の600倍希釈液をたっぷり施します。マルチの表面に水がプワーッと広がるのが見てとれます。

液肥水を施す

 

 植え付け

 苗の植え付けは、プチトマトも大玉・中玉トマトも同じです。

  マルチの切れ目に移植ゴテを差し込み、ポットと同じくらいの土を取り出します。土はすぐに使うので、マルチの上に置いておきます。切り込みの穴の中心部に土を盛り上げるようにします。湖に浮かぶお山のイメージです。

穴を掘る

 

 根切り

 さて、ここからが永田農法の真骨頂! 楽しい根切り作業にかかります。

 まず、バケツに水をいっぱい入れておき、苗の土部分をどっぷり漬けて、土をすべて洗い落とします。

根がしっかり張っている

 

洗うとこんな具合

 

 根っこを約5センチ残して、スッパリとハサミで切り取ります。

切った根っこ

 

 再び根っこをバケツに漬けて、きれいに洗いながら、根っこが放射状に広がるようにします。

根っこを広げる

 この作業はとても大切なので、丁寧にした方がいいです。根っこを長く残したり、土がたくさん残っていたりすると、後の成長を阻害することになります。実際に根っこを洗わないで植え付けた苗は失敗に終わっていますので、やるならしっかりやる!という覚悟で、根切りしましょう。

 

土に植える-花の向きに注意

 土におく際は、必ず花が手前に(通路側)来るようにします。トマトの花は同じ側につきますから、反対向きだと、受粉や収穫作業がしにくくなります。

花が手前に来るように注意

 

 支柱を立てる

 太く長い支柱を(説明のため、本支柱と呼びます)立てるのですが、時間の都合により今日の作業はここまでです。(一気に作業を済ませたほうが良いかもしれませんが、苗が小さなうちはあわてて本支柱を立てることもありません。大きくなるまでにしっかりした支柱を立てて、雨除けをしますが、この作業に少々時間がかかります)

 根っこがしっかりしていない苗が倒れないよう、仮支柱を立てて、ゆったりと留めておきます。 仮支柱を取り外さないのなら、麻ひもで留めましょう。私は本支柱を立てたら、仮支柱は取り除くので、ワイヤーを使います。

仮支柱を立てる

 

ワイヤーでかるーく留める

 

 最後に、植え穴に液肥水をたっぷり施し、マルチフィルムの上の泥を洗い流しておきます。

できあがり

 

 植え付け前にしっかり水を吸わせているので、約1週間、水やりの必要はないと思います。お天気にもよりますが、曇り時々晴れという予報ですので、心配していません。あまりに乾燥して萎れてくるようなら、液肥水をやることにして、経過を見ます。

ハツカダイコンは野菜作りの基礎だそうです・・・けど。

 今を去ることン十年前、ワタクシが両親のモトでフツーに暮らしていた、とっても素直な女の子だった頃、父がマッチ箱と称していた小さな建て売り一戸建ての小さなベランダで始めて作った野菜、それがラディッシュでした。ラディッシュは小さなベランダのプランターですくすくと育ちました。育つにつれ、赤い実が土に盛り上がって膨らんで行く様子を見るのはとっても楽しく、まるで魔法を見るようでした。ぷっくり膨らんだ頃合いを見て、食べてみると、子供だった私の口には辛くて、舌がしびれたような記憶があります。種まきからしか覚えていないので、プランターや土は母が段取りしたのだと思います。

 ラディッシュは「栽培は簡単」と言われる、野菜作り基本のキの野菜であるのだけれど、【なめたらいかんで】というのが本音です。私はプランターでのラディッシュ作りに成功したことがありません。

 まず、大きくするのが大変。実が丸くなるまでに挫折すること多し。大きくなりかけたと思ったら、虫食い(特にアブラムシと青虫の害がすごい)、やっと育ったかと思いきや、実が小さい、何とか丸くなっても、食べると辛いなどなど、みずみずしいラディッシュを朝食の皿にのせるにはまだまだ工夫が必要です。

たいていはこんな調子

 「それはアンタの野菜作りがヘタやから」という方がおられましたら、どうかコツをお教え下さるよう、お願い致します。

 プランターでのラディッシュ栽培にはまだ自信はありませんが、今年3月に畑に種まきしてみました。その結果、永田農法で、畑に植えるなら、おいしいハツカダイコンを作れると確信したので、種まき準備から収穫までをご紹介します。

  先日のNHK野菜の時間では、ラディッシュは野菜作りの基礎と言っていました。確かに、ラディッシュの種まきから収穫までを押さえておくと、永田農法の基本の流れが理解できます。

  種まき前に、土の準備です。

移植ゴテを垂直に入れて、土をサクサク掘る感じで、耕します。永田農法は高畝をたてるのが原則ですが、畑が狭い場合、30センチの高畝は無理です。土を耕して空気に触れさせ、あとは土を盛り上げるだけでも大丈夫だと思います。(永田農法専門家の方はウレシクナイかもしれませんが、しゃーないのです)理想と現実の兼ねあわせですから、完璧を求めず、できる範囲で【永田農法】しましょう。

 私はいつもカキ殻石灰ケイカル(珪酸カルシウム)を併用しています。

 私の最初のバイブルである『永田農法でつくるベランダ・屋上菜園』(永田照喜治氏のご息女である永田洋子氏の著、㈱水曜社発行)にカキ殻石灰とケイカルの使用法が野菜ごとに詳しい割合まで記されています。

 土の容量に対する使用量が袋に書いてありますので、自分のプランターや畑にはどれだけ必要か、一握りとか、手のひら一杯とかという、用具を使わないめやすを覚えておきます。カキ殻石灰は植えた後でも追加できますから、なんでもアバウトな私ですが、めちゃくちゃ多いというのだけは避けるように心がけています。

(左)下から土、カキ殻石灰、ケイカル       (右)板状のものを使う

 カキ殻石灰とケイカルをしっかり土に混ぜ込んだら、板で土の表面をならし、しっかり押さえておきます。この作業は絶対に省いてはなりません。土を押さえておかなければ、水やりするたびにジャーと土が流れてしまいます。ベニヤ板がなければ、フツーの下敷きを扱いやすい大きさに切ったものでもいいと思います。

 2種類の種を蒔きます。といっても、混ぜこぜにするのではなく、赤のすじと白のすじと決めておきます。実の形が丸いか長細いかによって、成長の速度が違うので、混植はよくないと思います。(混ぜる人はいませんよね ^ ^ ; )

紅白のラディッシュ

 板を立てて土に押しつけ、1センチぐらいの深さの溝を作り、1センチぐらいの間隔で種を蒔きます。溝と溝の間隔は、種袋の表示どおりが理想です。少なくとも15センチはあけるほうが日当たりを遮らなくて良いと思います。

(左)種は1センチの深さに              (右)種、クローズアップ

 1センチの間隔は、種が土を押し上げて発芽するのに必要な力を種同士で助け合うため、後の間引きの際に残す芽の根っこを痛めないため、必要最小限必要な間隔です。これが極端に離れているとか、極端に狭すぎるというのは、あまり良い結果につながらないと思います。

 種に軽ーく土をかぶせます。金に糸目をつけないのなら、【芝の芽土】を使うのが良いでしょう。でも、コスパフォを考える(ドケチ?)な私は、畑の土をかぶせます。

指で軽く土をかぶせる

  土全体を手のひらでしっかり押さえます。これも省いてはならない作業です。理由は上と同じ。種にかぶせるのは軽ーく、土全体はしっかりが大切なツボです。

(左)指先で押さえる                 (右)じょうろのハス口は下向き

優しくをかけます。水の勢いが強すぎると、種が流れてしまうので注意します。

 季節によって、ビニールシートで保温もしくは、寒冷紗や防虫ネットで虫よけをしなければならないので、針金のアーチは必要アイテムです。私は蘭の支柱にも使えるよう、緑色のワイヤーを使いますが、アーチだけに使うなら、水色のワイヤーがホームセンターで手に入ります。

針金のアーチをしっかり差し込む

  ビニールシートは、野菜専用のものが市販されていますが、結構なお値段。私はでっかい120リットル用ビニール袋の端をカッターナイフで切って、シート状にして使っています。普通の45リットル用ゴミ袋の場合は、何枚かを重ねるようにしてかぶせれば、大丈夫です。家庭にあるものを最大限に使うのがコスパフォの基礎ですよね。

 結び目をプラスチック製のペグで押さえます。これはホームセンターに売っ ています。お値段は、私が買うぐらいだから、けっして高くありません。ペグでなければ、上記の針金を30センチぐらいに切り、真ん中で折り曲げて、Uの字 にして差し込むこともできます。ビニールシートの留め具として、U字のワイヤーをホームセンターで売っていますが、値段を見て失神しそうになりました。な んで針金をU字にしただけで、あんな価格になるのか、理解に苦しみます。

 ビニールシートの結び目を、ペグの片端で押さえつけるようにします。

(左)両端を縛って、土にグサッ            (右)ペグは狭いところで大活躍

 以前はペグをビニールシートに差し込んでいましたが、ビニールシートも再利用したいので、穴をあけるのはやめました。

 ビニールシートの周りに土をかぶせます。この作業に必要な土を、畝を立てるとき周りに盛り上げておくと、とっても簡単です。

(左)移植ゴテが便利               (右)周りにしっかり土をかぶせる

 移植ゴテでざっくり土を置いたところを踏みつけると、しっかり固定できます。以前はビニールシートの周りにペグをぐさぐさ差し込んでいました。土をかぶせる手間は省けますが、ビニールシートの使い回しはききません。コストをとるか、手間をとるか、その時の状況に応じて、作業の度合いを変えればよいと思います。(手間といっても、この規模だと、時間にして10分も違いません)

(左)スペースがあれば、土を踏みつけて押さえる     (右)できあがり

 これで完成です。畝が長ければ、土台のアーチが3本、4本とたくさん必要になります。その場合、アーチ2本ごと(内側アーチ5本につき、外側アーチが4本)に、シートの上からアーチを差し込み、シートが飛ばないようにするのも忘れてはなりません。でも、我が家の1坪畑では、その心配は無用です。

 種まきの溝を南北にするか、東西にするか、ラディッシュの場合は気にしなくても大丈夫です。葉が茂ってもさほど伸びるわけでなし、互いに成長を阻害する心配はありません。ビニールシートの中で、太陽を浴びて、ほかほか暖まって、育っていきます。

 3月4日の種まきから3日で発芽しました。

芽が出た

 種まきから11日、さっそく間引きの開始です。

(左)間引き前                  (右)間引き後

 この後、約1週間で、もう1度間引きします。

 種まきから27日、やっと赤い実が見えるようになりました。ハツカ(20日)では食べられるほど成長しないようです(^_^;)。

 

可愛い実が見える

 さらに間引きます。最終的に株の間は5センチぐらいにします。株間は畑の日当たり具合に応じて、広くした方がよいかもしれません。多収を狙う私は、いつも密植ぎみにしておき、様子を見ながら間引きます。スペースに余裕があれば、ゆったりした株間の方がよいかも知れませんが、実験する機会はないですねぇ・・・。

株間は5センチぐらい

 土寄せします。移植ゴテを斜めにして、株の列の間に切り込みを入れるような感じで、スーッと何度か引くと、土が掘り起こせます。そのを両側のラディッシュの根元に盛り上げるようにします。

(左)土寄せ                       (右)根元にしっかり土をかぶせる

 土寄せのあと、液肥(住友液肥2号)を与えます。ビニールシートに保護されて、半蒸し風呂状態ですので、液肥を与えるのはこの1回ぐらいで十分です。

 気温が上がってきたらビニールシートははずした方が蒸れなくていいです。シートをはずしてからは、水やりを兼ねて液肥を1週間ごとに与えます。

 

 種まきから42日、そろそろ食べ頃のようです。ラディッシュの実、葉っぱの付け根が2~3センチぐらいで収穫と本には書いてあります。早すぎると辛く、遅すぎると実が割れる(裂果)ことがありますので、最初は2~3コ、大きめのを選んで食べてみてから収穫するのがお勧めです。

 株間が狭く見えるのは、ラディッシュが丸まると太ったからです。

(左)よく太っています     (中)これまた太っています    (右)白い方も収穫できます

 一気には食べられないので、少しずつ収穫します。

(左)このぐらいの大きさで十分おいしい      (右)じゃーん!

 種まきから52日、赤い方は生で食べたり、赤カブの漬け物に変身させたりで、すでに食べ尽くしました。白い方は今日が最後の収穫です。

土の表面から立ち上がってくる

 白いラディッシュは少しずつ収穫しながら、取り立てをおみそ汁に入れていただきました。大根の爽やかな香り、みずみずしい歯ごたえ、うーん、たまりません!!

(左)可愛いミニミニ大根                (右)うまそー

 ラディッシュの栽培、大成功でした(大喝采、拍手の嵐)。

 こうして振り返ってみると、ラディッシュの栽培には、色々な基本的要素が詰まっているみたいです。

 ラディッシュは根っこがふくらむ野菜ですが、葉ものでも、果菜でも、種まきから始める場合はこの方法で行います。ただし、永田農法では苗を植え付ける場合、根っこを切りますので、これについては他の野菜でご説明します。

 

 4月は畑仕事が忙しく、ブログを書くのが後回しになってしまいました。このラディッシュ栽培記録は、種まきから収穫まで、全体を見返して、作業の復習になり、こういうブログの書き方もいいなぁと満足しています。

 次は、プランターでのラディッシュ栽培を成功させるべく、工夫していきたいと思います。乞うご期待!!!

どこに何を植えるか

 たった1坪の土と、プランターだけで、食事に必要な野菜をできるだけ多くまかなおうという、思い上がった計画を実現するために、日々私が考えてきたのは、どこに何を植えるか、どれくらいの大きさのプランターや鉢で栽培するかということです。

考えるといっても、基本的な要件は確定しています。

 基本要件:栽培期間が長いものはプランター栽培。畑に植える優先順位1番は人参。

 私がもっとも重点を置いているのは、人参の栽培です。というのも、私は人参が大好きで、イギリス留学時代は、毎日昼食にリンゴ1個と人参1本ずつを囓っていたほどです。

 日本の人参はイギリスのものとは味と価格が段違いなので、毎日の丸かじりこそしていませんが、我が家の冷蔵庫に人参がないなどということはありえません。週単位での人参消費量は、日本人平均の数倍を軽く上回る自信があります。(自慢することではないですけど・・・)

 余談になりますが、イギリスで小遣い稼ぎとして日本語会話を教えていた当時の生徒が、嬉しそうに人参を皮ごと食べる私を軽蔑したような目で見て、「貴方は土壌の残留農薬が恐くないのか」と一言。以来、皮は分厚く剥くようにしました。皮付きのまま、泥をたわしでこすり落として食べるのが一番美味しかったんですが・・・。

 そういう経験もあり、農薬を一切使ったことのない安心な我が家の土で人参を作れるのは、幸せの一語に尽きます。

当初は人参だけの小さな畑でした

 

 今の家に引っ越してから最初の1年半、畑では人参ばかり作っていました。人参畑の傍らではプランターで朝食用のベビーレタスとルッコラをプランター栽培。

 

 

 

 

 

 我が家の庭は、南側に道をはさんで3階建ての家があるので、畑の南より、もっとも日当たりが悪い角地40センチ四方(Aの区画)は三つ葉ぐらいしか育たないと思い、他の野菜は試していません。それに隣接する40×100センチのB区画では、夏場はキュウリ、それ以外の期間は春菊を植えています。

 

真上から見下ろした庭

 

 40センチという微妙かつ中途半端な数値は、実際に人参や小松菜、ほうれん草などを季節ごとに植えてみて、その区間では日照不足のため、葉が育たないということが明らかになった上ではじき出した、精密かつ確実な値です。

 

 

畑のスケッチ

 

 

 植え床は畝を立てるので、40センチの畝プラス10センチの溝部分が日照を余り必要としない限定野菜区域となります。残りの約100×100センチの土(Cの区画)では人参でも育ちます。前述のように南端に日が当たらないので、北(テラス側)に行くほど人参のサイズは大きくなり、ほうれん草などの葉野菜もよく茂ります。

8月の畑。Bにキュウリ、C西はズッキーニ、C東はナス

夏から秋の畑。Cに人参

 人参を植えていない間、空いた土に栽培期間の短い葉野菜を植える場合は、南から小松菜、ほうれん草という順で植えていきます。小松菜は少々日当たりが悪くてもなんとか育ちますが、ほうれん草は日当たりが悪いとあまりにひ弱で、(それでも!?)スーパーで売っているものと変わりないものしか出来ません。南のフェンスから離れるごとに株が大きく育っていくのを目の当たりにして、太陽の恵みのありがたさを感じます。

11月の畑

 しかししかし、そんな状況の畑であれ、色んな種類の野菜を自分で作りたいという欲がどんどん出てきて、野菜作りの本を買い込み、ネットで種や苗を注文したりと、2年目では少々散財をしてしまいました。

 3年目になり、少しは地に足がついて、「基本要件その1」だけは確定しました。

地に足がついたわりには、年間計画をしっかり作らないままの、気まぐれな野菜作りでした。

 ネットで種のセールをしているとか、送料無料とかいう呼び込みに簡単に乗っかって、やたらめったらプランターを買い込み、種を蒔き、失敗し......という結果になったことを反省しています。

どこに何を植えるかを決める前に、いつ種を蒔くか、いつ苗を買ってきて植え付けるかをしっかりと確認しなければなりません。

 昨年は、気まぐれに色んな野菜に挑戦したお陰で、栽培の難しいもの、比較的優しいものがなんとなくわかったつもりです。

 優先順位1番の人参だけで小さな畑を占領するのではなく、人参の栽培期間前後に畑を有効に使える早春と夏の野菜を植えてみたいと思います。

2012年栽培計画を作る

 新年の仕事始めとして、野菜たちに液肥を撒きました。これから、1年の植え付け計画(どこに何を育てるか)と種まき計画(いつ種を蒔くか、苗を植えるか)を作成します。

 種まきの適期:外気温と発芽気温、生育気温の確認

 永田農法の指南書だけでなく、ほとんどの菜園マニュアルには、「種まき(または苗の植え付け)は○月上旬から△月中旬に」と書いてあります。でも、カレンダーによる栽培計画では、種が発芽しなかったり、売っている苗がヘロヘロだったりという困った事態が起こり得ます。

なぜか。  それは、実際の気温が発芽気温よりはるかに高かったりするからです。

 昨年10月は特に残暑が厳しく、涼しい気候を好むレタス系がなかなか発芽しませんでした。

 発芽の遅れが成長の遅れとなり、日照時間が短くなって更に悪条件となってしまい、それが更に生育を遅らせることになりました。結果として、予定では今ごろ食べているはずのレタスや白菜がまだできあがっていません。

 今年の秋は暑いなぁと思ったときにすぐ、種まきしたプランターを、直射日光カンカン照りの南側テラスから、比較的涼しい北側テラスに移動するとか、寒冷紗で少し日よけするとかの対策を取るべきだったのに、漫然と芽が出ないよ~と待っていたのは大失敗でした。

カレンダー任せではなく、実際の気温に注意して、種まきから発芽までの間、必要な対策をとって、適切な時期に野菜が生育できるようにしなければなりません。

 

種袋の表示で1年に栽培する野菜のデータを表にする

 これまでの3年間は、永田農法の指南書数冊をお手本にして、栽培計画を立てていましたが、それよりも、種の袋に大抵表示されている、詳しいデータを利用するのが賢明だと気づきました。

 種の袋にデータがない場合、ネットで種苗販売しているサイトで検索すれば、育て方が詳しく書いてあるので、それも利用します。

 畑の面積、テラスに置けるプランターの数には限度がありますから、以下の表に基づいて年間の植え付け計画と種まきを作成することにします。

 一番注意しなくてはならないのは、種まきの適期です。日本が熱帯化しているかと思えるほど平均気温が上がっている昨今、種まきにちょうど良い時期を逃すと発芽しないこともあります。私は昨年、温度管理に失敗して、せっかく種をネットで購入していながら、発芽せず、苗を買うために、あわてふためいてホームセンターに駆けつけたことがなんどあったか・・・・・・(/_;)。

 わざわざ自分で表を作らなくても、年間の栽培計画や輪作のモデルを載せている指南書がたくさんあります。とはいえ、畑とプランター栽培を組み合わせて、あまり市場に出ていない野菜を作ろうという私の場合、やはり、自力で計画を立てなくてはなりません。

 種を保管している缶からすべての種袋を出して、この1年で植えたい野菜をピックアップ。それから、必要なデータを足していきます。

まずランダムに書き出して、植える順にパソコン上で並べ替えました。適期を逸してはいけない、もしくは忘れてはならない大事な野菜は*印をつけて、太字にして目立つようにしました。あとは苗などを買って植え付ける野菜を表に書き込めば、表は完成します。

 種まき期間が3月からと記している野菜は、実際ではビニールトンネルをかけると、1月からでも発芽・栽培が可能です。

 

種まき計画表 

適期を厳守する野菜には*印 

野 菜

種まき期間

収穫期間

発芽適温

生育適温

発芽日数

ミニ人参 1月~3月(トンネル) 4月~6月 15~25℃ 18~21℃ 5~7日
中型大根 1月~5月(トンネル) 4月
金町小かぶ 2月~12月 周年 20~25℃ 10~25℃ 3~5日
小松菜 2月~12月 周年 約25℃
エンダイブ 2月~4月 5月~6月 約20℃ 15~20℃ 2~4日
時無小蕪 3月~5月 5月~7月 20~25℃ 10~25℃ 3~5日
白ラディッシュ 3月~11月 5月~翌2月 15~30℃ 17~20℃ 3~5日
赤ラディッシュ 3月~10月 4月~翌1月 約25℃ 17~20℃ 3~5日
うまい菜 3月~11月 周年 約25℃
サラダ菜 3月~11月 5月~翌3月 15~20℃ 15~20℃ 4~6日
*半結球ミニレタス* 2月~3 4月~6月 15~20℃ 15~20℃ 4~6日
ペパーミント 3月~6月 6月~10月 20~25℃ 15~25℃ 10~15日
ミニ人参 3月~4月 6月~7月 15~25℃ 18~21℃ 5~7日
ほうれん草 3月~5月 5月~8月 約20℃ 6~10日
チマサンチュ 3月~10月 5月~翌1月 15~20℃ 15~20℃ 4~6日
にら 3~4月、9~10月 周年 20℃前後 20℃前後 10~14日
コリアンダー 4月~6月 5月~7月 20℃
セージ(多年草) 4月~5月 7月~11月 20℃前後 15~20℃ 7~15日
オレガノ(多年草) 4~6月、9~10月
バジル 4月~6月 6月~10月 20~25℃ 20~25℃ 5~10日
春菊 周年 周年
うまい菜 3月~11月 周年 約25℃
*ズッキーニ* 2月~4月(育苗)4~5月(直まき) 5月~7月6月~8月 25~30℃ 20℃前後 5~7日
白瓜 4月~6月(直まき) 6月~10月 25~30℃ 20~30℃ 4~6日
ガーデンレタス・大株 2月~5月 5月~6月 20℃前後 15~20℃ 2~4日
エンツァイ 5月~8月 6月~11月 20~25℃ 15~25℃ 18~20日
*ショウガ* 4月~5 10月~11月 15~18℃ 15~30℃
*芽キャベツ* 7 11月~3月 20~25℃ 15~25℃ 3~6日
*人参* 7~9月 11月~3月 15~25℃ 18~21℃ 5~7日
ミニ人参 7月~9月 10月~12月 15~25℃ 18~21℃ 5~7日
*半結球ミニレタス* 8~9月 10月~12月 15~20℃ 15~20℃ 4~6日
*ミニ白菜* 8~9月上旬 10月~12月 20~25℃ 20℃前後 3~5日
*エンダイブ* 8月~9月 10月~1月 約20℃ 15~20℃ 2~4日
中型大根 8月~11月 10月~3月
ほうれん草 8月~12月 10月~3月 約20℃ 6~10日
大根(秋まき) 9月 11月~12月 15~30℃ 17~20℃ 3~5日
コリアンダー 9月~10月 10月~12月 20℃
ガーデンレタス・大株 9月~11月 11月~2月 20℃前後 15~20℃ 2~4日
チマサンチュ 3月~10月 5月~翌1月 15~20℃ 15~20℃ 4~6日
ほうれん草(秋) 10月~12月 11月~3月 15~20℃ 15~20℃ 6~10日
ミックスサラダ 周年まき 30日後
時無小蕪 6月~10月 10~2月 20~25℃ 10~25℃ 3~5日
*サヤエンドウ* 11月下旬~12月 4月~6月 20℃前後 15℃前後 4~6日
*スナップエンドウ* 11月、3月 5月~7月 18~20℃ 12~20℃ 5~8日

ほぼ1年中種まきできる野菜

白ラディッシュ 3月~11月 5月~翌2月 15~30℃ 17~20℃ 3~5日
赤ラディッシュ 3月~10月 4月~翌1月 約25℃ 17~20℃ 3~5日
うまい菜 3月~11月 周年 約25℃
サラダ菜 3月~11月 5月~翌3月 15~20℃ 15~20℃ 4~6日
金町小かぶ 2月~12月 周年 20~25℃ 10~25℃ 3~5日
小松菜 2月~12月 周年 約25℃
ガーデンレタス(大株) 2月~5月9月~11月 5月~6月11月~2月 20℃前後 15~20℃ 2~4日
ミックスサラダ 周年まき 30日後
チマサンチュ 3月~10月 5月~翌1月 15~20℃ 15~20℃ 4~6日
ベビーレタス 3月~6月8月~10月 4月~8月9月~翌1月 20℃前後 15~20℃ 2~4日
ルッコラ 3月~6月9月~11月 4月~8月10月~1月 15~20℃ 15~20℃ 4~7日

畑とプランター栽培での水と肥料

 永田農法は、肥料と水を極限まで切りつめて野菜を栽培する「スパルタ農法」などと言われるそうですが、果たして、本当の意味のスパルタでしょうか。肥料と水を切りつめるという点を、少し検証してみたいと思います。

 『永田農法でかんたん、おいしい野菜づくり』(監修:永田照喜治氏・杉原葉子氏、発行:主婦と生活社)では、畝のサイズを明確に記しています。私は、この畝とまったく同じ大きさでなければ永田農法の野菜は出来ないとは考えていませんが、畑とプランター栽培における水と肥料の施し方の基本として、頭の片隅に置いています。

 同書によると、畑では「畝は、グン!と高くつくる」と高畝を勧め、適量の液肥を混ぜた水やりを週に1回行います。

 高畝により、水はけは良くなり、[いわゆる]水を切りつめたとも言えなくはないのですが、よーく考えなくてもお分かりのように、野菜を育てるのに、フツー、毎週畑に水やりするでしょうか。

 また、この本には「畳1畳あたり10リットル・・・」と液肥入りの水の量まで書いてあります。

 畳1畳、10リットルって・・・! 

 永田農法は、これだけの大量の水を土壌に与えておき、かつ、高畝にすることによって、必要最小限の水と肥料を野菜の根っこが吸収できるシステムなのだと、私は解釈しています。

 私の解釈が正しいかどうかはわかりませんが、我が家の1坪畑と、3階テラスのプランター栽培では、この解釈に基づいた液肥水やりを続けて、野菜を育てています。

畑の場合

 我が家の1坪畑は、土の量と畑の面積の関係で、一連の永田農法の指南書が勧めるような30センチの高畝は不可能です。もし真面目にやれば、一畝しか作れませんが、不真面目な私は、ちょいと工夫して、15センチから20センチぐらいの高さで、小さめの畝を2本、プラス(日当たりが悪くても育つ野菜向けの)細い畝を1本作っています。

 畝の高さ(というより、低さ)に合わせて、液肥水の量を、畳半畳の畝に対して、1週間ごとに約2リットル。

 晴天続きの夏場は途中に水だけをやったり、雨が降れば液肥水やりは2、3日後にずらすようにしています。

 季節によって、野菜の種類によって、必要な水の量が大きく異なり、ここが一番難しいところです。

 トマトのように、水も肥料も少なめがよい野菜は、葉が萎れかけるまでほったらかしにしておけます。

ナスのように(特に私の好物である水ナス)水と肥料を多く必要とする-と一般に言われている野菜は、過去2年の【石ナスばっか】経験におびえて、今年は液肥水を大量にやりすぎたようです。

 数個の長なすと水ナスが収穫できただけで、花が結実せずに落ちてしまうという結果に終わりました。

プランターの場合

 我が家のプランター置き場は、3階テラスです。日照時間の限られる地上の畑とは正反対に、遮るもののないコンクリートのテラスに日が降り注ぐ、(夏場は)熱地獄となります。

 コンクリートをむき出しにしないよう、ウッドパネルを敷いていますが、それでも熱は相当のもの。

 従って、日向土に20%かそれ以上の保水材を混ぜて、畑になるべく近い水環境を作ってやることで、厳しい夏も乗り越えています。

 我が家の特殊条件ですが、年に2~3回、帰省のため1週間から10日ぐらい留守にすることがあります。畑の水やりは心配無用ですが、3階のプランターに植えた野菜は、10日も水なしでは生き延びることができません。そこで夏の留守中は、プランターを全部玄関周辺に置いて、お隣さんに水やりのおせわになります。

 しかし、年に何回も、プランターを移動し、毎回お隣さんにお願いするのも辛いものです。

 今年はプランターの数が10個を超したこともあり、秋の留守には、プランターの水抜き穴をふさいで、たっぷり水やりしてから出かけました。おかげで、加湿による障害はありましたが、少なくとも枯れることは防げました。

 永田農法は「少なめの水と肥料で栽培する農法」と簡単に言い切れるでしょうか。

 私流は「不要なものを省いた農法」のほうが適切ではないかと思っています。

 

土の準備

冬野菜のタネをプランターに蒔く前に行った土の準備をご紹介します。

簡単ですヨ(^_^)v

通常は鉢底石をネットに入れますが、この石は大粒なので、省略

 1.プランターに鉢底石を敷きます。

 

 

 

 

 

全体量の3分の1をバケツで混ぜてしまうのがコツ

2.ふやかしておいたココピートと日向土を、バケツで混ぜる。

割合:日向土(全体量の約3分の1)と同量のココピート

 

 

 

 

上の白いのがカキ殻石灰、右下がケイカル。

3.バケツにカキ殻石灰とケイカルを混ぜ込む。

 

 

 

 

 

 

4.先に日向土(全体量の約3分の1)を入れたプランターに3を入れて、よく混ぜる。

*土の全量をバケツまたはプランターで混ぜようとしても、なかなか均一にならないので、2、3、4の手順で、小分けにして混ぜています。大きなバケツをお持ちで、腕力に自信のある方は、全量を一気に混ぜるのが簡単で、早いでしょう。

 5.すぐに種まきや苗を植え付けられないときは、そのままで放置。

 つまり、暇な時に植え付け予定の数のプランターを準備しておいて、タネや苗が調達できてから植えることができます。。

 *野菜により、液肥の種類が1号、2号と違うので、種まきや植え付けの直前に液肥を土に撒く。

(注)この配分は、保水材のココピートを基本用土の30パーセントにした場合のものです。

 私は、種々の事情により、毎日プランターに水やりが出来ないことがあるため、保水材を多めに入れるという試みを行っております。

 結果は後々ご報告致します。

 基本的な日向土と保水材の配分については、『永田農法でつくるベランダ・屋上菜園』(永田洋子氏著・水曜社)をご参照下さい。同書では、保水材は日向土の5%から25%(なしの場合もある)と勧めています。私の経験では、保水材なしで日向土のみでプランター栽培するには、夏場は一日も欠かさず、野菜の様子を見て、朝夕の水やりが出来る方に限られると思います。

 永田農法を試みたが、水やりに失敗して挫折・・・という方をネットで散見しますが、日向土のみで栽培して保水材を入れなかったのではと想像しています。

土選び

1.土選び:基本用土

 永田農法のプランター栽培では、基本用土に日向土を使用すると、大抵の永田農法の指南書には書いてあります。しかし色々と多くの指南書を読んでいくと、日向土以外の軽石(パミス・スコリアなど)、砂(矢作砂・川砂など)、赤玉土でもOKとのことです。

 永田農法イコール日向土の思いこみをしていた私は、エエエエ???

 いかに日向土での野菜の生育がすぐれているか、わざわざ赤玉土と比較した写真をずらーっと並べた本もありました。

なんでぇ今ごろになって・・・赤玉土、いいのぉ?

 ここで頭を柔らかくして、畑とプランターの土の環境について、じっくり考えてみましょう。

  畑では、赤玉土オンリーで栽培するとします。赤玉土も日向土も栄養の入っていないピュアな土です。畑の赤玉土の保水性は、プランターに入れた日向土と比べるとかなり高いと思われます。(ちなみに、一般の農家では水やりなど一切しないで、みずみずしい野菜を育てており、それは地力、つまり、畑の持つ保水性、栄養価のお陰です。)そのため、永田農法の「水と肥料を最小限に」という原則に従って、畑では高畝プラスマルチで水を制限し、週1回の液肥以外、水やりはしません。

一方、プランター栽培ではほぼ毎日の水やりが必要と本に書いてあります。つまり、畑の保水力を持たないプランターには、毎日お水をあげましょうねということです。

 永田農法が、他の農法と違う点を取り上げて、何故、何故と出てくる自分の疑問を、農業関係の書籍やネット検索で調べていくうちに、私なりの答えが出てきて、今はその答えや実践方法が正しいかどうかを試している過程です。

 前置きが長くなりましたが、永田農法でプランター栽培をする場合の土選びの条件を、(私見です、もちろん)述べたいと思います。

基本用土ランキング:ご自身の体力やご家庭の栽培環境に合わせて選んでください。

1.日向土:高温殺菌処理をされている点で、1番にあげます。価格には満足していないけど・・・。

2.その他の軽石(パミス・スコリアなど)日向土より、軽く、安価なのが嬉しい。

3.各種の清潔な砂:最も良い結果を出すと思われますが、重さが難点。保水材は不要でしょう。

 注意!コンクリートに混ぜるための砂は、栽培に適しているとは思えません。

4.赤玉土:野菜の種類にあわせて単体でプランター栽培しています。水やりの心配がないのが利点。

 

2.保水材

 基本用土が日向土か軽石の場合は、保水性のある素材を混ぜ込むと、失敗が少なくなります。

 価格と扱いやすさの点で、私はココピートを使っています。

ココピート-百円ショップで売っている。

 ココピートは、土の準備の最初にたっぷりの水でふやかしておきます。水の量は固まりの5倍以上必要です。ふやかす時間は30分もあれば十分か・・・。私の場合、テキトーな量の水に浸して放置、水が足りなさそうなら足すという、いい加減な使い方をしています。

ココピート(左)水でふやかしたところ。 (右)余っても次に使える。

3.ケイカル、有機石灰

 ほとんどの野菜は酸性土を嫌うので、アルカリ性にするため、畑では苦土石灰や有機石灰を使用します。永田農法の場合は、珪酸カルシウムを勧めています。理由は・・・私の勉強では・・・判明していませんが(;_;)。良いと言われているのだから、良いのだろうという素直な気持ちで、私は畑にもプランターにも珪酸カルシウム(略してケイカル)を使用しています。

 ところがどっこい、ある永田農法の本では、ケイカルがなければ、カキ殻石灰(有機石灰とも書いてある)などでもよいと書いてあったではありませんか。

 ケイカルはホームセンターでは買えないので、ネットで調達しています。(昨今は永田農法が広まった結果か、価格がぐんと下がりました!)

 カキ殻石灰は、百円ショップでも購入できます。

 この有機石灰の利点は、安いこと、植え付けてから土に撒いても良い(と説明書きにあった)ことです。1の基本用土と2の保水材を混ぜて、さっさとタネを撒いてから、あっ忘れた!と思ってカキ殻石灰を撒いたことも幾度か・・・。という点で、便利な石灰です。

 ちなみに、苦土石灰と堆肥、化成肥料を使用する場合は、苦土石灰を土に混ぜて1週間待ち、堆肥と化成肥料を混ぜてまた1週間寝かせてから、やっと種まきや苗の植え付けを行います(NHK野菜の時間の説明より)。私のように、パッと思いついて、ワーッと作業するタイプには向きません。栽培の適期を逃してばかりになってしまいます。

 石灰の話しに戻しますが、現状では、畑にもプランターにも、ケイカルとカキ殻石灰の両方を使っています。

 栽培後の野菜を引っこ抜いた時、ケイカルのツブツブが残っていることがよくあります。カキ殻石灰は土に混ぜたら、すぐに見えなくなりますが。

 この目に見える残留ケイカルとすぐに見えなくなるカキ殻石灰の長所短所がよくわからないので、とりあえず、両方使っているという状態です。

 両方使っていても、この2年余り、障害はないと思います。

畑づくり

庭の配置

 我が家は、東側のお隣と壁を接していて、庭の境目もワイヤーフェンスのみ。南庭の真正面には、約3メートルの路地と緑地をはさんで、3階建ての家があります。つまり、真夏は太陽が高く上がるので、庭の日当たりは十分だけど、冬場は真昼の陽がお向かいの家にさえぎられ、午前と午後の太陽しか当たらないという環境です。

 野菜を育てるには、一日4~5時間の日照が必要と本に書いてありました。冬の真昼の太陽が当たらないとしても、なんとか4~5時間は確保できるかなぁというところです。

 我が家の庭は約4坪ありますが、すべて畑にしてしまうというのは、お花大好きな私にとって寂しいので、半坪をテラスにして蘭の棚を置き、半坪をクーラーの室外機置き場と土や園芸材料を入れる組み立て式物置に充て、お隣の庭と接する東側のフェンスぎわ半坪にブルーベリー(ラビットアイの2種類)を生け垣として植えました。南側フェンスに沿って、1坪をお花畑、1坪を菜園にして、残りの土にはベージュを主体とする3色のガーデングラベル(砂利)を敷きました。

2階から見た畑

庭の南東側(左)と南西側(右)。南正面に隣家がある。南西側には小さなニンジン畑と防虫ネットをかけた野菜の棚。

 お花畑と菜園の周りは、前の住人が大量に残していった大きめのレンガを3段に積み上げました。横着な私は、レンガを漆喰などで固定しなかったのですが、おかげで引っ越し後1年経ってから菜園を拡張するのに何の苦労もいりませんでした。

 庭造りの本を見ると、レンガを固定する方法が紹介されていますが、単純に積み重ねるだけでも十分土を保持できますし、必要な時に庭のレイアウトを変えられるという利点がありました。お子さんがレンガの上に立つなどという心配がない場合は、「形を変えられる庭」というのは、便利ではないかと思います。

  1坪の菜園スペースではそれほど多くの種類の野菜を育てるわけにはいきませんので、空いたスペースにおしゃれな棚を置き、プランターで葉ものを育てることにしました。鉄製の棚の幅に合わせて、45センチ幅のプランターをいくつか購入して、私の永田農法がスタートしたのです。