まだまだ間に合う、インゲンマメ

マメ科の野菜について

 マメ科の野菜を栽培するかどうかは、長所と短所を知ったうえで決めれば良いと思います。

 長所:栽培が比較的簡単(種類によります)。肥料をあまり必要としない。害虫の心配がほとんどない。

 短所:栽培期間が長い。連作障害が顕著。ツルや葉が大きくなるので、ベランダ栽培の場合、場所を取りすぎる。

  畑に植える場合、栽培期間が長く、連作できない期間が長い(4~5年!)マメ科の野菜はそれなりに輪作できるサイズの畑が必要です。ということは、我が家の1坪畑にマメ科の野菜は[向いていない]ということになります。

 サヤエンドウが死ぬほど好きな私は、イヤ~ン、食べたいよーと思いつつ我慢しなくてはならない・・・ってことにはなりません。サヤエンドウもスナップエンドウも、収穫期にはしっかり頂いております。なぜなら 、 最近勿体ぶるのが趣味になって ^ ^;プランターなら毎年栽培できるからですあったりまえー。プランターで密植したら、毎年、旬の野菜をたっぷり楽しめますよー。

 永田農法では日向土がメインで、保水材としてココピートを混ぜ込んだ用土を使用しています。私は一つの野菜を収穫し終わるたびに用土を取り替えることはしません。なぜなら、フツーの畑で輪作できるなら、プランターでも輪作できるはずだと考えたからです。

 

《プランターの輪作》

 どの永田農法の指南書にも書かれていませんから、必読(拍手喝采の嵐!)

 畑で輪作できる野菜はプランターでも輪作できるのでは・・・と思ったのが発端・・・というほど考えた訳ではなく、単純に、使用済みプランターの用土を再生する手間を「メンドウだなぁ」と思って試しただけなのですが、まったく問題なく栽培できるということがわかったので、インゲンの項でご報告となったわけです。

 

 土の準備から種まきまで

 基本的な永田農法プランター栽培の準備です。

 種はネットで買いました。ホームセンターで蚊に喰われながら汗だくで説明書きを読むのもイヤなので、ネットで種を販売しているとこが送料無料のときに、各季節の野菜栽培計画立てながら、必要な種を、じっくり検討して購入するというのがお勧めです。

 多収という観点から、つるありインゲンを選びました。

選ばれしインゲンの種

 

 5月6日に種まき。ゴールデンウィークは年に一度の親孝行ウィーク。実家から泊まりに来てもらった母とワイワイ言いながらの楽しい種まきです。実は無理矢理見学させました(^ ^ ;)

 

  土は使用済みのもの

 プランター栽培での輪作は、1年サイクル  前年の夏から冬にかけて葉物を育てていた土を春に種まきするインゲンに使います。インゲンは8月にも種まきして秋に収穫できるので、こちらはミニ人参とラディッシュの土を使います。また、初冬に種まきするエンドウの土は、同年の春から夏の終わりまで栽培していたピーマンの土を使います。(ピーマンの前に葉物を育てていても大丈夫です)

 大ざっぱにいうとうちの輪作パターンは、葉物(レタスなどのキク科葉菜)→アブラナ科の根菜(カブ、ラディッシュなど)やアブラナ科の野菜(芽キャベツなど)→マメ科(インゲン、エンドウなどのマメ科果菜)となります。まだ4年目なので、葉物からマメ科やピーマンなどのナス科に飛んだりしますし、サイクルをしっかり確立するにはあと数年かかりそうです。

 輪作パターン 輪作のパターンは大抵の農業指南書に出ていますが、どんな野菜を毎年育てたいか、家族の好みなどを取り入れて、最終的には【我が家の輪作パターン】を確立するのが何よりだと思います。商業農家とは異なり、プランターの家庭菜園で、手間を省きたいというのが目的ですから、[収穫したら土を入れ替え]という無駄を無くすように考えてみるのが一番ではないでしょうか。ウチの1坪畑とプランター菜園もあと何年か経てば、次はこの野菜、次はこの野菜と、しっかりした輪作パターンができることを楽しみにしています。

 

 使用済み用土の消毒

 ほったらかしにしていた土には、小バエなどの虫がいるので、木酢液を500倍に薄めた希釈液をじょうろでタップリしみ込ませて、消毒しておきます。(そいでも小バエはわいてきますけど・・・)

鉢底石を置いたプランターに古土を移す

 

 珪酸カルシウム(ケイカル)とカキ殻石灰を混ぜ込みます。古土なので、通常より多めです。

ケイカルとカキ殻石灰を混ぜ込む

 プランターサイズは2種類:50×25×深さ20センチ(2条で6箇所に蒔く)と、60×25×深さ20センチ(2条で8箇所に蒔く)

 ふだん使っているプランターは65×20×深さ20センチで、これでもいいのですが、長~く伸びるツルのために、2メートル強という長~い支柱を立てます。いつものプランターでは安定が悪いので、大きめのプランターにしました。いっぱい作って、大好物の若いインゲンを冷凍保存するつもりです。

 種は一箇所に4粒まき、本葉がしっかり2枚出てから2本残して間引きします。

種を置く

 

液肥水をたっぷりかける

 乾燥したら発芽しないので、種の上に湿らせたココピートをかぶせておきます。マメ科の発芽は力強いので、多めにかぶせても大丈夫です。

ココピートで乾燥防止

 

 5月12日、めでたく発芽しました。

発芽

 

 種の元気度か、日当たりの違いかはわかりませんが、発芽直後は成長にばらつきがあります。だから余分に蒔いて、後で間引きするのね~と納得。

生育の遅いコたち

早熟なコたち

 

 支柱立て

 5月25日、支柱を立てました。しっかり組み立てること、下部をプランターにしっかり縛り付けて、分解しないように気を付けます。風が吹いて倒れたらたいへんですから。

支柱をプランターに縛り付ける

 

 6月3日、健やかに成長・・・といいたいところが、下の葉っぱが黄色くなりました。ベウキかなとビビッて、ハサミで切り取りました。土に被さるように葉が茂って蒸れたのか、小バエがかなりいたので、木酢液を薄めてじょうろでジャージャーと消毒。最近は小バエぐらいでギャーギャーわめかず、冷静に対処できるだけの根性がついてきました。

葉っぱが病気?

 

 写真に写っているエアコンは滅多に使わないから、プランターを前に置いても大丈夫です、念のため。

全体像

 

 6月14日、インゲンは緑のカーテンになるんだなぁと感心。プランター栽培だと、ときどき置き場や向きを変えられるので、不公平なく日光浴してもらえます。

伸びた伸びた!

 遠くにかすんで見えるのが六甲山です

いい眺め!

 

トマト、全滅の危機!

 トマトの生育は順調、大玉中玉プチトマトそれぞれ、1段目に連なる実が日々膨らむ様子を見るのが朝の楽しみ・・・・・・でした。その日までは・・・・・・。

 6月7日、夕方の水やりのため、庭に出てビックリ。トマトの畝周辺が水浸しになっているのです。ゲエエエ・・・昼間、庭仕事した際にバケツの水を流したから、トマトの畝周りの溝に水が溜まったのかなぁと、頭を掻き掻き水を掃き出そうと、小さなシャベルで水をジャバジャバ排水穴に向けて掻いたのですが、掃けども掃けども水は減らない。そういえば排水穴のお掃除をしてないから、詰まったかな、まぁ時間が経てば水は土に吸い込まれるだろうと楽観的に考えて、わずかな不安を無視しつつ床についたのです。

 6月8日朝、私より先に起きた家人が暗い顔をしています。私の悲鳴を予期していたのでしょうか。トマト周りの水たまりは無くなっていました。が、大玉と中玉トマトの苗は3本とも支柱ごと倒れ、茎は折れ、ちぎれた葉っぱがあちこちに散乱。テラスに置いていたお花の植木鉢も、大きな蘭の鉢も、庭の真ん中まで投げ出されていました。悲鳴はあげてないデス。

 テラスに設置してあった交換用タイヤ4本を載せたホルダーがひっくり返り、タイヤと植木鉢を投げ飛ばして、トマトに直撃したのでした。ホルダーを倒したのは他でもない、【水流】でした。

 プチトマトから50センチほど離れた場所の地下水管が破断して、水道全開状態の水が噴き出し、テラス周辺の土を家の基礎部分に押し流していたのです。ソウイエバ、きれいなお水が、湧き出ているって感じでした。

土がえぐられて

家の地下に流れ込んでいた

 ソウイエバ、前日あたりから、ダンゴムシが大挙して退去していたり(クダラナイ駄洒落)、見たこともないオケラのような虫がいて腰を抜かしたりしていました。これらは皆、少しづつ水が滲み出て、土が水浸しになっているサインだったのです。

  呆然とトマトの残骸を眺めること10分余り。見つめても見つめても現実だわ・・・。我に戻って、支柱を起こし、グニャリと曲がった茎はまっすぐにして、汁が出ている茎は折り取りました。ここで急いでハサミを使い、病気になっては、本当に全滅してしまいますので、手を使いました。ちなみに、トマトは水を少なめ少なめで育てるので、茎がポキリと折れることはほとんどありません。茎が折れるのは、水やりの直後だけです。しかし、丸1日も水道水の池に沈んでいた根っこは、少し触っただけで音を立てて折れてしまいました。

大玉中玉トマト、支柱を立て直した

折れ曲がった茎

2段目から上は取り去るしかなかった

 

 プチトマトは3本とも根っこごと引き抜き、大玉中玉トマトはマルチを取り去って、新しいと腐敗防止の燻炭と、ケイカル、カキ殻石灰を混ぜて植え直し、新たにマルチを張りました。はたしてトマトは復活するでしょうか。

 今年は大収穫を狙っていただけにショックではありますが、水道管の破断は誰のせいでもない、歴年の結果なので、受け入れるしかありません。昨年のプチトマトの土が変な湿り具合で、ネコブセンチュウの害を受けたのも、漏水のせいもあったのではないかと思います。

 怒濤の1日が終わり、土運び、鉢の移動などで、全身筋肉痛となりましたが、3日経って、トマトが生き残ったことを確心しました。

丈が低くなったプチトマト

熟し始めたトマトがいじらしい

この実は熟すでしょうか

このわき芽が頼みの綱

 

 プチトマトの実が熟し始めていました。真っ赤になった2つを朝食に戴きました。

初収穫

 お味は・・・・・・、水っぽい、スーパーで売っているトマトの味でした。しかたありません、水浸しだったのだから。

  今回の惨事で、改めて永田農法の【極限まで水を控えて育てる】手法で、濃厚な、世界一のトマトができていたのだと納得しました。今後はトマトの様子をしっかり観察し、土が乾いてきたことを確認するまで水も液肥も与えずに育てます。

 トマトの生命力を信じつつ・・・。

国産ニンニク、できました!

 にんにくって、種類によってというか、産地によって、何であんなに値段がちがうんでしょう。中国産なら3球入りで100円、青森産なら1球で250円から300円。中国産は1球に小さな片鱗が12個、青森産は大きいのが6片。中国産は、安くてウレシイ、けどなんだかなぁというモヤモヤした気になるのと、鱗片が小さくて、皮を剥いたりすり下ろしたりに不便、多すぎて腐らせること暫し。青森産は、なんといっても国産の安心度タップリ、皮が剥きやすい、鱗片は白くて美しいけど、二人暮らしの我が家には1片でも多すぎるときがある(お料理の種類によりますけど)。使い掛けのニンニクは冷凍したら長持ちしますが、風味が落ちるから、生で使いたい。中途半端やなー!と漫才師さんのように叫びたくなります。

 というわけで、自力で国産ニンニクを作ってしまえと決意を固めたのです。

 ニンニクは栽培期間が非常に長い、よって、ウチの1坪畑に植えるわけにはいきません。プランターでニンニクなんて作れるの?と、ネット検索すると、結構簡単みたい。さあヤルゾーと腰を上げたのは昨年9月のことでした。

 深めのプランターの方が良いだろうと、いつものホームセンターで198円也のプランターではなく、498円も出して野菜栽培用プランターというシロモノを購入しました。野菜用なんて謳い文句がついたものを買ったのは初めてではと思います。私は【汎用】(はんよう:一つのものを広く諸種の方面に用いること:広辞苑より)ってのが好きです。ナントカ用と名が付いただけで、値段は数倍になると思っておいた方がよい、というのが持論でアリマス。

 深めを買ったつもりなのに、メジャーでサイズ測定すると、深さは2センチほどしか違わない!アバウトな私は、自らのアバウトさを噛みしめ、もっと安いものが買えかもしれないのにと嘆きました。

栽培データ

 プランターのサイズは50センチ×30センチ×深さ23センチ。(20片ぐらい植えた)

 土は赤玉土3に対し腐葉土を1の割合で入れ、ケイカルカキ殻石灰を適当量混ぜ込みました。

 肥料は永田液肥2号を600倍に希釈して使用。

 水やり:冬場は週1回の液肥水のみ、春からはほぼ毎日(水が多すぎました、反省。)

9月6日、土は簡単にできました

 

 ニンニクの種類 早生ニンニク9月半ばに種球を植え、翌年5月~6月に収穫です。青森産で有名なホワイトニンニクは晩生で、収穫が7月になります。私が住む関西はほぼ熱帯といえる気候ですので、温暖な地方での栽培に適した早生を選びました。

 種球は3球ぐらいで500円弱だったと思います。よく覚えていない・・・10ヶ月も経つと忘れてしまう、恐ろし恐ろし。

 テラスの下で雨があたらない、冬場でも日当たりの良い場所にプランターを置きました。プランターの後ろにあるのは予備タイヤで、銀色のカバーがかかっています。

11月20日撮影

12月1日撮影

2月4日撮影

 芽掻き 発芽時の写真は取り忘れました。発芽してからしばらくして、同じ種球から2芽出ていると思われる箇所は、大きな芽をひとつだけ残して、あとはすべて掻き取ります。ここら辺はジャガイモ栽培と同じです。

 トウ摘み 4月に入ると、ニンニクの葉のてっぺんが膨らんできました。ネギ坊主ならぬ、ニンニク坊主(花芽)の出現、トウ立ちです。放置しておくと、花が咲いて、ニンニク球が収穫できなくなるので、トウ部分が適当に伸びたところで、付け根からポキッと折り取ります。なぜテキトウに伸びるまで待つかというと、トウを食べるためです。少しでも長い方が食べる量が増えるが、待ちすぎるとトウが固くなるという微妙なバランスを考えて、適当な所で折るのです。

 芽掻きとトウ摘み以外はほったらかしでした。春以降はテラスの下ではなく、雨のあたるところに置き換えました。これはニンニクのためではなく、夏場テラスの下がトマトのスペースになるから、土を乾燥させたかったという理由でした。

 害虫 ニンニクには虫などつかない、と思っていたのですが、虫がつかなかったのはタイヤの銀色カバーが虫除けになっていたからでした。ニンニクのような強烈な臭いのするものに虫がつくなんてビックリです。葉の裏についた真っ黒なアブラムシ、これはネギにつくアブラムシと同じ種類だそうです。ギャーと心の中で叫んで、水道のホースの水を勢いよくかけてアブラムシを洗い流しました。

 以後アブラムシは見ていませんが、その日を境にニンニクの葉が元気を失っていきました。ストチュウでも散布してやればよかったのですが、春は他の野菜の作業が多く、緊急性のなさそうなニンニクはひたすらネグレクトし続けてしまいました。

 収穫のサイン 5月に入ると、葉が少し枯れてきました。収穫のサインは、葉が枯れきったぐらいと(おぼろげに)記憶していたので、1個だけ試し取りしてみると、小さい球がついていました。ん~ん、収穫間近というのに、この成長ぶりではイケナイ、肥料をやるべし!と、毎日の水やりに加えて、液肥を3日に1回やるという無茶をしました。それが良かったのか悪かったのか、本日6月7日の収穫時には、葉の付け根、土と接触する部分が腐っているのが数本ありました。土には小バエが湧いているし、もう滅茶苦茶です。

 掘り上げると、球は腐った外皮に包まれていて、またまたギャー!しかし、貴重な収穫物、無駄にしてなるものかと、きれいに皮をとって水洗いしたら、なんと!こんなに素敵なニンニクが現れました。

なんとか無事だったニンニク

茎が腐っていた分の鱗片

 

 コスパフォ的には・・・ 収穫量は、最初の試し取り1個と、今日の収穫14個分、合計15個です。500円弱の種球すべてを植え付けたのではなく、3分の1はお友達に差し上げたので、1個につき23.3円(土とプランターの代金を除く)になります。

全部でこれだけの収穫(1個は食べちゃいました)

 

 滅茶苦茶なネグレクト栽培にもかかわらず、国産ニンニクが1個23円。大成功!ですよね。

 反省点 乾燥し始める春の水やりはほどほどに、密植しても育ちそう、害虫除けに(少しは)気を配るなどの点に注意していれば、20個は収穫できたと思います。

 栽培する価値アリ・ナシ? アリです!

 今日から新登場の野菜栽培につき、コスパフォ的にお勧め出来る野菜かどうか、栽培を振り返って反省する点、ウチの規模の家庭菜園で継続的に栽培する価値があるかないか(あくまで1坪畑とプランター栽培の場合です)、この3項目に関する評価をのせていきたいと思います。栽培の安易度については、虫が恐いとか、暑い中での作業が嫌いとか、1日に2時間以上は作業しないとか、本業と両立することとか、色々な要素が絡み合ってきますので、単純評価はできませんが、本文を読んで想像していただけば、ワタシにもできそーとか、感じ取って頂けるかと思います。

 今年の9月もまた、種球を買ってきて、今度は赤玉土+腐葉土と、日向土+ココピートの2種類の用土に植えて、色々な要素を比較してみようと思います。今度は全部植えて、倍の収穫をゲットするぞー!