とっても簡単、栄養満点

 ルッコラはアブラナ科の野菜で、ほんのりゴマの香りがします。プラスチック製のずんぐりした植木鉢に鉢底石と用土を入れ、パラパラと密植ぎみかなと思うぐらいに種を蒔きます。温かい時だと数日で芽が出てきますが、すぐに間引かないで、2センチぐらいに伸びた頃を見計らって、そっと間引いていきます。

間引き前(上)と間引き後(下)

横に広がる野菜ではないので、芽の間隔は2~3センチぐらい開ければよいと思います。間引いた若芽はとても良い香りで、貝割れ菜の感覚でおいしく頂けます。

 我が家の朝食はパンと野菜、ハムというドイツ式なので、レタスでも、間引き菜でも、生ハムやチーズと一緒にパンにはさんで、がぶりと食べちゃいます。

うち野菜の間引き菜は、ちいちゃいけど栄養満点、「山椒は小粒で・・・」と同様、朝食の大切な引き立て役を務めてくれます。

伸びた外葉を収穫して、約1週間でこのように復活!

 若芽を卒業して、茎が伸びてきたら、土を少し追加します(土寄せ)。葉が育ってきたら、外側から掻き取っていきます。素手で葉をむしると茎に傷がつくのと、効率を考えると、先の細いハサミで刈り取っていくのが一番です。先っぽの小さな葉を数枚残しておくのを忘れないようにします。葉が大きくなったなと思ったら外側から刈り取る、週1回液肥入りの水やりをする。手入れはこれだけです。

 ただし、夏場は直射日光が当たり続けていると、葉がチリチリになるので、寒冷紗で日よけして、毎日水やりをするという注意は必要です。

 私は横着者で、毎朝の水やりはしなかったのですが、最初の夏は何の問題もなく乗り切り、常時ルッコラを朝食に供することができました。でも昨年の猛暑はさすがに厳しかったため、水やりをサボったツケは、「ルッコラの干物」という形で帰ってきました。

 実は、この植木鉢のルッコラとベビーレタスは引っ越して以来、一度も植え替えていません。茎が伸びきって収穫できなくなったなという段階で、葉をすべて取り去り、根が弱った頃を見計らって、そっと引き抜くと、スッと根が土から離れてくれます。そうやって、勤めを果たした茎と根を取り除き、空いたスペースに新たに種を蒔きます。この方法で、丸2年の間、新鮮で栄養価の高い野菜を収穫し続けることが出来ました。

虫除けに必ず防虫ネットをかけること。無農薬で食べたいですから!

3年目の学習

 2度の冬を過ごし、3度目の春の種まきはいつにしようかという頃から、これまで育ってきた葉っぱの元気がなくなってきました。新しい葉っぱがほとんど出てこないのです。

 新しい葉がでない→収穫しない→ほったらかし、という状態が1ヶ月ほど続いたでしょうか。定期的な水と液肥やりはきちんとしていました。

 ある日、今日こそは種を蒔くか、元気のない葉っぱを引っこ抜こうと思い立ち、プランターにかぶせてあった虫除けの寒冷紗をはずしました。すると、土は小バエのような虫だらけ、キェーッとなって、必死でプランターの中身を丸ごと大きなゴミ袋に入れて、ゴミステーションまで走りました。

 素人考えですが、植物の生長が止まった時点で何の処置もせず、水と肥料を与え続けたら、土壌のバランスが壊れて、植物を生かす力を失い、あとは植物をエサとする虫の住みかとなるのかと思いました。

 土の力の域値を超えると悲惨な結果になる。ベビーレタス類は2年が限度かも。というのが、3年目の学習です。

 3年目のもうひとつの学習結果として、今年は「ベビーレタスとルッコラの干物」を防ぐために種蒔き→発芽→その後に間引きしたときに、植え込み材に使用しているココピートを1センチぐらいの厚さに敷いてマルチングしています。

ココピートで土の表面を覆った。

 猛暑のせいで葉物が干からびてしまうことは予想できたので、日向土に混ぜるココピートの割合も多くしました。

 灼熱の太陽で奪われる水分を少なくするために厚くしたココピートのマルチング。9月に入り、曇りや雨の日が続くようになり、ハダニが巣くうようになりました。お陰で、繊細なルッコラは、ハダニに養分を吸われ、半ミイラ状態になってしまいました。

 やはり、水やりを横着しようとした私がいけなかったのかと反省しきり。

 ルッコラの土を回復させるべく、きれいに収穫してから、木酢液を約1000倍に薄めた殺菌水をたっぷりかけて、日光消毒しています。せっかくの土ですから、前みたいに、キャーッといって捨ててしまうつもりはありません。