播種機を整備する

 減反田を耕し終わったので、やっと麦の種蒔きです。今日は朝から雨の予報だったのですが、幸いたまに霧雨が降る位で、5時起きで9時に耕し終わりました。天気はもう少しもちそうです。雨になる前に種蒔きに取りかかりたいところですが、その前に播種機の整備です。泥縄で困ったことですが、大馬力で整備を始めました。

 麦の種蒔きは、大面積になると手蒔きでは大変です。ばら蒔きしてしまえば簡単なのですが、除草ができません。慣行農法なら、除草剤を撒いてしまえばお仕舞いでしょうが、毒を撒きたくない有機農法では、除草しやすいように条蒔きします。

 3年くらい前に中古の播種機を買ったのですが、その時1度も使わないまま人に貸してそのままになっていました。去年大豆を作った時も、播種機があればなあ、と思ったのですが、蒔き遅れそうだったので手蒔きしてしまいました。麦蒔きは大豆ほど簡単ではないので、お願いして播種機を返してもらいました。

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 これが播種機です。

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 トラクターのロータリーの後ろに付けて、砕土しながら種を蒔いて行きます。

 もともとは4連、つまり播種ユニットが4つ付いた4条蒔きの機械です。ただ、4条ですと、条間が最大でも35センチにしかならないので、管理機で除草するには狭すぎます。知人は2連で使っていたようですが、播種時間節約のために、3連にしてみました。友人が外したユニットは畑にシートをかけて置かれていたのですが、残念ながら激しく錆びています。1台付けてみたのですが、回転部が動かず、かなりの整備が必要そうです。残った1台に交換してみたところ、幸い何とかなりそうです。

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 均等な幅にしたいところなのですが、真ん中は播種機構駆動用の車輪が付いていて、ユニットを真ん中には付けられません。幅が狭い方は55センチ離すのが精一杯です。初めて使うので、種がどの程度の幅に播かれるのかもわからないので、これで除草できるか謎です。家にある管理機の幅が60センチで、70センチあれば除草できることは分かっていますが、条間が狭い方が収量が上がります。端の爪を外せば除草幅は少し狭く出来ます。

 播種機を使うのも初めてなので、今回は55センチと60センチの条間にしてみました。トラクターがUターンした時の幅を70センチにすれば、3種類の条間を試すことが出来ます。時間が無いので往復の幅を正確に維持できなくても、70センチなら余裕があります。

 ただ、プラスチック部品があちこち割れています。このままでは種を蒔く前にバラバラになってしまいます。エンジニアリング・プラスチックでしょうが、農機のように力がかかる装置は厳しいようです。もっとも、複雑な機構の播種機が古くなっても動いてくれるのも、固体潤滑や錆びないプラスチック部品のおかげでもあり、あまり文句は言えません。

 いずれにせよ、全く注油されていないようなので、そこら中に注油して、割れた部品はとりあえず紐で縛るなどの応急処置でごまかし、早速テストにとりかかりました。

 2回耕してはありますが、ロータリーでさらに土を細かく砕いたところに種を蒔いて行きます。ロータリーで耕したい深さにすると、播種機が中に浮いてしまい、種が蒔けません。播種機にも調整機構があるのですが、一杯に下げても地面に届かないのです。この春から使っているトラクターですが、譲ってもらった時の状態のまま使っていたのですが、よく見るとあまり良い調整ではありません。3点リンクやロータリー自体を調整し直しました。

 ロータリーの高さを調整する尾輪も播種ユニットに当たるようです。尾輪が無くても、面倒ですが油圧で高さは調整できるので、尾輪は外して、播種機の位置も一番前に変更しました。これで種が蒔けそうです。ここまでで2時間かかってしまいましたが、幸いまだ雨は降ってきません。

 減反田に持って行き、麦の種子を入れて試し蒔きをします。農機は仕事が速くてありがたいし、作業機を付け替えれば色々なことが出来て大変助かるのですが、作業機の交換や調整に非常に時間がかかります。それでも全体の時間は大幅に短縮されるので、文句を言うべきではないのですが、気分的に調整の時間は短くしたくなります。

 実はこの調整が非常に大事です。特に播種量はちゃんと調整しないと、途中で種が無くなってしまったり、大量に余って蒔き直しになったりします。播種ユニットに、蒔きたい量にするにはどうすれば良いか書いてあります。目安にはなりますが、そのまま信用するわけにはいきません。種子の大きさや形状、ユニットの経時変化などで実際の播種量が大きく変わるからです。

 播種ユニットの調整は容量(1反当りのリットル)ですが、麦の栽培基準は重量です。実際の種子で麦の比重を計って計算します。米と同じで、1リットル0.84キロ(150グラムで1合)でした。反当播種量から、トラクターが端から端まで走った時に蒔くべき量を計算し、それぞれの播種ユニットに入れて蒔いてみました。

 1つのユニットは、種を播種機構に送るシャッターを開けた途端にザーッと種が落ちて行ってしまい、あわててシャッターを閉めました。種を押さえるブラシの調子が悪いようです。他のユニットのブラシと交換して、テスト再開です。

 1列蒔いてみて、播種量を調節し、また1列蒔いて調整します。大体大丈夫になったところで、本番に移ります。テスト中に蒔き過ぎで種が無くなってしまったところは、どこまで蒔けたか分かりませんので、芽が出たところで追い蒔きすることにしましょう。

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