突然の稲刈

 突然ですが先週末の3連休で稲刈をしました。塩田平でも早い方です。まさか、自分がこの時期に稲刈をすることになるとは思ってもみませんでした。というのも、周りより種蒔きが2週間近く遅かった上、直播きで有機農法なので、成長が遅めのはずだからです。例年の稲刈は、周りの田んぼが全て刈り終わった後でした。塩田平でも前の週から、ちらほらと稲刈をする田んぼが出始めていました。忙しかったしまだまだと思っていたので、わが家の田んぼの面倒はパートナーに任せていました。ただ、そろそろ稲刈に備えて、田んぼから水を抜く時期を検討し始めたほうがいいな、と思っていたぐらいです。そこで土曜日に、各田んぼの籾の成熟状況を確認に行って驚きました。

 家の近くの4枚の田んぼのうち1枚だけですが、もう稲刈した方が良さそうです。隣の田んぼで朝から稲刈が始まったとは聞いていたのですが、わが家とは関係ないと思っていました。こんなに早いはずはないと、いくつもの穂の稔り具合を調べましたが、稲刈できそうです。去年の稲刈は10月の初めでしたから、2週間以上早いことになります。いつまで水を入れるか決めるために見に行ったわけですが、早く乾かさなくては。幸い水が減ったところで表面水はありません。少しでも乾燥させるために、畦の漏水防止シートを引き抜きました。幸い3連休に母と妹が東京から手伝いにきてくれました。野菜の種蒔きや、掘り残しのジャガイモを手伝ってもらう予定だったのですが、稲刈が優先です。

 まだ時間があると思っていたので、バインダー(稲刈機)を整備していません。年に1度しか使わないので、キャブレターが詰まってしまうことが多く、オーバーホールが必要だと時間がかかります。田面が乾燥してくれないとバインダーが埋まって大変なので、その面では開始が遅れれた方が良いのですが、整備に時間を食ってしまうと3連休も終わってしまうし、母と妹も帰ってしまいます。翌朝はバインダー整備のために早起きしました。機械置き場に行ってみて、しまった、と思いました。バインダーの手前にパレットに乗った別の機械が鎮座しているではありませんか。さらにその機械の手前にも、薪の山を放置したままでした。バインダーは雑草に覆われて形すら見えません。

 原発事故でストックした薪が使えなくなってしまい、わが家の薪事情は大変なことになっていたのでした。最近入手した廃材や製材の端材がそこここに積上っているのです。まあ良い機会です。運搬車と軽トラを持ってきて、全員総出で薪の移動からです。薪を整理途中の物置に仮置きし、機械を移動し、雑草を刈ってバインダーを引き出しました。大きな異常はなさそうです。クリーニングして注油し、ガソリンも大丈夫そうだったので、リコイルを引いてみますが、全くエンジンがかかる気配がありません。キャブレターのカップを外してみたところ、中はきれいです。???。どうも中に入っているのがガソリンではなく水のようです。原因は不明ですが、カップとガソリンタンクを空にし、新しいガソリンを入れたところ、何とすぐにエンジンがかかりました。

 若干回転が不安定で、ニードルのクリーニングをした方が良さそうですが、とにかく動いているうちに稲刈を始めなければ。田んぼの稗取りをしてもらっていたみんなを呼びに行き、田んぼにバインダーや運搬車、稲架の材料などを運んだところでもうお昼過ぎです。仕方ありません。稲刈の開始は午後からです。お昼は素麺で涼んで、早速稲刈を始めました。ちょっと苦戦しましたが、まあまあのスピードで刈り進みます。ただ、すごい暑さです。真夏なら、機械を支えながら早足で歩けば気が遠くなるので、真夏よりはましなのでしょうがとにかく暑い。最近の農作業は機械頼りなので、最初のうちはバインダー(稲刈機)を操作する人、つまり自分以外はやることがありません。また他の田んぼの稗抜きに行ってもらいました。

 ある程度刈ったところで、刈り終わった場所に天日乾燥のための稲架を立て、他のメンバーにはバインダーが刈った稲束を稲架に掛けてもらいます。掛けるのは3人がかりですが、バインダーが刈る方がはるかに早いので、田面に稲束が広がって行きます。それでも、半分ほど刈ったところで暗くなり始めました。稲架には半分も掛かっていませんが、天気予報では雨は降らなそうなので、藁束はそのままにして、その日の作業を終えました。半日で刈り終わるかと思っていましたが、半分刈れたか刈れなかったか。バインダーの整備や操作、稲架立てができる人がいないので、一人しか作業していない時間がほとんどだったのが、進まなかった理由のようです。

 稲刈2日目の昼頃には終わるかと思っていましたが、稲は刈り終わったものの、稲架掛けは終わりませんでした。運搬車は簡単に使えるので、遠くから稲束を運んでくるのも大変ではなかったのですが、稲を掛ける人が2人だったこともあり、2/3掛け終わったぐらいでしょうか。さらに2日目の最後に大変なことが起こりました。バキッ、と大きな音がしたので見に行くと、1本の稲架が折れて倒れています。数カ所を三脚で支えているのですが、三脚の1つの組み方が甘かったらしく崩壊し、横棒が重さに耐えきれず折れてしまったのです。不幸中の幸いは、少し稲束を下ろせば稲束ごと人力で持ち上がったことです。折れた横棒を立て直した三脚の上で重ねて、何とか元の形になりました。

 ただ、通常稲束を2段重ねるのですが、折れた部分は1段に抑えたので、その分他の稲架を長くしなければなりません。最終的に3日目の午前中2人で稲架掛けして、落ち穂拾いも含め完了しました。のべ5-6人日かかったことになります。時間がかかった主な理由は、バインダーの結束紐が切れたり、結束ミスが出たりしたことのようです。結束機構のケースを開けて切れて絡まった紐を外し、紐をセットし直すのに10分以上かかるからです。結束できなかった稲束を集めてきれいに揃え、手で結ぶのも非常に時間がかかります。丸々1人取られてしまう位です。綿マルチ栽培では、田んぼの際まで稲が育ってしまうので、この部分を手刈りして手で結ぶのもかなりの手間です。次の田んぼの稲刈までに、バインダーの結束機構を分解整備した方が良さそうです。

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