藁に守られてすくすく育つ。
ショウガの保存-失敗の後始末
せっかくのショウガを半分ダメにしてしまったショックのため、しばらく呆然としていましたが、このまますべてを腐らせるのはあまりにもったいない。少々痛んだショウガでも使い道があることに気づき、さっそく仕分け作業に取りかかりました。
このぐらいのショウガはすり下ろして、ラップの上で薄っぺらな板チョコみたいに広げて、冷凍しました。おろしショウガの冷凍はとても便利です。
痛みかけているのはスライスしたり、小さめに切り、ザルに広げて乾燥させました。
カリカリになった乾燥ショウガを電動ミルで粉にして、生姜パウダーとして利用します。
ショウガの保存-新聞紙の効き目
年末に収穫したショウガを新聞紙にくるんで土に埋めておいたのですが、なんとなく、いや~な予感がしました。私は少々霊感というか予知能力というか、「なんとなく○○」という感が働くのです。
突然、ショウガがピンチに陥っているという波長がビビッときたのでした。
すぐに土を掘り返してみると、やはり、新聞紙がかなり湿って、ショウガの端っこが柔らかくなっていました。取り出すと、あぁぁぁ白いカビが少しついています。新聞紙のインクで腐敗防止になるなどと甘い考えをもったことを深く反省・・・。
あまりのショックで写真を取り忘れました。
カビたところをナイフで切ると、外側から黒ずんできていました。これは、腐りかけの兆候です。
痛んだ所を全部取り去ったら、せっかくのショウガは、半分の量になってしまいました。
どこに何を植えるか
たった1坪の土と、プランターだけで、食事に必要な野菜をできるだけ多くまかなおうという、思い上がった計画を実現するために、日々私が考えてきたのは、どこに何を植えるか、どれくらいの大きさのプランターや鉢で栽培するかということです。
考えるといっても、基本的な要件は確定しています。
基本要件:栽培期間が長いものはプランター栽培。畑に植える優先順位1番は人参。
私がもっとも重点を置いているのは、人参の栽培です。というのも、私は人参が大好きで、イギリス留学時代は、毎日昼食にリンゴ1個と人参1本ずつを囓っていたほどです。
日本の人参はイギリスのものとは味と価格が段違いなので、毎日の丸かじりこそしていませんが、我が家の冷蔵庫に人参がないなどということはありえません。週単位での人参消費量は、日本人平均の数倍を軽く上回る自信があります。(自慢することではないですけど・・・)
余談になりますが、イギリスで小遣い稼ぎとして日本語会話を教えていた当時の生徒が、嬉しそうに人参を皮ごと食べる私を軽蔑したような目で見て、「貴方は土壌の残留農薬が恐くないのか」と一言。以来、皮は分厚く剥くようにしました。皮付きのまま、泥をたわしでこすり落として食べるのが一番美味しかったんですが・・・。
そういう経験もあり、農薬を一切使ったことのない安心な我が家の土で人参を作れるのは、幸せの一語に尽きます。
今の家に引っ越してから最初の1年半、畑では人参ばかり作っていました。人参畑の傍らではプランターで朝食用のベビーレタスとルッコラをプランター栽培。
我が家の庭は、南側に道をはさんで3階建ての家があるので、畑の南より、もっとも日当たりが悪い角地40センチ四方(Aの区画)は三つ葉ぐらいしか育たないと思い、他の野菜は試していません。それに隣接する40×100センチのB区画では、夏場はキュウリ、それ以外の期間は春菊を植えています。
40センチという微妙かつ中途半端な数値は、実際に人参や小松菜、ほうれん草などを季節ごとに植えてみて、その区間では日照不足のため、葉が育たないということが明らかになった上ではじき出した、精密かつ確実な値です。
植え床は畝を立てるので、40センチの畝プラス10センチの溝部分が日照を余り必要としない限定野菜区域となります。残りの約100×100センチの土(Cの区画)では人参でも育ちます。前述のように南端に日が当たらないので、北(テラス側)に行くほど人参のサイズは大きくなり、ほうれん草などの葉野菜もよく茂ります。
人参を植えていない間、空いた土に栽培期間の短い葉野菜を植える場合は、南から小松菜、ほうれん草という順で植えていきます。小松菜は少々日当たりが悪くてもなんとか育ちますが、ほうれん草は日当たりが悪いとあまりにひ弱で、(それでも!?)スーパーで売っているものと変わりないものしか出来ません。南のフェンスから離れるごとに株が大きく育っていくのを目の当たりにして、太陽の恵みのありがたさを感じます。
しかししかし、そんな状況の畑であれ、色んな種類の野菜を自分で作りたいという欲がどんどん出てきて、野菜作りの本を買い込み、ネットで種や苗を注文したりと、2年目では少々散財をしてしまいました。
3年目になり、少しは地に足がついて、「基本要件その1」だけは確定しました。
地に足がついたわりには、年間計画をしっかり作らないままの、気まぐれな野菜作りでした。
ネットで種のセールをしているとか、送料無料とかいう呼び込みに簡単に乗っかって、やたらめったらプランターを買い込み、種を蒔き、失敗し......という結果になったことを反省しています。
どこに何を植えるかを決める前に、いつ種を蒔くか、いつ苗を買ってきて植え付けるかをしっかりと確認しなければなりません。
昨年は、気まぐれに色んな野菜に挑戦したお陰で、栽培の難しいもの、比較的優しいものがなんとなくわかったつもりです。
優先順位1番の人参だけで小さな畑を占領するのではなく、人参の栽培期間前後に畑を有効に使える早春と夏の野菜を植えてみたいと思います。
2012年栽培計画を作る
新年の仕事始めとして、野菜たちに液肥を撒きました。これから、1年の植え付け計画(どこに何を育てるか)と種まき計画(いつ種を蒔くか、苗を植えるか)を作成します。
種まきの適期:外気温と発芽気温、生育気温の確認
永田農法の指南書だけでなく、ほとんどの菜園マニュアルには、「種まき(または苗の植え付け)は○月上旬から△月中旬に」と書いてあります。でも、カレンダーによる栽培計画では、種が発芽しなかったり、売っている苗がヘロヘロだったりという困った事態が起こり得ます。
なぜか。 それは、実際の気温が発芽気温よりはるかに高かったりするからです。
昨年10月は特に残暑が厳しく、涼しい気候を好むレタス系がなかなか発芽しませんでした。
発芽の遅れが成長の遅れとなり、日照時間が短くなって更に悪条件となってしまい、それが更に生育を遅らせることになりました。結果として、予定では今ごろ食べているはずのレタスや白菜がまだできあがっていません。
今年の秋は暑いなぁと思ったときにすぐ、種まきしたプランターを、直射日光カンカン照りの南側テラスから、比較的涼しい北側テラスに移動するとか、寒冷紗で少し日よけするとかの対策を取るべきだったのに、漫然と芽が出ないよ~と待っていたのは大失敗でした。
カレンダー任せではなく、実際の気温に注意して、種まきから発芽までの間、必要な対策をとって、適切な時期に野菜が生育できるようにしなければなりません。
種袋の表示で1年に栽培する野菜のデータを表にする
これまでの3年間は、永田農法の指南書数冊をお手本にして、栽培計画を立てていましたが、それよりも、種の袋に大抵表示されている、詳しいデータを利用するのが賢明だと気づきました。
種の袋にデータがない場合、ネットで種苗販売しているサイトで検索すれば、育て方が詳しく書いてあるので、それも利用します。
畑の面積、テラスに置けるプランターの数には限度がありますから、以下の表に基づいて年間の植え付け計画と種まきを作成することにします。
一番注意しなくてはならないのは、種まきの適期です。日本が熱帯化しているかと思えるほど平均気温が上がっている昨今、種まきにちょうど良い時期を逃すと発芽しないこともあります。私は昨年、温度管理に失敗して、せっかく種をネットで購入していながら、発芽せず、苗を買うために、あわてふためいてホームセンターに駆けつけたことがなんどあったか・・・・・・(/_;)。
わざわざ自分で表を作らなくても、年間の栽培計画や輪作のモデルを載せている指南書がたくさんあります。とはいえ、畑とプランター栽培を組み合わせて、あまり市場に出ていない野菜を作ろうという私の場合、やはり、自力で計画を立てなくてはなりません。
種を保管している缶からすべての種袋を出して、この1年で植えたい野菜をピックアップ。それから、必要なデータを足していきます。
まずランダムに書き出して、植える順にパソコン上で並べ替えました。適期を逸してはいけない、もしくは忘れてはならない大事な野菜は*印をつけて、太字にして目立つようにしました。あとは苗などを買って植え付ける野菜を表に書き込めば、表は完成します。
種まき期間が3月からと記している野菜は、実際ではビニールトンネルをかけると、1月からでも発芽・栽培が可能です。
種まき計画表
適期を厳守する野菜には*印
野 菜 |
種まき期間 |
収穫期間 |
発芽適温 |
生育適温 |
発芽日数 |
ミニ人参 | 1月~3月(トンネル) | 4月~6月 | 15~25℃ | 18~21℃ | 5~7日 |
中型大根 | 1月~5月(トンネル) | 4月 | |||
金町小かぶ | 2月~12月 | 周年 | 20~25℃ | 10~25℃ | 3~5日 |
小松菜 | 2月~12月 | 周年 | 約25℃ | ||
エンダイブ | 2月~4月 | 5月~6月 | 約20℃ | 15~20℃ | 2~4日 |
時無小蕪 | 3月~5月 | 5月~7月 | 20~25℃ | 10~25℃ | 3~5日 |
白ラディッシュ | 3月~11月 | 5月~翌2月 | 15~30℃ | 17~20℃ | 3~5日 |
赤ラディッシュ | 3月~10月 | 4月~翌1月 | 約25℃ | 17~20℃ | 3~5日 |
うまい菜 | 3月~11月 | 周年 | 約25℃ | ||
サラダ菜 | 3月~11月 | 5月~翌3月 | 15~20℃ | 15~20℃ | 4~6日 |
*半結球ミニレタス* | 2月~3月 | 4月~6月 | 15~20℃ | 15~20℃ | 4~6日 |
ペパーミント | 3月~6月 | 6月~10月 | 20~25℃ | 15~25℃ | 10~15日 |
ミニ人参 | 3月~4月 | 6月~7月 | 15~25℃ | 18~21℃ | 5~7日 |
ほうれん草 | 3月~5月 | 5月~8月 | 約20℃ | 6~10日 | |
チマサンチュ | 3月~10月 | 5月~翌1月 | 15~20℃ | 15~20℃ | 4~6日 |
にら | 3~4月、9~10月 | 周年 | 20℃前後 | 20℃前後 | 10~14日 |
コリアンダー | 4月~6月 | 5月~7月 | 20℃ | ||
セージ(多年草) | 4月~5月 | 7月~11月 | 20℃前後 | 15~20℃ | 7~15日 |
オレガノ(多年草) | 4~6月、9~10月 | ||||
バジル | 4月~6月 | 6月~10月 | 20~25℃ | 20~25℃ | 5~10日 |
春菊 | 周年 | 周年 | |||
うまい菜 | 3月~11月 | 周年 | 約25℃ | ||
*ズッキーニ* | 2月~4月(育苗)4月~5月(直まき) | 5月~7月6月~8月 | 25~30℃ | 20℃前後 | 5~7日 |
白瓜 | 4月~6月(直まき) | 6月~10月 | 25~30℃ | 20~30℃ | 4~6日 |
ガーデンレタス・大株 | 2月~5月 | 5月~6月 | 20℃前後 | 15~20℃ | 2~4日 |
エンツァイ | 5月~8月 | 6月~11月 | 20~25℃ | 15~25℃ | 18~20日 |
*ショウガ* | 4月~5月 | 10月~11月 | 15~18℃ | 15~30℃ | |
*芽キャベツ* | 7月 | 11月~3月 | 20~25℃ | 15~25℃ | 3~6日 |
*人参* | 7月~9月 | 11月~3月 | 15~25℃ | 18~21℃ | 5~7日 |
ミニ人参 | 7月~9月 | 10月~12月 | 15~25℃ | 18~21℃ | 5~7日 |
*半結球ミニレタス* | 8月~9月 | 10月~12月 | 15~20℃ | 15~20℃ | 4~6日 |
*ミニ白菜* | 8月~9月上旬 | 10月~12月 | 20~25℃ | 20℃前後 | 3~5日 |
*エンダイブ* | 8月~9月 | 10月~1月 | 約20℃ | 15~20℃ | 2~4日 |
中型大根 | 8月~11月 | 10月~3月 | |||
ほうれん草 | 8月~12月 | 10月~3月 | 約20℃ | 6~10日 | |
大根(秋まき) | 9月 | 11月~12月 | 15~30℃ | 17~20℃ | 3~5日 |
コリアンダー | 9月~10月 | 10月~12月 | 20℃ | ||
ガーデンレタス・大株 | 9月~11月 | 11月~2月 | 20℃前後 | 15~20℃ | 2~4日 |
チマサンチュ | 3月~10月 | 5月~翌1月 | 15~20℃ | 15~20℃ | 4~6日 |
ほうれん草(秋) | 10月~12月 | 11月~3月 | 15~20℃ | 15~20℃ | 6~10日 |
ミックスサラダ | 周年まき | 30日後 | |||
時無小蕪 | 6月~10月 | 10~2月 | 20~25℃ | 10~25℃ | 3~5日 |
*サヤエンドウ* | 11月下旬~12月 | 4月~6月 | 20℃前後 | 15℃前後 | 4~6日 |
*スナップエンドウ* | 11月、3月 | 5月~7月 | 18~20℃ | 12~20℃ | 5~8日 |
ほぼ1年中種まきできる野菜
白ラディッシュ | 3月~11月 | 5月~翌2月 | 15~30℃ | 17~20℃ | 3~5日 |
赤ラディッシュ | 3月~10月 | 4月~翌1月 | 約25℃ | 17~20℃ | 3~5日 |
うまい菜 | 3月~11月 | 周年 | 約25℃ | ||
サラダ菜 | 3月~11月 | 5月~翌3月 | 15~20℃ | 15~20℃ | 4~6日 |
金町小かぶ | 2月~12月 | 周年 | 20~25℃ | 10~25℃ | 3~5日 |
小松菜 | 2月~12月 | 周年 | 約25℃ | ||
ガーデンレタス(大株) | 2月~5月9月~11月 | 5月~6月11月~2月 | 20℃前後 | 15~20℃ | 2~4日 |
ミックスサラダ | 周年まき | 30日後 | |||
チマサンチュ | 3月~10月 | 5月~翌1月 | 15~20℃ | 15~20℃ | 4~6日 |
ベビーレタス | 3月~6月8月~10月 | 4月~8月9月~翌1月 | 20℃前後 | 15~20℃ | 2~4日 |
ルッコラ | 3月~6月9月~11月 | 4月~8月10月~1月 | 15~20℃ | 15~20℃ | 4~7日 |
ほうれん草-9月に種まき、3ヶ月半でやっと……。
エンドウ苗の年越し準備 その1
順調に芽が伸び始めています。
昨今の関西地方の気候は、年が明けるまでさほど冷え込むことはありません。かといって、若くて折れやすいエンドウ苗を放置していたら、年末年始の忙しさであたふたしている間に2月に突入、苗が風にあおられて、ちぎれ、そこからバイ菌が入って病気になったりという事態になりかねません。
(同じマメ科のスイトピーは、支柱を立てたにもかかわらず風に振り回されて死亡しました(T_T))
土の表面は、藁で保護するのがよいと何かで読みました。そこで登場するのが、ショウガの茎です。
収穫前のショウガの葉と茎は枯れて、ほのかにショウガの香りがする、良い保護材になると確信して保管しておきました。
寒い中、けなげに伸びるエンドウの苗が風に振り回されないように、竹などで押さえておくのも効果的です。
ショウガの保存
さて、収穫したショウガはどのように保存すればよいか、育て始めたときからの懸案事項でした。
ネット検索してみると、ショウガの長期保存はとっても難しそうです。
ショウガは冷たすぎるところ、乾燥しているところで腐ってしまう。最適温度は15℃とのこと。
冷蔵庫では温度が低すぎます。一番確実そうなのが、土を1メートルぐらい掘り、瓶に入れたショウガを埋めておくという方法でした。
しかし、1メートルの穴を掘るのはものすごく大変です。
今の家に引っ越して、以前は鉢植えだったブルーベリーを庭に移植した時、ピートモスの土壌にするため、深~い穴を掘りました。最初はシャベルで、後は穴に潜り込んで土を移植ゴテで掻き出して、上半身は穴に埋もれていました。サスペンスの犯人になって、遺体を埋める穴を掘っている気分でした。
穴を掘る場所もなし、瓶もなし、まあ冬場は土に埋めておけばいいか。直接埋めるのはまずいみたいだから、新聞紙でくるんでおけばインクが腐敗防止になるかもと、我流のショウガ保存方法を試すことにしました。
ショウガの収穫後の土は、来年畑に戻すつもりなので、土を再活性するために竹炭(殺菌用)と化成肥料(残渣の分解用)を混ぜ込みました。
やったね。大成功!
待ちに待ったショウガの収穫です。
栽培に使用した杉桶いっぱいのショウガが採れました。
もし畑に植えていたら、もっともっと大きなショウガに育ったことでしょう。
来年は畑に植えるぞー!!
乾燥した芝生で守って育てたショウガの葉と茎は、芳しいショウガの香りがするワラに変身しました。
このワラは、11月に種まきしたサヤエンドウとスナップエンドウの保護に使います。これだけショウガの香りが強ければ、良い虫除けになること間違いなしです。
植物を無駄なく使っていると、我ながら感心ひとしきり。