もうお盆。暑い日が続きますね。農業歴的には秋に入ります。これからは暑さも和らぎ、種蒔きすれば芽が出てくれるようになります。塩田平では、9月に入ると気温が下がり、虫が出てきます。それまでにある程度育ってくれれば良いのですが、秋の虫にやられると、何度蒔き直してもますます虫が増え、みんな食べられてしまったりします。できれば今のうちに、秋冬野菜の種を蒔いてしまいたいものです。でもここ数日は、時間さえあれば草を刈っていました。田舎のこととて、周りの家はお盆に親戚が集ってきます。人々を迎えるのに、お墓をはじめ、家の庭、田畑の雑草も全てきれいにして、お盆に備えます。
しかしわが家に貸している田畑は草ぼうぼうのままです。周りからの目が厳しくなってきます。体調を崩して2週間以上、農作業をお休みしていましたが、このままはいきません。休耕中の畑に有害植物が生えている、というクレームも来ました。わが家の作物もそろそろ草に負けてしまいます。作物のためにも草を刈らねばなりません。借りている田畑は点在しているので、畦畔の長さは半端ではありません。作りにくい所からしか貸してもらえないので、法面が身長より遥かに高いところもいくつかあります。全面に繁茂した雑草を刈るのはかなり危険な作業です。真夏の猛暑の中ですが、草刈りを始めました。
早起きすれば気温が低いのですが、仕事が終わらず早寝早起きが難しく、目が覚めたら残念ながら6時を回ってしまっていることも。昼前には暑くて動けなくなりますし、午後も5時過ぎても暑い日も多く、7時過ぎには暗くなるので能率が上がりません。壊れた自走式の草刈機を修理している暇がないので、刈払機だけで4日草を刈り続けて、肩も腕も筋肉痛です。田の畦草は刈り終わりましたが、長い法面は、道路から目立つところだけ刈って勘弁してもらうことにしました。久しぶりに行った休耕中の畑には、何と雑草が3メートル以上繁茂していました。刈払機では危険なので1メートル以下になる程度に刈りました。
問題は畑です。1ヶ月ぐらい前に豆を蒔いた畑が、全面草の海。膝より高い程度ですが、目を凝らさないと豆の姿は見えません。草に負けて枯れてしまうまで1週間ももたなそうです。ぎりぎりのタイミングですが、集落内や道路際の草刈りを優先させざるを得ないので、後回しです。最後にやっと取りかかりましたが、連日の炎天下での作業に無理があったらしく、またダウンしてしまいました。治まっていた目眩も再発です。というわけで、豆畑は1割程度草を刈ったところでお盆を迎えてしまいました。過労も目眩も前回ほどひどくはないので、お盆明けに草刈りを再開するまで、豆たちに持ちこたえ欲しいところです。
懸案のジャガイモ掘りは、先週後半、古くからの友人と東京の母が手伝いに来てくれました。体調は今ひとつでしたが、耕耘機を使える人がいないので、参加して鋤で掘り起こしました。力仕事で日が照りだすと10分ぐらいで下着まで汗でびしょびしょになります。30分ほど耕耘機で掘れば、そこから芋を拾い集めるだけで、3人で午前中いっぱいかかります。ジャガイモは3時間以上日光に当てると、緑化してソラニンという毒ができてしまうので、作業は3時間以内が目標です。自分は草刈りに戻りますが、3時間経つ前に、もう芋を集め終わってしまったなら追加で掘ろうと見に行くと、全然進んでいなかったりします。
3時間以上経つと緑化してしまうので、あわてて運搬車のエンジンをかけ、畝沿いを走らせながら運搬車の荷台のコンテナに掘り出された芋を放り込みます。最低速にして、やっと着いていけるスピードなので、必死に芋を拾い続けなければなりません。昼前の暑い中、機械に合わせざるを得ないので、全身汗まみれです。チャップリンのモダンタイムス状態です。その代わり能率は抜群です。他の人は運搬車が使えないので、掘り出す方はやるから、拾い集めるのはやってくださいモードになりがちです。おかげでジャガイモは7割ぐらい掘り終わりました。その分草刈りが遅れていますが、お盆前の最低目標はクリアしました。
それ以外の雑草は、家の近くの畑は父が、遠くの主力の畑は手伝いの人たちがある程度刈ってくれました。後は機械で除草/抑草したほうが効率的ですが、機械を使えるのは自分だけなので、作物が負ける前に間に合うかは微妙です。田んぼの方は、各田んぼで出穂が始まりました。周りより遅れていたので一安心。この時期水を切らすと生育が遅れるので、畦の点検もして水漏れもできるだけ止めました。ある田んぼでは、田面にモグラが開けた穴を発見しました。水が減る訳です。本当は秋作の準備も進めねばなりません。今のところそちらまでは手が回っていませんが、焦らず進めていきたいと思います。