国産ニンニク、できました!

 にんにくって、種類によってというか、産地によって、何であんなに値段がちがうんでしょう。中国産なら3球入りで100円、青森産なら1球で250円から300円。中国産は1球に小さな片鱗が12個、青森産は大きいのが6片。中国産は、安くてウレシイ、けどなんだかなぁというモヤモヤした気になるのと、鱗片が小さくて、皮を剥いたりすり下ろしたりに不便、多すぎて腐らせること暫し。青森産は、なんといっても国産の安心度タップリ、皮が剥きやすい、鱗片は白くて美しいけど、二人暮らしの我が家には1片でも多すぎるときがある(お料理の種類によりますけど)。使い掛けのニンニクは冷凍したら長持ちしますが、風味が落ちるから、生で使いたい。中途半端やなー!と漫才師さんのように叫びたくなります。

 というわけで、自力で国産ニンニクを作ってしまえと決意を固めたのです。

 ニンニクは栽培期間が非常に長い、よって、ウチの1坪畑に植えるわけにはいきません。プランターでニンニクなんて作れるの?と、ネット検索すると、結構簡単みたい。さあヤルゾーと腰を上げたのは昨年9月のことでした。

 深めのプランターの方が良いだろうと、いつものホームセンターで198円也のプランターではなく、498円も出して野菜栽培用プランターというシロモノを購入しました。野菜用なんて謳い文句がついたものを買ったのは初めてではと思います。私は【汎用】(はんよう:一つのものを広く諸種の方面に用いること:広辞苑より)ってのが好きです。ナントカ用と名が付いただけで、値段は数倍になると思っておいた方がよい、というのが持論でアリマス。

 深めを買ったつもりなのに、メジャーでサイズ測定すると、深さは2センチほどしか違わない!アバウトな私は、自らのアバウトさを噛みしめ、もっと安いものが買えかもしれないのにと嘆きました。

栽培データ

 プランターのサイズは50センチ×30センチ×深さ23センチ。(20片ぐらい植えた)

 土は赤玉土3に対し腐葉土を1の割合で入れ、ケイカルカキ殻石灰を適当量混ぜ込みました。

 肥料は永田液肥2号を600倍に希釈して使用。

 水やり:冬場は週1回の液肥水のみ、春からはほぼ毎日(水が多すぎました、反省。)

9月6日、土は簡単にできました

 

 ニンニクの種類 早生ニンニク9月半ばに種球を植え、翌年5月~6月に収穫です。青森産で有名なホワイトニンニクは晩生で、収穫が7月になります。私が住む関西はほぼ熱帯といえる気候ですので、温暖な地方での栽培に適した早生を選びました。

 種球は3球ぐらいで500円弱だったと思います。よく覚えていない・・・10ヶ月も経つと忘れてしまう、恐ろし恐ろし。

 テラスの下で雨があたらない、冬場でも日当たりの良い場所にプランターを置きました。プランターの後ろにあるのは予備タイヤで、銀色のカバーがかかっています。

11月20日撮影

12月1日撮影

2月4日撮影

 芽掻き 発芽時の写真は取り忘れました。発芽してからしばらくして、同じ種球から2芽出ていると思われる箇所は、大きな芽をひとつだけ残して、あとはすべて掻き取ります。ここら辺はジャガイモ栽培と同じです。

 トウ摘み 4月に入ると、ニンニクの葉のてっぺんが膨らんできました。ネギ坊主ならぬ、ニンニク坊主(花芽)の出現、トウ立ちです。放置しておくと、花が咲いて、ニンニク球が収穫できなくなるので、トウ部分が適当に伸びたところで、付け根からポキッと折り取ります。なぜテキトウに伸びるまで待つかというと、トウを食べるためです。少しでも長い方が食べる量が増えるが、待ちすぎるとトウが固くなるという微妙なバランスを考えて、適当な所で折るのです。

 芽掻きとトウ摘み以外はほったらかしでした。春以降はテラスの下ではなく、雨のあたるところに置き換えました。これはニンニクのためではなく、夏場テラスの下がトマトのスペースになるから、土を乾燥させたかったという理由でした。

 害虫 ニンニクには虫などつかない、と思っていたのですが、虫がつかなかったのはタイヤの銀色カバーが虫除けになっていたからでした。ニンニクのような強烈な臭いのするものに虫がつくなんてビックリです。葉の裏についた真っ黒なアブラムシ、これはネギにつくアブラムシと同じ種類だそうです。ギャーと心の中で叫んで、水道のホースの水を勢いよくかけてアブラムシを洗い流しました。

 以後アブラムシは見ていませんが、その日を境にニンニクの葉が元気を失っていきました。ストチュウでも散布してやればよかったのですが、春は他の野菜の作業が多く、緊急性のなさそうなニンニクはひたすらネグレクトし続けてしまいました。

 収穫のサイン 5月に入ると、葉が少し枯れてきました。収穫のサインは、葉が枯れきったぐらいと(おぼろげに)記憶していたので、1個だけ試し取りしてみると、小さい球がついていました。ん~ん、収穫間近というのに、この成長ぶりではイケナイ、肥料をやるべし!と、毎日の水やりに加えて、液肥を3日に1回やるという無茶をしました。それが良かったのか悪かったのか、本日6月7日の収穫時には、葉の付け根、土と接触する部分が腐っているのが数本ありました。土には小バエが湧いているし、もう滅茶苦茶です。

 掘り上げると、球は腐った外皮に包まれていて、またまたギャー!しかし、貴重な収穫物、無駄にしてなるものかと、きれいに皮をとって水洗いしたら、なんと!こんなに素敵なニンニクが現れました。

なんとか無事だったニンニク

茎が腐っていた分の鱗片

 

 コスパフォ的には・・・ 収穫量は、最初の試し取り1個と、今日の収穫14個分、合計15個です。500円弱の種球すべてを植え付けたのではなく、3分の1はお友達に差し上げたので、1個につき23.3円(土とプランターの代金を除く)になります。

全部でこれだけの収穫(1個は食べちゃいました)

 

 滅茶苦茶なネグレクト栽培にもかかわらず、国産ニンニクが1個23円。大成功!ですよね。

 反省点 乾燥し始める春の水やりはほどほどに、密植しても育ちそう、害虫除けに(少しは)気を配るなどの点に注意していれば、20個は収穫できたと思います。

 栽培する価値アリ・ナシ? アリです!

 今日から新登場の野菜栽培につき、コスパフォ的にお勧め出来る野菜かどうか、栽培を振り返って反省する点、ウチの規模の家庭菜園で継続的に栽培する価値があるかないか(あくまで1坪畑とプランター栽培の場合です)、この3項目に関する評価をのせていきたいと思います。栽培の安易度については、虫が恐いとか、暑い中での作業が嫌いとか、1日に2時間以上は作業しないとか、本業と両立することとか、色々な要素が絡み合ってきますので、単純評価はできませんが、本文を読んで想像していただけば、ワタシにもできそーとか、感じ取って頂けるかと思います。

 今年の9月もまた、種球を買ってきて、今度は赤玉土+腐葉土と、日向土+ココピートの2種類の用土に植えて、色々な要素を比較してみようと思います。今度は全部植えて、倍の収穫をゲットするぞー!


バナナピーマンと万願寺とうがらし、テラスにデビュー

 手のかかるペットを飼っている気分で過ごした70日でした。3月初旬に種まきして以来、ヒーターを入れても寒い日は温度が上がらないから電気あんかに取り替え、ポットが大きくなったから容器と電気あんかを買い足す、温泉旅行の際は育苗器を旅館に持ち込む等々、涙ぐましい努力の甲斐あって、晴れてプランターに植え付けるところまでこぎ着けました。

 プランターへの植え方は、他の苗と同じで、根っこをきれいに洗ってから、5センチぐらいにスッパリと切り取り、日向土とココピートをブレンドした土に植えるのです。字で書くとヤヤコシイ手順ですが、慣れるとサササッと30分ほどで完了します。

 とにかく暑い時ですから、手早く作業しないと、苗が萎れてしまいます。植え付け前に十分水やりして、人間で言うと「水で腹がパンパン」状態にしておきます。

 支柱の立て方

 植え付け時は短い支柱で、苗が倒れないようにしておきます。

 苗が根付いて、しっかりしてから支柱を立てます。支柱立ては植え付け直後というのが常道みたいですが、永田農法で日向土のプランターに植える際は、苗が根付いてからの方が良いと思います。せっかく植え付けた苗が、支柱を立てる作業中に根こそぎひっくり返ったり、葉っぱがちぎれたりと、苗にとって嬉しいことがないからです。根付いてから支柱を立てても、同じような事故は起こりますが、しっかり根付いていれば、苗が土から抜けてしまうなどという最悪の事態は起こりません。

 植え付けから約2週間の苗の様子です。強風にも負けないしっかりした支柱を立てました。

バナナピーマン

 

万願寺とうがらし(植付けが1週間遅かったので、仮支柱だけ)

アブラムシ除け

 赤と銀色のテープはアブラムシ除けです。2年前、初ピーマン栽培のときは、ストチュウを撒いても撒いてもアブラムシが付き、収穫に影響はなかったとはいえ、虫が恐い私はとっても嫌な思いをしました。キラキラテープを支柱に縛り付けて育てた昨年はアブラムシに泣かされることなく、楽に収穫を楽しめました。10月末頃になって、なんだかアブラムシが増えたなぁと感じましたが、気温が下がってきて、樹勢が衰え、アブラムシに対抗できなくなった徴でした。ピーマンは放っておくと、いつまでも実を付けているので、引っこ抜くのが可哀想で、片づける時機を逸しがちですが、初秋にアブラムシだらけになってきたら「ご苦労様でした、ごちそうさま」と感謝して引っこ抜きましょう。同じプランターで、土が足りない時は少し足して、ケイカルとカキ殻石灰を入れ、サヤエンドウとスナップエンドウの種まきに備えます。

 このキラキラテープはホームセンターで、安価で手に入ります。色は赤と銀、金と銀の2種類、テープの太さも3種類ほどありました。虫除けグッズは色々ありますが、ピーマンのアブラムシ対策としては、このテープで十分だと思います。ただし、アブラナ科の野菜(芽キャベツや小松菜など)は、アブラムシにとって、どんな危険を冒しても食らいつきたいぐらい美味しい香りがするようで、テープの効果はあまり強力ではありません。でも、ないよりはずっとマシ、複数の手段を駆使した方が効果も高まるので、お勧めです。

なぜ無農薬にこだわるか

 最初から、無農薬で野菜を育てようと決心して始めたわけではありません。

 私は、虫がコワイ。嫌いなのではなく、純粋にコワイのです。しかし、家庭菜園の先輩方が「白菜やキャベツがレース状になった」とか「周囲の農家から虫を飼っているのか」とお叱りを受けたとかいう情報を得て、虫と対峙せずに菜園はできないとだけは覚悟していました。

 

 農薬については、農薬を使用した作物を食べるのが云々というよりも、お米農家に嫁いだ友人の飼い猫が農薬散布後に死んだ、農薬使用後に人体に悪い影響があるなどという、使用による副次的影響が問題だなと感じていました。友人曰く、農薬の使用量を必要最小限に減らしたけど、完全無農薬での商業農業は無理とのこと。

 

 『コツのコツ』は、野菜によって、無農薬でもできるとか、害虫被害で大失敗に終わる可能性が高いから農薬は適期に適量使用すればうまくいくというように、農薬の上手な使用法を勧めています。

有機農法や永田農法以外の農業指南書には、たいていが、「農薬○○をいついつに散布・・・・・・」のように、使用するのが当たり前のように書いてあります。

 

ポイントを押さえた賢い農薬使用は、菜園の作業量を大いに軽減し、失敗を無くすことにつながるでしょう。と、秋に植えた大根が全滅した現在、実感しています。

 

 しかししかし、私の菜園では先に述べた自然素材の防虫・殺菌剤のみで育てる固い決心をしました。

 確かに大根は全滅しました。白菜もどうなるかわかりません。それでも、いいです。

 「収穫の○○日前まで使用可能」と説明書きが付いている薬剤には一切手を出しておりません。

 

 なぜそこまでこだわるか。理由は、私は私だからです(悪い意味で!)。

 まず、農薬を散布するための支度が面倒。帽子、ゴーグル、マスク、手袋、長袖長ズボンなどなど、考えただけで、頭がのぼせそうです(おばさんはすぐに頭がのぼせる^^;)

 O型性格丸出し-細かそうで大ざっぱ-な私のこと、農薬を薄める濃度を「あっららら・・・まっ・・・ちょっとぐらいはいいか・・・」てなことをやってしまったり、適量をスプレーするつもりが、葉っぱの表裏にザバザバにかけてしまい、結局枯らしてしまうのが明らかなので(例:いままで薬を使用したお花類はみな死亡;観葉植物などを剪定しては枯らすため家人から斬り殺しとのあだ名を付けられる)、自分のため、周囲のため、野菜のため、私は劇物を扱わないという信念を貫くことにします。

 

 手作り【ストチュウ】と【除虫菊のエキス】で追いつかないぐらい虫や病気にやられる野菜は、これから2年ほど、強い苗を育てる方法(別の機会にご紹介します)を導入して、それでだめなら、あきらめて、スーパーで普通に売っている白菜や大根を買うことにします。

 

 この2種類のいいところは、自然素材で、なめても大丈夫なところ。飲むのはお勧めしませんが。

 【ストチュウ】はニンニクと唐辛子が発酵した、激しい香りで、実際になめる気にはなりません。

 【除虫菊のエキス】は蚊取り線香のもとみたいな香りで、これも嘗めたくはないですが、嫌な臭いではありません。

 スプレーする量も、多すぎたから野菜が枯れるなんてこともないので、葉っぱを手で触り、裏返したり、邪魔になる葉をかき分けたりしながら、丁寧に散布できます。

 使用後に手荒れしたことは、一度もありません。

 

 【除虫菊のエキス】は商品として売っていますので、友人からプレゼントしてもらえない方は、ホームセンターやネットで購入できます。

 

  今度、白菜と大根を作るときは、【ストチュウ】のおダシと木酢液の配分を変えて、ニンニク唐辛子をガッツリ効かせてみようと考えています。

 

自家製ストチュウの作り方と使用法

1.ニンニクと唐辛子を焼酎に1ヶ月以上漬けた液-ストチュウのおダシを用意しておきます。

2.1の原液を木酢液に混ぜます。(1:4ぐらいの割合・・・かな)

(左)3年前に作った―おダシ  (右)これも3年前に作った―ダシを木酢液で割ったもの

3.2を1000倍に薄めたものを、スプレー容器に入れて、葉っぱや土に散布します。

無農薬で、できるかなぁ・・・

 いわゆる【農薬】は使っていません。

 友人から頂戴した自家製【除虫菊のエキス】と、私の手作り【ストチュウ】だけです。

 普段は殺菌剤、防虫剤として手作りストチュウをスプレーします。

 頻度は、週1回・・・といいたいのですが、ついついさぼって虫が付いてしまい、【除虫菊のエキス】のお世話になっています。

『しっかり育つよ! ベランダ永田農法』(著者:たなかやすこ、発行:集英社)で【野菜に安心な防虫剤】という呼び方で、この【ストチュウ】(厳密にはストチュウとは違うみたいですので、括弧でくくります)の作り方を紹介しています。

 著者のたなかやすこ氏は、【ストチュウ】だけで、防虫対策は万全と書いておられますが、我が家の庭とテラスは環境が異なるためか、使用頻度が足りないためか、はたまた【ストチュウ】自体の作り方に問題があるのかわかりませんが、とにかく、虫はつきます。

最初のうちは【ストチュウ】を1000倍に薄めたものをプシュプシュとスプレーして、殺菌、防御。そして、ある日アブラムシや、コナガ・アゲハなどの幼虫を発見して、キャーとあわてて、【除虫菊のエキス】を500倍に薄めた液をスプレーするという状況を、この3年間繰り返しています。

【除虫菊のエキス】は結構効きます。ただ、雨が降ったりすると流れてしまいます。

 また、野菜に残留して効果が持続するわけではありません。

アブラムシが大量発生した時は、1週間に1度【除虫菊のエキス】のスプレーを2回ぐらい行えば、しばらくは収まります。一旦虫を退治して、また【ストチュウ】で殺菌し、また虫が付いたら【除虫菊のエキス】をスプレー・・・・・・という繰り返しを二回りぐらいするうちに収穫期を迎えます。

葉菜類には、収穫した時にアブラムシ(生死の如何は不明。知りたくもありませんし^^;)がくっついていることが多いので、大きなボールに入れて、水道水に1時間以上浸してから、ザルにあげて、食す、または密封容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保存することにしています。